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第3話 日本国改造

 首長の皆さんに対する教育が行われます。

 今更ですが、日本という国について少しでも以前の歴史に寄せようと、主人公が努力している訳ですが、古事記と日本書紀が教科書になっています。

 まあ、神様の顕現から告げられた主人公の登場など、神に関しては実在している事が言伝されているので浸透はしやすいでしょうね。

 でも、これを世界中で行うのは大変でしょうね。

 日本神話を広めるための第一歩として“古事記”の読み聞かせをした。

 国首改め郡知事達には何の話か分からなかったと思うが、“日本書紀”と共に、今は只の物語程度に思ってくれればいい。

 さあ、開拓の始まりだ。


 最初に海峡における交通路を確保する為、現代でいう函館港。青森港、関門橋両端の港、岡山港と土庄港、高松港の合計7ヶ所に港を建設する。

 私用する船は、北前船に用いられた弁才船を基にして全長30m、全幅8mで設計しているが、いずれは大型船を開発して使用する事も視野に入れて、港の規模も余裕を持った物にしたい。


「マリア。港の建設で港内の海底を浚渫したいと思うのだが、浚渫船の設計図ってあるか?」


『浚渫船ですか?少々お待ちください。えっと、私が作られた時代には浚渫船という物は使われておりませんでしたから、データベースに残っているか確認してみます。』


「すまない、頼むよ。いざとなったら港口部を塞いで、重力操作で港内の海水を全部港外に出してから、建設用ドローンで一気に海底の土砂を取り除くなんてことも出来るけど、もう少し穏便に出来ないかと思うんだ。」


『そうですね。どっちが穏便か分かりませんが。はい、見つけました。何種類かあるようですね。海底の状態に応じて使う方法が変わるようですが、どうしますか?』


「この時代の海底だから、変なものは沈んでいないと思う。砂が多い土砂用と岩が多い土砂用かな。岩盤ならまず爆破して崩してから浚渫しないといけないはずだから、その場合は海水を抜いて作業を行う方式に切り替えて対応しよう。」


『解りました。ところで、港までの移動方法はどうしますか?』


「移動方法か。タグボートなんてないし、曳航できるような船は無いから自走式が良いと思う。ただ、動力がな。ちょっと帆走には向いていないと思うし、かといってディーゼル機関というのも見た目が場違いだからな。船体も鉄だと目立つし。

 仕方ないから偽装するか。船体は鋼鉄製にして、周りに木を張り付けて木造船に見えるようにする。マストは収納式にして作業中は船内に収納。帆は見た目は帆布製だけどソーラーパネルになっていて充電及び航行用モーターに給電。勿論帆走も出来るように、何て方法に出来ないかな?」


『外観は苦しいけれど木造船に見えるから、それで誤魔化すわけですね。それ位は出来ると思いますから、一度設計してみます。』


「造船可能なら、その方法で1隻ずつ作ってみようか。他に問題になるのは桟橋かな。差し当たって浮桟橋で対応できると思うけれど、いずれはちゃんとした桟橋を作りたいから、その方法も検討だな。コンクリート製の500m級桟橋なんてあれば、大抵の船は停泊できるよな。」


 浚渫船を作るのが面倒くさかったが、今後も使う事が有るからと海底の状態に合わせて使えるように、自航出来るように設計した2種類の浚渫船を作って、各港の浚渫を行うようにした。

 港口部には防波堤を作り、赤白の灯台は灯火式だけれど設置する。小型ではあるが、荷卸し用に人力のクレーンも設置しよう。序でに乗船者の待合室としてターミナルも作る事にした。

 うん。すべて木造だけれど、立派なフェリーふ頭だな。


 弁才船には標準装備で救命ボートや救命いかだ、ライフジャケットと浮き輪を搭載させる。乗船者には必ず保管場所と使用方法を説明して、いざという時の避難に備えると共に、船員には年2回以上の避難訓練を実施して、使用方法を熟知させて、落ち着いて避難誘導が出来るようにしなければならないだろう。

 船内のデッキは上下2層に分かれていて下層デッキに貨物、上層デッキは客室にする。客室は隔壁で前部、中部、後部の3部屋に区切り、舷側側に明り取り用の窓を嵌め殺しで取り付ける。開閉式にすると間違って浸水の原因になるからな。船体中央に通路を設け、船尾側にトイレも作る。差し当たり、海水を汲み上げて使用した水洗式で、廃棄物は海へ直接投棄する方式にした。環境問題を考えれば、いずれタンク式にしたいと考えている。

 貨物室は浸水対策に隔壁で5ブロックに区切っている。勿論それぞれの部屋間は簡易的な水密ハッチで閉鎖する事が出来る。

 上甲板はフラットで荷物は積載させない。トップヘビーになると転覆しやすくなるからな。船客が日光浴をしたり景色を見たりできるようにしておこう。

 上甲板の船尾側1/3は操舵室と船員室を設け、前方と左右の壁は強化ガラスの窓にして、雨天時でも外の確認が出来るようにしておく。一応羅針盤も設置してあるが、まあ、ほとんど使う事は無いだろう。


 こうして設計、建造した弁才船を港が出来た順に東北郡と渡島郡、瀬戸内郡、博多郡に1隻ずつ、出雲郡には2隻を譲渡し、海峡の交通路を確保出来るようにする。

 まだ、それ程行き来する人は多くないだろうから、最初は貨物便を主として1日1往復で間に合うだろう。


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 港の建設と合わせて、街道の整備も開始した。

 こちらは最初から建設用ドローンとアンドロイドが活躍する。更に各郡の主要部から離れた場所については、人目を気にしなくても良いので、ブルドーザーやロードローラーなどの他、トンネル掘削用シールドマシーン等の専用重機も使うつもりだ。

 まず、大まかなルートの設定だ。


 最初は東北郡の三内地域、現代の青森市辺りから関東郡の邪馬台国、現代の秩父市辺りまで途中国道4号線をなぞるように街道を整備する。

 東北自動車道を走っていると安比高原付近で東北道最高標高475mの標識を見た事が有る。そこから考えると東北道と同じコースで行けばそれ程きつい勾配は考えなくても良いかなと思ったが、あの辺は長いトンネルが有ったりしたから、同じって訳にはいかないよな。

 出来るだけ峠部を通るようにコースを考えていくか。つづら折りの道でもあまりに急坂になるような場合は迂回路を考えるが、迂回する距離が大きくなり過ぎるようなら、トンネルや吊り橋を使って出来るだけショートカットして、少しでも歩き易いように工夫をしておこう。

 峠にはお約束の茶屋を設置して、休憩できるようにしてやろう。お茶と団子なんかは定番だよな。


 困ったのは長いトンネルになる場合だ。短ければ両方から差し込む光である程度は明るさを確保できるだろうが、長いと光の届かないところでは真っ暗になってしまう。内部に照明を儲けるとしても、この時代の照明=松明では対応できないからな。

 この時代で夜通し移動しようなんて人はいないだろうから、昼間だけ考えればいいだろう。

 トンネルを通す山の上に砦を偽装した太陽光発電所を設置して、蓄電池経由でケーブルを引き、歩行に支障の無い程度の明かりが確保できる間隔で、行灯風の照明を設置すれば何とかなるだろう。多少不思議に思われても、そういう物だと押し切ってしまえ。

 トンネルの壁もノミ等を使用して掘削したように見せる為に、ノミ痕を偽装しておこう。


 谷は出来るだけ吊り橋で対応する。あまり渓間が長い所は仕方がないけれど、ある程度下ってもらって、適当な渓間の所で吊り橋を作って渡ってもらう。


 こうして街道の経路を計画してみると、大体700km位になる。

 歩行速度を時速4kmとして、1日8時間歩くとすれば32km移動できる。

 宿場町はこの移動距離に合わせて建設するとして、20ヶ所以上必要になるな。山や川などで時間が掛かる部分では、宿場町の間隔も短くする必要が有るから、30ヶ所に作るくらいで考えておけば大丈夫だろう。


 マリアにも検討してもらって回廊のルートと宿場町の場所も決まったので、建設に掛かる。

 街道は簡易舗装で、路側に排水溝を儲ける事で路面に水が溜まる事を出来るだけ防ぐようにした。防水の長靴なんてものはないからな。

 マリアによると、1年掛からないで出来上がるだろうとの事だ。恐ろしいほどの速さだな。


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 各郡内の道路工事や開拓工事は、それぞれの郡知事に任せているので、俺は必要な道具類を貸し出すだけで工事自体についてはノータッチだ。

 それなりに人口も増えているので、作業員には事欠かないだろう。充分な食事と報酬を与える事で、皆頑張って働いてくれるはずだ。

 進捗状況は郡知事からの報告と、作業状態を監視している監視用ドローンからの報告で、常に把握している。万一事故が発生した場合などの対応についても十分間に合う事だろう。


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 実質的には11か月ほどで東北縦貫道の整備が終わったので、東北郡知事に宿場町の管理を移管して、次の街道整備に移る事にした。工事の進捗状況の速さにはびっくりだよ。

 完成した街道には、しばらくの間、旅人が通る事は無いだろうけれど、他の街道の開通と各郡内の開拓が進めば、他の郡へ移動する人通りも増えていくだろう。

 その頃には宿場町もにぎわって、忙しい毎日になるだろうから、数年間はじっくりと頑張っていてくれ。


 さて、2本目の街道は関東郡から上越郡まで、現代の国道18号線ルートを使って街道を通していこう。そして、そのまま近畿郡大津まで国道8号線ルートにそって一気に整備して行おうと思う。

 国道18号線ルートは国道4号線ルートよりも山間部が多く、最大の難所ともいうべき碓氷峠越えがあるので工事も大変だ。

 出来るだけ山と山の間を通るようにルートは考えるが、あまり谷底に作っても降雨による増水が有ればすぐに冠水してしまうから、どうしても橋やトンネルが多くなってしまう。

 工事の方法としては東北縦貫道と同じになるのだが、地質的に少し違うのでそれなりの対応が必要だ。

 トンネルの掘削方法も考えながら街道の延伸も続け、出来た所からさらに人力で作ったように見せかける偽装を行い、トンネル内部の照明なども地方色を感じられるように工夫したりして、変なところに苦労している感が否めない。

 何も考えずに街道整備だけをしていれば、全街道の整備には5年と掛からないだろう。

 しかし、一応余計な疑問を持たれないようにしようと悪あがきをするから、その分時間と労力がかかってしまい、工事期間が倍になってしまう。

 拘っているつもりはないのだけれど、心配性なのかな?


 何とか日本海側まで街道を通して、国道8号線ルートに入る。

 日本海側の海岸線を通るルートだが、海進の影響を考慮して少し山側に入って工事を進める事になる。

 右手に日本海を眺めながらの非常に風景が良いルートなので、宿場町も景色を楽しめるように工夫して建設してみた。

 結構苦労して工事を進め、1年3カ月をかけて街道は琵琶湖の東側を通って近畿郡大津に繋がった。


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 やっと日本海側のルートが開通したので、今度は中山道ルートを使って関東郡まで逆方向に街道工事を行う事になる。

 このルートも途中に山越えの難所が有るが、日本海ルートの経験が有るし、距離的には大分近くなるので、幾分かは楽になるのではと考えている。

 現代でも中山道を歩いて旅をするような人もいたので、この時代の人間の体力から考えれば通行しやすい街道になるのではないだろうか。

 工事自体は重機を徹底的に使用してスピード化を図り、艤装工事も行った結果1年で開通する事が出来た。宿場町は65ヶ所になったが、実際の中山道の宿場町の数と大して変わらない数なので、十分な数だろう。


 この頃になると、東北道方面は郡内の開拓も進んできたこともあって街道を使う人も増えてきたようで、それぞれの宿場町もそれなりに賑わってきたようだ。

 日本海ルートと中山道ルートもこれから賑わうようになるだろう。


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 同様に、近畿郡大津から本州西端、現代の下関市まで出雲郡を経由して国道9号線ルートを使い、こちらも海進の影響を考えて少し山側を通るように街道を整備し、その後、近畿郡大津から山陽道ルートの山側を使って本州西端、現代の下関市までを整備していく。


 並行して岡山港と瀬戸内郡の高松港を建設して、小豆島経由の航路を弁才船で繋ぎ、四国へのルートを確保する。

 同様に下関港と小倉港を建設し弁才船で結んで九州へのルートを確保。


 小倉港から博多郡の大宰府までを国道3号線ルートを使って整備して、その後大宰府から熊本郡人吉間も国道3号線ルートのまま整備を行い開通させた。


 まだまだ通したい街道は有るけれど、差し当たって日本縦断の街道が出来たので、今回はここまでにしよう。

 足掛け9年4カ月掛かって整備を行ったが、十分満足できた。

 後は、各郡内の開拓が進めば、人や荷物の流通が増えて、経済の活性化も図れるだろう。

 何より、日本国としての一体感が生まれることを期待したい。


 ついでと言っては何だが、各郡知事に街道沿いに松を植えるように指示しておいた。

 やっぱり、街道は松並木だよね。


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 マリアが作られた時代では、地球の海についての調査もほぼ終わっていて、俺が生きていた時代では謎だった物も、解明できたものが多いそうだ。

 ただ、それでも解明できない謎も有ったようで、そういった謎を解明する為に生涯を掛けている科学者や冒険者もいたそうだ。

 時代が変わっても変わらない人々がいるようで少し安心したが、その人々の活躍で、俺の時代には発見されていなかったものも、沢山発見されたらしい。

 その中には、明らかに地球上の文明とは異なるものが有ったそうで、どうやら地球外から持ち込まれた文明によって作られた物だろうと言われていたようだ。

 それらは、いつ頃やって来たものか確定できていないようだが、概ね縄文時代頃にやって来たものではないかという説が有力らしい。

 実際、マリアがこの時代で調査したところ、今の所怪しい建造物などは無いという事だった。


 ということは、現在やってきている地球外訪問者が、やがて地球上に侵入して何かを作るのだろうか?

 日本の再開拓が完了しました。

 松並木も次に来るときには立派になっている事でしょう。

 主人公としては日本の開拓が一番気分が乗っていそうですが、これからは中国エリアから古代オリエントエリアと移動してかなければなりません。

 頑張っていきましょう。

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