表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人類改造記:現代のおっさんと未来の人工知能が人類滅亡回避で2人旅  作者: 東風
第1章 突然の拉致からのタイムトラベル
10/50

第10話 能力把握と縄文時代の人口統計

縄文時代でのお仕事について説明会です。

まずは仮装大会から?まあ、郷に入っては郷に従えですね。

直接縄文人とお話しできるのも楽しみでしょう。

とんでもない事が起きなければいいのですが・・・・・

 俺は産婦人科医じゃないので詳しいことは解らないが、この施設では安全、確実な人工授精処置ができる施設が有るらしい。俺がいた時代にも欲しいものだ。

 しかし施設的に安全、確実をモットーとしていても処置できる人数が無限という訳がない。出来れば1日10人位は処理したいから、自分の役割を効率的に熟さなければならないだろう。

 縄文時代まで来て仮想大会になりそうなのだが、子供達に見られない事が幸いだな。


『あなたの主な役割は免疫遺伝の供給ですが、それだけでは暇を持て余しそうですから、シャーマンに扮して各集落に入り込んで下さい。ゾンデを使用してあなたを信じ込むように暗示をかけますから、各集落を足掛かりにその一帯を統率してください。適当に生活水準を引き上げて、衛生関係も改善し母体と胎児の健康を維持できるようにしてくださいね。因みにここの集落が付近一帯で一番大きな集落となります。』


 そんな事をレクチャーしてもらった後は、外に出る際に持っていく装備関係の説明を受けた。

 服装は画面に映っている人々と同じに見えるように加工した布の服で、見た目ではRPGで初期装備に使いそうな防御力が‘1’に見えるが、実際は下手な鎧よりも頑丈でグレートソードで切りつけられても楽勝で跳ね返せるうえに、衝撃も完全に吸収して打ち消す事が出来るらしい。

 その上に着用者の周囲の温度を自動で調整して、氷河期になってもこれを着ていれば外でごろ寝が出来るというものすごい機能が付いているマントのようなものを着用する。

 真っ白で膝下位の丈が有り、一見何かの毛皮に見えるが柔軟で軽く、これを羽織って渋谷辺り練り歩いたらさぞかし目立つ事だろう派手なものだ。

 ただ、下は褌なので、どうも頼り無くて困る。

 自分の生涯では、一度も褌を身につける事が無かったので着用方法も良く判らなかった。どこかのお祭りにでも参加すれば着てみるような機会があったかも知れないが。


 足元は布製のサンダルだが性能は服と同じ。忍者の使う撒きビシを踏んでも貫通することはないし、1t位の重量が掛かったも潰れず、ブラックアイスバーンの上でも滑る事は無いという、安全靴より高性能な装備だ。

 腰のポーチは未来の科学力を結集して開発された空間拡張機能付きで、見た目は普通のウェストポーチだけど、容積は20畳位の部屋に相当する。中の時間は凍結されているので、入れた物が腐ることも無いという、とっても便利な収納具だった。所謂アイテムボックスかな?

 ついでにインデックス機能もあって、念じるだけで脳波を受信し、目の前の空間に収納されている物品の一覧が表示され、そこから指定する事で取り出したい物を瞬時に出すことが出来るから、何処かの青色猫型ロボットのように、入れた物がなかなか出てこないなんていう事も無い。いや~本当に便利だな。


 武器としては、腰のベルトに挟んで携帯する棍棒がある。

 見た目に反して非常に軽い物だが、手に持って振り下ろすと、目標に当たる瞬間に50kg以上の重量物を振り下ろして叩き付けたくらいの衝撃を与える事が出来る。

 これだけでも普通の人間なら即死しそうだが、その上、手元のボタン操作で10万ボルトの電撃を相手に与えるスタンガンにもなる。

 自分の意思に反して手から離れることが無いという機能も有り、誤って落としてしまう事も無い。

 うまく使えば熊でも一撃で倒せるのではないだろうか。

 これは人を相手に使うと過剰戦力になりそうなので、普通の対人戦ではガントレットで対応する。これで殴れば人相手なら十分対処できるだろう。

 このガントレットも特別製で、見た目は肘まで防御できる部分金属製の革手袋といった感じだが、相手にあたる瞬間に衝撃波を発生させて、相手にダメージを与える事が出来るし、人や物をつかんで投げ飛ばす際は握力を自動調整して確実にグリップできるようになっている。

 俺自身の改造によって異常に筋力が増えたから、棍棒を使わずにガントレットだけの装備でも対人戦は無双出来そうだ。


 その他にも色々な装備がある。中には傷薬や風邪薬、毒消し、熱冷まし等の薬類もあるが、全部ポーチの中に収納できて、手荷物にならないので大変助かった。

 渡された装備関係の総重量は合計で40kg以上になったので、袋なんかに入れて持ち歩く事になっていたら、大変な事になっただろう。

 盗られないように保管するのも難しいからポーチを貰えて本当に良かったと思う。


*********************************************************


 大体の装備についてレクチャーしてもらった頃、画面を見れば外の景色はすでに夕方になっていた。

 集落では夕餉の準備でもしているのか煙が上がっている。

 たき火以外の照明がない世界では、夜が来るのも早いのだろう。

 実際、朝日が出たら起き出して仕事をし、夜日が沈んだら寝るといった、大自然に合わせた生活をしている事が良く判る。まあ当たり前と言えば当たり前だが。


 空気中や土中に未知のウィルス等が存在しないか、地中からの放射線や地球外からの放射線強度の確認、周囲の動植物相の確認と毒性の検査等についてはもう少しで完了して、今日中には結果も出るという事だ。

 そうすれば、次は実際に外に出て集落まで行き、この時代の人類と直接接触する事になる。

 これを聞いたら、考古学者や人類学者が地団駄を踏んで悔しがるだろうな。


 その後は夕食を食べ、昨日は入らなかったお風呂にも入る事になった。

 ちなみに、夕食の献立はすき焼きに生卵のスタンダートな組み合わせに、サラダと味噌汁付きのご飯だった。すき焼きは結構良い肉を使っていたし、野菜類も白滝なんかも良い素材がふんだんに使われて、とても美味しくいただきました。

 その後の入浴だが、風呂場はトイレ・洗面所の左側、壁の中央辺りにあるドアから入る事ができ、10畳位の広さで手前1/3が洗い場、残りが岩風呂風になっていて滝まであった。

 お湯は施設の真下から汲み上げている天然温泉で、温度は調整されているのか良い湯加減だった。成分は聞かなかったが有害成分は除去されているのだと言う。透明でヌルヌルしていて臭いからは硫黄系だと思う。

 何処かの旅館辺りにありそうな大岩風呂で、一昨日ぶりにゆっくりと湯につかってリラックスしてから上がると、さっきまで着ていた服も下着もすっかり洗濯が出来ている。素早い対応に驚かされたが、さらにテーブルの上に瓶ビールが3本置いてあり、つまみまで用意されていたのには驚くよりも嬉しさ大爆発だった。

 風呂上がりにビール(つまみ付き)なんて、至れり尽くせりで最高の気分です。

 これでTVでもあったら文句はないのだが、さすがに縄文時代では期待できないが、ビデオ位は無いのだろうか?

 その後はマリアと話をしながらビールを飲んで、就寝時間までのんびり出来たのだった。


*********************************************************


 翌朝、目を覚まして朝の支度を済ませると、朝食の席でマリアからの報告があった。


『お早うございます。早速ですが、昨日までの調査結果について報告します。

 昨日のうちに少し話しましたが、この周辺のウィルス関係について特に未知の物はありませんでした。現在のあなたの免疫機能で十分対応出来ます。

 地中からの放射線及び地球外からの放射線強度も、人体に影響のない事を確認しました。ただし、紫外線強度が若干強いので、UV防御機能を服に追加しました。

 半径50km以内の動物に、特に驚異となる種類は存在していません。また、毒性のある動植物の検査では、あなたに害のある物は確認できませんでした。』


「十分安全に生活できる環境という事かな?脅威となる種類の動物は存在しないと言う事は、この周辺には草食動物しかいないのか?」


『いいえ、あなたにとって驚異とならないという意味です。この時代の人類にとっては十分驚異となるでしょう。』


「いったい、何がいるんだい?」


『熊とイノシシですね。半径10kmから20kmエリアでは少数の固体が活動していますが、大体20km以上離れたエリアには100頭以上の個体を確認しています。その他の大型獣は鹿等が確認できますが、小型になると狐、ウサギ、猿等の群れが確認できます。』


「熊が驚異にならないんだね?俺の体がどれだけ強化改造されたのか知らないけれど、別に熊と力比べなんかしたくないな。」


『そうですね。腕力は恐らく素手で熊を殴り殺せる位だと思いますよ。ところで、昨日お話しした中で、一部修正する部分が出来ましたのでお知らせします。

 昨夜のうちに此処の集落から50mの地下に拠点を設けました。この施設と拠点間はワームホールを使って移動します。これから各生活圏の主となる集落近くに、同じ拠点を建設しますので、拠点間の移動時間は考慮する必要がなくなりました。

 集落から拠点まで徒歩1~2分。拠点から此処に移動して処置を行い、同じ経路で集落に戻ってもらいます。』


「此処の集落を中心とした地域の人口はどの程度になるんだ?」


『この地域は凡そ9000人になります。妊娠可能な女性の人数は3600人位ですね。』


「3600人か。その内70%というと、2500人位かな?1日10人で250日?1年掛からずにこの地域は完了するんだ。ところでワームホールって、なに?」


『概念的には今いる場所から目的の場所まで時空に穴を開けて、そこを通る事で時間を掛けずに移動できると言ったシステムです。』


「ド○えもんの【どこでもドア!!】的な物?ワープやジャンプとは違うみたいだけど、そんな物まで未来の科学者は作っていたのか?」


『そのアニメは、専門チャンネル等で見た事のある科学者達が結構いて、色々なアイテムを作ろうとして研究している人がいましたね。まあ発想がアニメとは別にしても実際に実用化まで漕ぎ着けた物はあまりなくて、ワームホールは成功した少ない1例になります。』


「昔からアニメで未来を夢見た子供たちは多かったからな。少ないとは言っても、それなりに役に立ったようなら結構なことだな。」


『最後に妊娠した女性が出産するのが1年半後で、2500人の免疫遺伝子を保有する子供いる事になります。地域内の年間死亡数を15%程度と仮定すると地域内人口の凡そ25%が免疫遺伝子を持っている事になります。』


「どの位の割合で免疫遺伝子が拡散すれば、問題の遺伝子異常を抑え込むことが出来るんだ?」


『地球全人口の最低70%、出来れば80%以上が免疫を持てば十分効果があると計算されていますから、何段階かで増加させ70~80%を目指します。

処置する地域をナンバーリングしますね。

 №1地区:北緯36.0度、東経139.0度周辺のこの地域ですが文化圏としては2地区を合わせています。人口は約9500人です。

 №2地区:北緯40.8度、東経140.6度周辺に文化圏を持つ地域。人口約2000人です。

 №3地区:北緯37.4度、東経138.7度周辺に文化圏を持つ地域。人口約3400人。

 №4地区:北緯35.9度、東経138.1度周辺に文化圏を持つ地域。人口約2500人。

 №5地区:北緯35.0度、東経133.0度周辺に文化圏を持つ地域。人口約400人。

 №6地区:北緯33.8度、東経133.6度周辺に文化圏を持つ地域。人口約200人。

 №7地区:北緯33.5度、東経130.5度周辺に文化圏を持つ地域。人口約1000人。

 №8地区:北緯30.3度、東経130.5度周辺に文化圏を持つ地域。人口約900人。

 №9地区:北緯41.9度、東経140.9度周辺に文化圏を持つ地域。人口約100人。

 この他に北方の2地区が有りますが時代的には縄文時代中期から後期になるので後回しにしましょう。』


「随分とばらつきがあるな。500人以下の所が3地域か。効率が悪そうだ。」


『その他にも、各地域内で広範囲に分散していますから、最初にある程度集めて、集落を作り直した方が管理も楽になると考えます。各地区に拠点を置いてその地域の処置を行いますが、まず№1地区は此処の集落を中心に半径100km圏内の人間を集めて№1村落を作り、纏めて管理を行います。』


「村落当り平均で2500人位かな?」


『はい。集落の中心に非常用シェルターを改造した家屋を設置して、そこをあなたの拠点とします。この拠点とこの施設間は転送機で繋ぐ予定です。』


「転送機?またSFチックなものが出て来たぞ。実用化されてたのか?」


『既に実用化されて、各惑星間やコロニー間の物資や人の移動に使用されていました。時空転移装置よりは簡単なものでしたからね。事故率“0”の安全な移動手段です。』

ついに転送機が登場!!

時間転位が出来るのだから、それ位出来なくては可笑しいですよね!

もう少し説明が続きますので、気長にお付き合いください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ