番外編 統治用アンドロイド達のお茶会
免疫遺伝子の拡散と人類の保護を目的とした世界開拓使が1週目を終えたので、今回は間話回です。
ちょっと余裕が出来たマリアが統治用アンドロイド達の慰安の為にパーティーを開くことにしました。
主人公は一息入れながらあちこち視察に行っていますから、今回は人間抜きでのパーティーという良く判らないものになりました。
ごゆっくりお付き合いください。
第1回茶会参加者(28名)
マザー 「マリア」(画面上で参加:日本地域代表兼務)
長江文明 彭頭国 №1「孔子」
黄河文明 裴李国 №2「孟子」
遼河文明 遼河国 №3「老子」
インダス文明地域 古代アッシリア国 №4「アブー・アル=アッバース」
メソポタミア文明地域 ジャジーラ国 №5「シェフザーデ・ムスタファ」
エジプト文明地域 エジプト国 №6「ナルメル」
エーゲ海文明 テッサロニキ国 №7「テウクロス」
東ヨーロッパ地域 ヴォルグラード国 №8「アレクサンドル」
アラスカ地域 №9「マーク・キャンベル」
カナダ地域 №10「バーナード・モンゴメリ」
北米地域 №11「ワイラキ」
北米地域 №12「ポクマック」
北米地域 №13「シャイアン」
北米地域 №14「アパッチ」
中米地域 メキシコエリア ワステカ №15「カクチケル」
中米地域 メキシコエリア テオティワカン №16「ケフ・ペチュ」
中米地域 グアテマラエリア ティカル №17「マンコ・カパック」
中米地域 ニカラグアエリア バレンケ №18「パチャクテク」
中米地域 パナマエリア メンドサ №19「カルロス」
南米地域 コロンビア メデジン №20「アストル」
南米地域 エクアドル キト №21「ディエゴ」
南米地域 ベネズエラ サン・クリストバル №22「ガブリエル」
南米地域 ベネズエラ エル・ドラド №23「ガルシア」
南米地域 ペルー クスコ №24「アウグスト」
南米地域 アルゼンチン コルドバ №25「レオン」
南米地域 ブラジル ブラジリア №26「ジョルジェ」
南米地域 ブラジル サンタレン №27「チャベス」
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「皆さん、本日はお忙しい中、全員揃ってお集まりいただき、有難うございます。
本日の茶会の進行を務めさせていただきます、統治用アンドロイド№1の「孔子」です。
本日の茶会は統治用アンドロイドの親睦を図るため、マザーであるマリアの発案により実施となりました。
今日だけは忙しい仕事の事を忘れ、皆で沢山話をして親睦を深めましょう。
それでは、第1回茶会を開始いたします。
宜しくお願い致します。」
統治用アンドロイド№1の「孔子」により第1回目のお茶会の開始が宣言されました。
私の名前は「マリア」と申します。
本日はこれまで作って来たアンドロイド達と、気楽に話をしようという趣旨でお茶会を開いております。
私は、あるミッションを遂行するために西暦4134年に建造された、時空転移装置という時間と空間を移動する事が出来る巨大な設備を体に持ち、その設備の運転管理や装置内部に搭載されているメディカルセンターの運用を行う事等を主任務とする電子頭脳です。
ミッションの内容は、この地球という星に生まれ育った人類の未来を救う事で、時空間を移動してミッション遂行に必要な人を探し出して拉致し、さらに紀元前1万1千年頃の縄文時代へと飛んで人類に有る遺伝子を植え付ける事に有ります。
無事に必要な人を探し出す事が出来たので、彼に無断で体を改造して新たなマスターになってもらいました。
まあ、立派に犯罪行為でしょうけれども、人類の未来の為には小さな犠牲という事で問題なしとしました。
幸いマスターとなった彼はそれ程怒る事も無く、人類を救うための活動を粛々と続けてくれております。まあ、かなりお人よしだと思ってしまうのは仕方のない事ですよね。
縄文時代の文化レベルでは人の寿命も短く、ミッション遂行の為には少々問題となった事から、世界各地に人の生活拠点を整備し管理を行う為に、特別に生み出された統治用アンドロイドが、此処に集う者達です。
私自身は日本の山の中に、その巨体を隠してそれぞれに指示を出しているだけですが、このアンドロイド達はそれぞれの現場で先頭に立って開発を行ってくれている、大切な者達です。
何しろ私はびっくりするくらい巨大な体をしていますからね。自由に動くことは出来ません。
その代わり、マスターが私に変わって世界を回りながら各エリアの免疫遺伝子拡散状況の確認や人類の発達、住環境の改善の為に必要な開拓に参加してくれており、現場の状況などを直接見聞きして、重要なことを教えてくれていますから、ほぼリアルタイムで現場の状況を把握でき、適切な対処が出来るのです。
既に開拓が終わった所には統括アンドロイドが配置され、その地の人類を管理しています。また、未開拓の場所については監視用ドローンを派遣して確認を行いつつ、開拓を行う時期を計画するようにしておりますが、どちらも何かが起こってからデータが送られてくるまでにタイムラグが発生してしまうのです。
その点、マスターが現地にいる場合はタイムラグの発生が抑えられ、非常にレスポンスが良い状況になるため、私も安心して他の作業を行う事が出来る訳です。
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基本的にアンドロイドは食事の必要はありません。
月に一度、メンテナンスボックスに入り機能チェックを行う際に充電も行われます。フル充電すると3カ月は稼働できるので、そう頻繁に行う必要はないのですが、長期稼働を行う為にもチェックは行うようにしているのです。
ただ、飲食する事は可能で味覚も結構グルメにセットしています。
仕事上必要な会食などを熟さなければならないので、その場合は体内で化学分解され、100%エネルギーに変換し、そのエネルギーを充電に回す事が出来るので、無駄にしない事が出来ます。
そういった機能が有るおかげで、今回のようなティーパーティーを行う事も出来る訳です。
今回のティーパーティーはアフタヌーンティーを模した、立食式にしています。
28名の参加者なので、4人用のテーブルを7台用意し、それとは別に飲み物などを準備するテーブルなどを数台配置してあります。
統治用アンドロイド達は、会場に入った時にくじを引いてテーブルの場所を指定されますが、開会後は自由に移動して、他のアンドロイド達と会話を行うようにしました。
また、統治用アンドロイド達は業務上男性型ばかりなので、会場が少々ムサイ感じになってしまうのを防ぐために、給仕用のサポートタイプ(女性型)のアンドロイドも10体がコンパニオンとして配置されていて、お茶や菓子類の追加などのサービスを行っています。見た目の華やかさも大事ですよね。
本日はティーパーティーなので、飲み物は紅茶(ダージリン、オレンジペコ、ジャスミン、アールグレー)とコーヒー(ブルーマウンテン、ブラジル、キリマンジャロ、モカ)を用意しております。
御摘みとしては、各テーブル上に定番のスコーン類の他に、アイスボックスクッキーやパウンドケーキ(プレーン、ココア、紅茶、コーヒー、抹茶)が有り、壁際のテーブルにはイチゴのホールケーキ、チョコレートケーキ、クレープ、ミルフィーユ、タルト、一口サンドイッチ、ミニハンバーガー等、色とりどりの軽食が有ります。
スコーンなどにつけるイチゴジャム、ママレード、リンゴジャム、ホイップクリーム、はちみつ、メイプルシロップなども用意されていますし、ムース(イチゴ他)なんかも用意してありますね。
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孟子:
この紅茶は美味しいですな。
老子:
ほう。何を飲んでいるのですかな?
孟子:
ダージリンですよ。香りも良いし、私は一番好きですな。
老子:
こちらのジャスミンティーも中々良い香りで美味しいですよ。こちらのクッキーと合わせても美味ですな。
孔子:
アブー・アルさん。長江流域は広大な平野で農地の開拓も順調なのですが、どうも酪農の方が中々うまく行かないんですよ。何かいい方法は有りませんか?
アブー・アル:
そうですな。長江地域の気候だったら、水牛なんかが良いですかね。結構繁殖力も有るし頑丈だから飼育しやすいと思いますが。
ナルメル:
そう言えばマザー・マリア。マスターは今は何処にいらっしゃるのですか?
マリア:
南米の開拓が終わったから、北米大陸で予定している東西横断道路の建設地を見に行っているわよ。中央ルートの建設予定地がとっても良い所らしくって、泊まり込みで見て回っているわ。
北米大陸が終わったら、次は古代オリエント地域の道路も建設しようって言っていたから、その内アッシリアからエジプトに回ると思うわ。
シェフザーテ:
おや。又こちらの方に来て下さりますか。お忙しいのに有難い事です。
マリア:
マスターも休む時には休んでいるから大丈夫よ。この前も日本に戻って暫く和食を堪能していたわ。
ナルメル:
やっぱり日本人なのですね。こちらの開拓中は、結構現地の料理を気に入って頂けたと思うのですが、和食にはかないませんか。
マリア:
日本人にはジャポニカ米と味噌、醤油が必要なのでしょうね。それに日本酒が有れば言う事が無いそうよ。
ワイラキ:
もう少し気候が暖かくなれば、東に向かって開拓を進めたいですね。
シャイアン:
そうですね。大陸横断道路の北ルートが出来れば、開拓は問題なく出来るでしょうから。問題は気候だけですからな。
アパッチ:
私の方は南ルートが出来てからの移動ですかね。出来ればもう少し人口を増やしてからエリアの拡大を行いたいものです。
ワイラキ:
何しろ北米地域は広いですからね。今の人数では中々エリアを広げる事が出来ませんよ。後、100年くらいすれば開拓速度も上がって来るのではないですかな?
マリア:
もう少ししたら北米大陸に移民を送れるようになると思うから安心してね。出来るだけモンゴロイド系の人を集めて送ろうと思っているから、人種的にも違和感はないでしょう。
アパッチ:
それは有り難いですね。人が増えれば開拓も一気に進みますよ。
マリア:
マスターが前から気にしていてね、一応計画していたのよ。何しろ北米エリアは人口が少なすぎるので、色々遅れてしまっているからテコ入れが必要だってね。
ワイラキ:
やっぱりマスターは色々見ていますね。的確なサポートを貰えるので大助かりですよ。
アストル:
ところで、マスターですが、日頃から浮いた噂を聞きませんが、女性関係はどうなっているのでしょうか?
マリア:
難しい問題ね。何しろマスターは年を取らないから、付き合う人が出来ても先に歳を取って逝ってしまうので、積極的になれない様なのね。それぞれのエリアで適当に遊ぶくらいはあるようだけれど、連れ添いを作る所まではいかないわ。
ガブリエル:
そういえば、私の所で結構気があった人がいたようですが、工事が終わったらすぐに次のエリアに行ってしまわれましたね。相手の方は残ってほしいような素振りでしたが。
マリア:
難しいわね。無理もないのだけれど、次にその街に行ったときには、確実に相手の人は逝ってしまっているでしょうからね。なにしろ400~500年は過ぎているでしょうから。
チャペス:
そう考えると相手も可哀そうですし、マスターにも同情してしまいます。
マリア:
もとはと言えば私がマスターを拉致して、勝手に身体改造までしたことが原因だけど、目的達成の為には仕方が無かったし、マスターから恨まれても当然なんだけれどね。
マスターがこんなに協力してくれるなんて、思わなかったわ。
マーク:
アラスカエリアはまだまだ寒冷状態が続きそうです。食糧事情の改善が望ましいのですが、もう少し暖かくなりませんかね。
バーナード:
その辺はお互い様です。こちらも育てられる作物が限られてしまうので、農地を拡張しても余り収穫が望めません。酪農でしのいでいますが、人が増えなくて困ります。
マーク:
そうですよね。海産物は豊富なので食糧難とまではいきませんが、もう少し作物が増やせると助かります。
マリア:
まだしばらくは寒冷状態が続くから、寒さに適応した改良作物でも回しましょうか?
ワイラキやアパッチにも言ったけれど、植民を大々的に行うつもりだから人口は増やせると思うのよね。それに合わせて色々な改良作物を栽培できるように考えてみましょう。
今よりも頑丈な温室なんかも作れると思うし、ちょっと反則だけど太陽光発電から暖房も取り入れてみようかしら。
バーナード:
それは助かります。それなら、今のうちに住居関係を増やしていきますか。
マーク:
頑丈な温室ですか。大型の物なら色々と使えそうですね。
マリア:
期待していいわよ。ガンガン作っていくからね。
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普段からデータ通信でやり取りをしているので、別に真新しい情報は無いのですが、こうして直に話をする機会が出来るのは良い事ですね。
マスターも色々心配していましたが、想定外の事は今の所発生していないので、問題はないでしょう。
ただ、アンドロイド達にまで心配されるマスターのお付き合い事情というのは、どう言ったらいいのでしょうか?
この先、何千年もの間、マスターには健康に働いていただかなければなりません。
人類の存続がマスター一人の肩に掛かっているのですから、大変な負担だと思いますから、マスターの精神を健全に保つためにも何かしらの方法を考える必要が有りそうです。
ずっと傍にいる事が出来る伴侶は普通の人間には無理ですから。
少し考えてみましょうか。
私の思いは別にして、和やかにティーパーティーは進んでいます。
こんな催しも良い物ですね。
今度はマスターも交えて行えると良いのですが。
ちょっと読みにくいかなと思いましたが、会場内での会話を拾ってみました。
マリアは各テーブルにある小画面で個別の会話をしながら、壁の大画面でも適当に話に加わっています。
途中で、主人公の性活についても話が出るなど、マリアも考えさせられたようですね。
この件は後でどうかかわって来るのか、マリアのひらめきに期待します。




