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第5話 2周目の世界一周開拓記

2回目の古代オリエントエリアからエジプトエリアに入ります。

以前に比べればかなり発達しているのでしょうね。

どうかお楽しみください。

 地中海東部からエジプト圏(面倒くさいから今後は古代オリエント地域と言おう。)の再開発を行う為にやって来ました。

 最初の開拓と同じパターンで、古代オリエント地域内のインダス地域、メソポタミア地域、エジプト地域を順に回って再開発を行って行くつもりだ。


 この地域の開拓からは結構な年月が経っているので、それぞれの地域の特色を出しながら発展を続けているのが見ていて楽しい。

 マリアを通して各国の指導者に指示しておいた通り、各地域では文字によって、これまでの歴史を記録してもらっている。また、記録が劣化しないようにきちんと保管されている事も確認できているので、統治用アンドロイド達にはこの状態を維持していくように伝えておいた。


 中国地域から移動する前に、古代オリエント地域の建国から今日までの間に各国に起こった大まかな出来事は、マリアから聞いておいた。

 まあ、それほど大きな事件は起きていないようなので安心したが、小さな紛争のようなものは何度か起きていたので、各地域の周辺に暮らしている他民族の状況も把握しておいた方が良いだろう。マリアなら掌握していると思うけど。


*********************************************************


 さて、まずは古代オリエント地域の一番東にある、古代アッシリア国のムルターン城塞都市にやって来た。

 建造当時は赤茶けた見た目だったレンガ作り風の巨大な城塞は、年月が経って表面の色があせてきて、良い感じに趣が出ている。渋いね~!。

 城塞の壁は、所々補修の痕は有るけれど、その存在感は出来た当時と変わらない。しかし何をやって壊したのかな?


 城塞都市への入城は特に制限されていないようで、多くの人々が自由に出入りしている様はこの辺りが平和な証拠だろう。

 入城後、その足で真っ直ぐに政庁となっている偽モヘンジョダロまで歩いて行く。まず統治用アンドロイド№4のアブー・アル=アッバースに会う為だ。

 実は、アブー・アルは常時マリアとリンクしていて、日々起きた事についてデータを共有しているから、マリアからもらったデータで改めて確認する必要はない。しかし、一人?時空転移装置から遠く離れた現場に赴任して頑張ってくれているので、直接労をねぎらう為にも、実際に会ってゆっくりと話をしたいと思ったのだ。

 政庁に着いてみるとアブー・アルが入口で待っていた。

 こうして会うのも久しぶりなので、一通りの挨拶の後は色々な世間話をしよう。


「ご苦労様。こうして会って話すのも久しぶりだが、調子はどうだい?アブー・アル。」


「お久しぶりです、グランドマスター。ずいぶん年月が経ちましたが、私の調子はすこぶる上々です。」


「それは良かった。マリア経由で此処の報告は受けている。大過なく収めてくれていて本当に有難いよ。まあ、今日は直接会う事が主な目的だけど、その他にも色々と話をしたいと思ってね。」


「了解しております。ママ・マリアから連絡が有りましたのでお待ちしておりました。こちらにどうぞ。」


 アブー・アルに案内されて応接室に移動した。途中で何人かの所員らしき人とすれ違ったが、みんなアブー・アルにお辞儀をして通り過ぎていく。皆に尊敬されているようで、安心した。

 5分ほど移動して着いた応接室は結構な広さで、重厚な応接セットがあり、片方のソファーに案内された。

 座って一息つくと2人の女性が飲み物と茶菓子を持ってやってきた。

 女性たちは俺たちの前にそれぞれを置くと、一礼して退室していく。

 中々仕込まれているようで、綺麗な所作だった。


 カップからはコーヒーに似た香りがしてきたので少し飲んでみると、本物のコーヒーではないが結構飲みやすい。タンポポコーヒーかな?これはこれで良い味を出しているから代替コーヒーとして十分だろう。

 まあ、元の時代で飲んでいたインスタントコーヒーの方が圧倒的に美味いと思うが。


 一通り世間話をして旧交を温めた、仕事の話に移る事にする。


 まず、現在の住民の状況で、免疫遺伝子を持っている割合が一定数を維持している事を確認する。

 もし、集団免疫を維持する為に必要な数が不足しているようなら、再度免疫遺伝子の拡散を行う必要が有るからだ。

 幸い、日本国ではほとんど全ての住民に免疫遺伝子が定着しており、再拡散は必要なかったが、中国地域では一部で最低ラインを割り込んでいた地域が有り、再拡散の措置を行っていた。

 やはり、島国の様に閉鎖されている国土とは違い、国境が陸続きだと人々の交流が多いから、免疫遺伝子を持っていない人と出会う確率が増えて、集団免疫を維持するための最低ラインを割り込んでしまうようだ。

 その他の地域でも統計を取って、免疫保持状態の確認周期を決めて検査を行う事にしよう。

 それによって免疫遺伝子の再拡散時期を算定し、適切な周期で免疫遺伝子を拡散させて、免疫切れの無いようにしていこうと思う。

 もっとも、マリアならそれ位の事はとうに済ませているかもしれないが。


「さて。そろそろ仕事の話に移ろうか。聞きたいのは現状の免疫遺伝子の定着率だ。ここ10年間の状況が判る資料が有ったら見せて欲しい。」


 それからしばらくの間、俺はアブー・アルから一連の状況報告を受け、マリアから聞いた概要よりも詳細な内容を聞いた。

 資料によると免疫遺伝子の定着率は大体85%程度で推移していて、特に落ち込みは見られないようだ。

 人口の増加についてもマリアから聞いたデータとほぼ同じだし、これなら免疫遺伝子の方は置いておいて、予定通りに再開拓の方を始められるだろう。


 古代オリエント地域の再開発については、マリアと何度も検討を行って来たので、綿密な計画に基づく目標値が既に設定されている。

 その中で、インダス地域の再開発についても計画書が出来ているので、それに沿ってアブー・アルと調整を行い、作業員や資材の調達計画を策定すれば良いだけだ。


 俺は、用意していた再開拓計画書をアブー・アルに渡し、今後の予定を説明する。


「マリアと作った計画書だが、目を通しておいて欲しい。これからしばらくの間、この計画書に基づいてインダス地域の再開拓を行う事になる。

 お前には必要な人員の確保と衣食住に関する準備を頼む。開拓に必要な資材はこっちで準備する。

 再開発の範囲は、基本的にムルターン城塞都市の東側20km、南側15kmとし、それに合わせて都市の城壁も広げていくつもりだ。再開拓後の都市の広さは今の5倍位になると考えているが、新しい城壁は現在のムルターン城塞より低くなるだろう。

 ここ50年間に受けた周辺からの攻撃等を考えると、そこまで高い城壁は必要ないだろうからな。」


「そうですね。現在城塞都市の西側は畑等が広がっているので、東と南側ならば問題ないでしょう。作業員の方も準備できますし、ムルターン城塞を作った時の様に作業員に食事の炊き出しを行います。

 また、今回から賃金も支払おうと考えています。貨幣経済も大分定着して来ましたから、個人で使えるお金も必要でしょうから。」


 そんな感じでトントン拍子に話が纏まり、再開発が始まる事になった。

 マリアと計画を始めてから結構な年月が経っているが、現場での方針が決まってしまえば、後の進行は早いものだ。


 俺も現場で実際に働いているが、何しろ300km2以上に渡る広大な範囲で開発が進められているので、何処でどんな工事が行われているのか分らなくなる事が有る。大体、俺が働いていた頃なら幾つもの共同企業体が工区を分割して工事を行っているだろう。

 そこを、全体の監視と工程管理をマリアが行って、要所要所に配置したヒューマノイドを現場監督として適宜指示を与え、その下に作業用ドローンとアンドロイドを配置して安全管理と実際の作業指示を行わせている。

 作業員の数はどれ位いるのだろうか。何千人規模で働いているはずだが、そんなに人がいるように感じられないのは広さ故だろう。


 朝から晩まで体を動かして働き、夜になると作業員たちに交じって酒を飲んで飯を食う。日に焼けてすっかり飯場生活にも馴染んでしまったが、やっぱり気持ちがいいもんだ。

 そんなこんなで今回の開拓には15年掛かったが、無事に新生ムルターン城塞都市も完成し、古代アッシリア国の再開拓も完了した。

 土壌改良も込みで行ったので、作物の出来も良くなるだろう。


 俺はアブー・アルに別れを告げて、次の国へと向かうのだった。


*********************************************************


 さて、ジャジーラ国にやってきました。


 ジッグラド城塞都市もムルターン城塞と同じだけ年月が経っているが、所々に補修の痕が見られるものの、遠方から一見した限りでは出来た当時と変わらないように感じた。

 しかし、場内に入る為に近くまで来て見てみると、所々に攻撃を受けたような痕跡が見られる。マリアからのデータにも有ったが、周辺に住んでいる他の集団から襲撃を受けたようだ。まあ、被害はないようだが。


 城塞都市への入城は特に制限されてはいないようで、色々な人々が自由に出入りしているのが見えるが、門の両脇には武装した警備兵が立っているし、城壁の上にも兵士が立っていて、出入する人々の様子や周辺を監視しているようだ。

 準臨戦態勢のような感じもするが、詳しい状況については統治用アンドロイド№5のシェフザーデ・ムスタファに会って直接話を聞くことにしよう。


 東側の城門から入場して都市の東西を貫く大通りをゆっくりと歩きながら、露店やそこで買い物をしている人々の様子を観察してみるが、活気も有るし子供達も元気で溌溂としているから、生活上、特に問題はないようだな。


 しばらく歩いて、政庁にやって来た。

 シェフザーデ・ムスタファには、俺が着いたことをマリアから直接連絡しているので、入り口を入った所で案内が待っていた。

 そのまま、執務室まで案内してもらい、此処でも簡単な挨拶を交わして世間話をした後、今回の要件について話を始める。

 内容はアブー・アルに話したことと変わりはないが。


「まず、聞きたいのは現状の免疫遺伝子の定着率だ。ここ10年間の状況が判る資料が有ったら見せて欲しい。」


 それからしばらくの間、俺はシェフザーデ・ムスタファから一連の状況報告を受け、マリアからレクチャーされている情報より詳細な内容を聞く事が出来た。

 免疫遺伝子の定着率は大体90%前後で推移しているようだ。

 その他のデータもマリアから聞いた事と同じだし、此処でも予定通りに再開拓を始められるだろう。


 そこで、用意していた再開拓計画書をシェフザーデ・ムスタファに渡し、今後の予定を説明する。

 ジッグラド城塞都市では、主に南側へと開発を行う事になる。

 特に土壌の塩害対策を重点的に行い、作物の栽培に適した土地に改良していく事が第一の目標で、ジッグラド城塞都市も周辺の開発に合わせて5倍程度の広さになる予定だ。

 開発が終われば人口が現在の10倍になっても、充分生活して行けるだろう。


 此処の開発でも作業員に交じって工事を行い、中々楽しい日々を過ごす事が出来た。


 此処の開拓には12年掛かったが、計画通りに工事が完了し、シェフザーデと握手を交わしてジッグラドを後にした。


*********************************************************


 古代オリエント地域の最後、エジプト国のアレクサンドリア都市に来ました。


 まだ、ピラミッドもスフィンクスもないエジプトなので観光地にはなりそうもないが、地中海南岸の気候がどこか気持ちよく感じる。

 このまま歴史が進んだら、ツタンカーメンやクレオパトラは生まれてくるのだろうか?

 有名なファラオがいないエジプト記なんて考えられないのだが、そうなったら原因は俺自身という事になるので、文句の言いようがない。


 そんな益体もない事を考えながらアレクサンドリアの街並みを眺めている。

 時代が違うからかもしれないが、俺の記憶にある元の歴史のエジプトよりも緑が多い気がする。

以前行った開拓でサハラ砂漠の水利関係を十分進めておいたから、砂漠化を抑える事が出来ている事が原因かな。

 このままサハラ砂漠の緑地化が進んでいくと、地球全体の気候にも影響が出るかもしれないが、良い穀倉地帯になるのではないだろうか。


 アレクサンドリアの中央通りをのんびり歩いて南下し、政庁へと向かう。

 何処かゆったりとした時間が流れている町の様子と、市場から聞こえる売り手の大声が不思議と調和していて、時々すれ違うラクダを連れた隊商を横目で見て、出店の焼き肉をパンで挟んだような食べ物を買い食いしながら、ちょっとした観光気分で歩いていく。

 結構美味いな、これ。


 成長でナルメルと会い、話をした。

 エジプトでの免疫遺伝子の定着率は大体88%程度で推移しているようだ。まあまあかな?

 人口もマリアからのデータと大体同じだし、再開拓は予定通りを進めても大丈夫だろう。


 こう判断して、再開拓計画書をナルメルに渡し、今後の予定を説明する。

 アレクサンドリアから東側の海沿いに開発を行い、さらにナイル川を上流に向けて開発を行う。

 前回の開発でナイル川流域の治水工事を行ったが、今回はもう一歩踏み込んで上流にダムを建設し、流域の水量調整を行う事にした。

 さらにサハラ砂漠の緑地化を進め、農地の拡大と牧畜の推進を行う。

 目標は現在の人口が10倍になっても対応可能な食料が確保できる事と、住居建設場所の確保になる。

 当初120万人だった住民は、現在250万人になっているので、3千万人規模の人口を支える事が出来るようにしておきたい。


 前回発見されたリビアヤマネコは、今では交配が進み家猫として世界中に拡散している。

 それぞれの土地でさらに改良がおこなわれたため、色々な血統が生まれているようだが、何処の国でも愛玩用やネズミ捕りなど、人々に愛されて暮らしている。


 ダム工事なども行った為、エジプトでの開拓には22年掛かった。

 緑地化されたサハラ砂漠に緑の麦畑が広がる様は、何とも言えない美しさが有った。


*********************************************************


 マリアの情報によると宇宙からの来訪者が地球の人口衛星軌道までくる回数が増えてきているらしい。

 どれだけ離れた星から来ているのかは分からないが、ご苦労様な事である。有人(?)なのであろうか?

 飛行物体の形はアダムスキー型がほとんどで、たまに月軌道上に母船と見られる葉巻型宇宙船を伴っている場合が有る。葉巻型宇宙船が月軌道上に見えない時は、別の惑星でも観測しているのだろう。流石にアダムスキー型だけでは恒星間飛行は難しいのかもしれない。

 観光目的なら歓迎して案内位するのだが、衛星軌道から観測するだけで帰ってしまうので、どう対応するべきか悩みどころだ。

 その内衛星軌道から内側に入ってくる可能性が有る以上、何時進入して来ても良いように準備だけはしておいた方が良いだろう。

 平和的な会話が出来るなら良いのだが。

*********************************************************


 この後は、ヨーロッパ地域と南北アメリカ大陸の再開発が続く。

 あと100年以上日本に戻れないのだろうな。

砂漠地帯も緑地化が進み、穀倉地帯に変わるでしょう。

エジプトエリアも終われば、次はヨーロッパエリアに行きます。

人口ン少ないエリアなので開発も大変です。

頑張っていきましょう!!

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