第6話 2周目の世界一周開拓記:その2
今年初の投稿になります。
間隔が開きすぎてしまいました。申し訳ありません。
前回までに古代オリエント地域の再開発を完了しました。
次の目的地は地中海地域、地中海の南岸から北岸に移動して、テッサロニキ城塞の周辺再開拓です。
今年ものんびりとお付き合いください。
宜しくお願い致します。
古代オリエント地域の再開発を完了した俺は、次の目的地である地中海地域に移動してきた。
地中海の南岸から北岸に移動して来た事になるが、気候はこちらの方がすごし安い様に感じる。
此処の都市の名前はテッサロニキ城塞だ。統治用アンドロイドは№7で「テウクロス」という。
テッサロニキ城塞は外見が小パルテノン神殿といった感じで、テッサロニキ北方の台地上に建てた。自然の大理石に見える材質で作ったので一見神殿風になっているが、実際にはとんでもない強度を誇る未来の建築材料で、超強化コンクリートと呼んでいるものだ。
かの有名なローマンコンクリートなどという物は、この時代ではまだ発明されていないが、あれも結構な強度を誇っていたはずだ。何しろローマ時代から現代まで遺跡として残っている位だからな。
しかし、それよりも遥かな過去の時代からでは、さすがにローマンコンクリートでも無理が有るだろう。自然災害や戦争等でも残るようにするには、やはり超強化コンクリートが良いだろうというのが、俺やマリアが出した結論だ。
土台には地下の岩盤まで達しているパイルが何本も打込まれていて、その上に免震構造の基礎を組んで出来ている。
ここは地震や火山の噴火が多いから十分耐えられるように作ったけれど、外観は自然の大理石に見えるように加工してあるから、壊してみないと違いは分からないけどね。
城塞の南西側に20km四方の都市を作ったが、今では50km四方位に広がっているようだ。
俺はアレクサンドリアから船に乗って地中海を横断し、直接テッサロニキの港に上陸した。
航海は天気に恵まれ風も良かったので4日で着く事が出来た。もっとも早かったのか遅かったのか判断できなかったけれど。
上陸してテッサロニキに向かい台地の手前から城塞都市を見上げると、青空と緑の中に真っ白な城壁や塔が見えて、いかにも地中海といった感じがする。
台地へと続く道を地中海から吹く風を感じながらのんびりと歩いて行くと、やがてテッサロニキの城門にたどり着く。
他の城塞都市と同様に、巨大な城門は出入する人々で賑わっている。
此処の門には警備の兵士はいないな。城壁も見える範囲に傷などはないようだから、平和なのだろうと想像できる。
南側の城門から内に入ったが、基本的に白で統一された町並みは陽光に照らされて眩しいばかりだ。サングラスが欲しくなるな。
もうすぐ昼時という事もあって、大通りの飲食店では結構な人が食事をしているのが見える。俺も小腹がすいたので、此処で軽く食事をしていこう。
適当な店に入ってみると、店内は客で込んでいて、カウンター席しか空いていなかった。
店員に勧められるままに、空いているカウンター席に座り、周りの人が食べている物を観察するが、どの料理が美味しいのか良く判らなかった。
こんな場合はお勧めの料理を頼むのが一番だろう。
「今日のお勧めは何が有る?」
近くの店員に聞いてみると
「今日は魚のスープセットと肉の香草焼きセットです。魚はカジキマグロで肉はヒツジと香草のオリーブオイル焼きになりますね。スープには黒パン、香草焼きにはナンが付きます。」
という事だったので、スープセットを頼むことにした。
しばらくして出てきたのは真っ赤な汁のスープと黒パンのセットだった。
スープはスパイスが利いていて、他にも何かの香草が使われているようだ。中々美味い。黒パンも割と柔らかくて香ばしく、スープに合っている。
うん、この店は当たりだな。覚えておこう。
ここで昼食を取りながら、暫くの間、周りの人達や店員の娘と世間話を交えて最近の出来事を聞きながら、一時を楽しんだのだった。
情報収集は酒場や食堂が一番だよね。
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腹も一杯になった所で店を出た俺は、そのまま大通りを歩いて政庁前へとやって来た。
最初に拠点として建造した小パルテノン神殿は昔のまま白亜の外観を維持しており、今はこの地域の象徴的な扱いになっているそうだ。
現在の政庁は、この小パルテノン神殿の南側に一段下がった形で作られ、見た目は小形の国会議事堂?といった感じかな。
結局、政庁に着いたのは午後になってしまったが、最近の話題も一通り聞く事が出来たので、とても有意義な時間だったし、店から出る時にマリア経由であらかじめ到着時刻を知らせておいたので特に問題は無いだろう。
実際、テウクロスも判っていたようで、俺が着くのと同じタイミングで政庁の入り口に迎えに来てくれた。
一緒に政庁の中に入っていくと、受付の人やすれ違う人たちが、テウクロスと一緒に歩いている俺を、誰だ?といった顔で見て来るが、前に来たのは彼らが生まれるよりもずっと前だったから俺の顔を知らなくても当然だろう。
廊下を何度か曲がって、階段を上った先にある応接室に通される。
ソファーに座って見ると結構座り心地の良いソファーだった。まだスプリングは発明されていないと思うけれど、どうやって作っているのかな?
俺の前にテウクロスも座ると女性が2人お茶とお菓子を持って入ってきた。
中々の美人だが、容姿も採用の基準になっているのかな?
彼女たちが俺たちの前にカップとお菓子を置いて部屋から出ていくと、やっと落ち着いて話が出来る。
「久しぶりだが、元気そうだな。」
アンドロイド相手には変な話だが、まあ話のとっかかりとしては無難な所だろう。
「はい。前にマスターとお会いしてから長い年月が経ちましたが、私に変わりは有りません。定期的にメンテナンスもしていただいておりますので。」
「そうか。それは良かった。それでは早速だが現状の確認から行おうか。」
それから2時間程度、テウクロスからテッサロニキの現状や問題点などを聞き、こちらからは今後の目標や工程などを説明する。
やることはアレクサンドリア等と、ほとんど変わらない。
要は、テッサロニキの拡張と周辺の再開拓。港などの整備などといった、謂わば都市開発についてだ。
今回の再開発でテッサロニキの領域は4倍程度になるだろう。
地中海北側にある大事な拠点だからな。今のうちに整備を行って、ヨーロッパ全体の開発拠点にする計画だ。
アレクサンドリアがアフリカ大陸の拠点として開発しているのと同じだな。
「計画としてはこんな所だ。前回の開拓よりも一層大掛かりな開拓になるが、参加する住民数もはるかに増えているから、さほど問題にはならないと考えている。」
テッサロニキの開発完了時の人口は20万人程度だったが、あれから長い時間をかけて増加していき、現在は150万人を超えているはずだ。
「そうですね。この規模の開拓となると、ドローンやアンドロイドもかなりの数を投入することになると思います。マリアからの指示で充分な準備は出来ています。期間は概ね20年と計画されていますが、途中の天候や自然条件の突発的な変化を考慮して30年と考えます。」
建築用ドローンとアンドロイドを最大限投入し、ヒューマノイドに現場監督を行わせれば、特に大きな問題は起こらないだろう。注意が必要なのは自然災害のたぐいだと思うが、気象衛星とセンサーによる地殻変動の観測を行えば、被害は最小限に出来ると思うから、概算としては良い線言っていると思うな。
「よし。計画としてはそれで良いだろう。マリアから工程表が送られてくるから、それに従って工事を始めてくれ。」
「了解いたしました。マスター」
マリアは今の話をモニターして工程表を作り、速攻でテウクロスに送信しているだろう。
古代オリエント地域の開拓に60年弱。エーゲ海文明地域と東ヨーロッパのヴォルグラードの開拓で50年位掛かるだろうから、合わせて100年以上か。
そろそろどこかで一旦休憩を入れないとな。日本に帰ってのんびりしたいし。
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実際に開拓が始まれば、後は他の地域と変わらない風景になる。
テウクロスによってテッサロニキ住民やその周辺の住民から一般生活に支障の出ない範囲でかき集められた作業員は、凡そ10万人。
規模としてはテッサロニキの人口の1/15となる。
工区を3つに分け、この作業員を3班に編成して各工区に割り当てて工事を行わせる。
各工区に工事監督用のヒューマノイドを付けて、その下に建築用ドローンとアンドロイドをサポートとして付ければ、良いだろう。
週休2日制にして、賃金も支払うし賄もつけよう。工期も長いから、途中でボーナスも出そうじゃないか。結構いい職場になるんじゃないかな?
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こうしてエーゲ海文明地域の再開拓が始まった。
もともと配置されていた建築用ドローンとアンドロイドに加え、アレクサンドリアで開拓を行っていた増援のドローンとアンドロイドもこちらに移動して来て、一気に陣容が整った。
後はひたすら開拓を行って行くだけだ。
テッサロニキの周辺を西側、南側、東側の3工区に分け、それぞれを並行作業で熟していく。
最初に主要な幹線道路を整備して、それぞれの工区間での行き来を行い易いようにしてから、森林の伐採作業に開墾作業、整地作業や建築工事と流れるように工事が進んでいく。
作成された都市計画に従って、市街化区域や農業区域の開発に、港などの港湾施設の開発など、図面上の2次元空間が実際の3次元区間へと変わっていく様は、いつ見ても感動ものだった。
港湾施設については、桟橋やドックといった施設の充実を図り、倉庫なども新しい物へと改築を行った。
人力ではあるが、クレーンも設置し、荷の移動も楽に行えるように改良がおこなわれている。
これで、主要施設間に鉄道を引けば、立派な都市として機能するだろうが、蒸気機関車だとしても流石にまだ早いよな。
馬車鉄道位なら良いかな?後でマリアに相談してみよう。
こうして、途中嵐などの自然災害による中断は有ったが、概ね工事は予定通りに進み、26年で竣工にこぎつける事が出来た。
エーゲ海文明地域はテッサロニキを中心に、それまでの10倍の規模となり、人口的には1000万人規模でも十分暮らせる環境が出来たと考える。
テッサロニキ以外に中規模の都市が3箇所でき、その周辺には広大な穀倉地帯と牧畜エリアが作られ、食糧の確保も問題ないだろう。
勿論、港湾施設の拡充により海産物の確保も行われ、今までよりも豊富な海産物が住民の食卓に上る事になるだろう。
各都市にはテウクロスの部下として統治用アンドロイドを配置し、それぞれの地区の監督を行わせることにした。
段々国としての格好が出来てきていると思うが、何分、まだ縄文時代から抜けていない紀元前1万年以前の時代なので、少しは自重が必要かな?なんて思う今日この頃です。
まあ、これで、この先200年位は問題なく発展して行く事でしょう。
これで、エーゲ海文明地域の再開拓は終了です。
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ここ最近、宇宙の何処からの来訪者が地球の人口衛星軌道まで来る頻度が増しているようだ。何処から来るのかは未だに分からないが、監視衛星から送られてくる映像や電子機器により得られたデータにより、リアルタイムで確認及び分析されている。
実際何をしに来ているのだろうか?
只の観光できているわけでもないだろう。
何しろ、一番近い恒星系であるケンタウルス座のアルファ星系でも4.3光年の距離が有る。ちょっと遊びに来るには距離が有りすぎるだろう。
彼らが初めて確認されてから、宇宙船と思われる物の形状には殆ど変化が無く、これまでに人工衛星軌道まで入って来ているのは所謂アダムスキー型がほとんどだ。中の様子は判らないので、乗り心地も判らないが、何年も旅行が出来るような居住性が有るのだろうか?
月軌道上いる母船を思われる葉巻型宇宙船は、結構大きい事が確認されているから、居住性も良いのかもしれないけれど、指揮官の能力や乗組員のメンタルが余程強くないと、極長期間の航海は無理じゃないかな?
太陽系内の探知網をもう少し充実させて、どっちの方向からやってくるのかだけでも確認したいと考えているが、その内、こちらから信号を送って、聞いてみたい気もしている。
もっとも、今の所、彼らの通信自体傍受する事が出来ていないので、通信方法から解析しないと意思の疎通など到底出来ないのかもしれないがな。
少なくとも、こちらから攻撃を行うような意図はないので、ぜひ、平和的な会話を行いたいものだ。
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エーゲ海文明地域の開拓は終わったけれど、この後東ヨーロッパ地域の再開発が続く。
結構な年数、日本に帰っていないので、アメリカ大陸の再開拓に係る前に、一旦休暇を取ろうかな。
少なくとも、この仕事ってブラックじゃないよね?
ようやく、エーゲ海文明地域の開拓は終わりです。
次は東ヨーロッパ地域へ移動ですね。
西ヨーロッパは何時から開拓に掛かろうかと思案中です。
まだ、ほとんど人が住んでいないので、開拓のしようがないのですよね。
もう少し考えてから手を付けようと思います。
次回も、宜しくお願い致します。




