【告白をキーワードにして書いてみた話】
【告白をキーワードにして書いてみた話】
男の子side
オレが好きなやつは人気者
誰からも好かれてる
それを遠くから何時も見つめてる
何も行動できないオレ
いい加減イヤになるが行動できない
だって、嫌われたくない
そんなことわからないのに……
突然、ソイツから声をかけられ
ビクつくオレ
「ゴメン……」
謝罪を聞いて、慌てふためく
ソッコー否定して「オレこそボーッとしてた」と伝える
「やっぱり」
「へっ?」
その会話に目が点になる
そんなオレを見て微笑む彼女
そんな彼女が堪らなく愛おしい
話しかけられテンパる
だから、嬉しいハズなのに後悔する
「やっぱりキミに聞いて良かった」
その一言でオレの気持ちはイッパイになる
(伝えたい……)
咄嗟に彼女の袖を掴む
「あのさ……」
彼女は何時もの可愛らしい顔でオレを見つめてる
その続きを発しようとしたらチャイムがなった
「……、なんでも……ない……」
「なにそれ」
袖を離すと彼女が離れていく
数歩歩いた彼女が振り替える
「放課後ね」
その言葉が嬉しくて、心の中でガッツポーズをする
放課後までオレはドキドキしっぱなし
授業なんて聞こえてこなかった
抜けていった
遂に授業はこれだけ
(緊張……する)
噛まないで伝えられるか
拒否されないか
ネガティブな事が頭の中を埋め尽くす
それでも、オレは彼女に伝えたい
オレは覚悟を決めて、教室から誰も居なくなるのを待つ
きっと彼女もそう
だから、彼女も友達とお喋りをしている
それを見ていると余計に緊張する
オレは席から立ちあがり、廊下に行く
何処に行くあてもないが、足が向く方向へ進む
数分すると校舎内が静かになってきた
頃合いを見て教室に戻る
「遅いよ」
彼女の声を聞いて、少し安心する
(待っていてくれた)
「悪い」
「いいよ……。それで?」
彼女がオレに言葉を促してくれる
それに答えるように、オレは気持ちを言葉にして彼女に伝える
オレは下を向き、返事を待つ
少しの沈黙の後、足音がした
「やっぱり」
「へっ?」
顔を上げると、彼女はだいぶ近くまで来ていた
「ずっと見てたもんね、私の事」
彼女がオレに近づいてくる
オレは後退りしたくなるのをガマンする
彼女が小さく微笑み、オレの耳を優しく引っ張る
「私もキミの事、ずっと見てた。私もキミと同じ気持ちだよ」
その言葉が嬉しくて、オレは覚悟を決めてを抱き締める
彼女は華奢だから、オレの腕の中にスッポリ収まってしまう
「ちょっと苦しい……」
「あっ、悪い……」
「これから、ヨロシクね」
頬に感じた柔らかい感触
それに驚いてると、彼女が「顔真っ赤」と呟く
それを否定できない事を自覚しているオレは彼女から顔が見えないように彼女の肩に顔を埋める
オレはそれが悔しくて、彼女に服越しだけど、キスをした
「それだけ……、なの?」
オレは覚悟を決めて、彼女がしてくれたことと同じことをする
「今度は……口に、してね」
「うん……」
それを言う彼女の顔はオレと同じく赤い
それを彼女に言わせてしまったオレはヘタレ
だけど、ヘタレなオレにも彼女に伝えられた
それが嬉しくて、オレは彼女をしばらくだきしめたままだった
女の子side
彼からの視線は何時も感じてる
それに気が付いたのは、自分の気持ちを自覚してから
それに気が付いたのは小学校の時
だって、彼と同じように私もしていた
私だって彼を見ていた
私だって見ていることしか出来なかった
自分の気持ちを伝えるだけなのに
怖かった
だから、それが出来なくて、私は彼を見ていることだけをしていた
彼を見ているのは怖くない
彼を見ていて幸せになれる
気分が浮わつく
ふわふわする
彼への気持ちを知っている私の友人達はよくこう言っていた
“両片想いなんだから、さっさと告白えばいいのに”
そう言われても、彼の気持ちを知ることが出来ない私は見ていることだけを相変わらずしていた
だって、それだけで充分幸せだから
だけど、中学3年生になって進路希望を書く欄を見て、気が付いた
見ていることができなくなるかもしれない
この想いが私を動かした
今まで私は見ているだけだったけれど、私は自分から彼に声をかけるようになった
簡単な日常の話しか出来なかったけれど、それで充分
だって、今は、彼と話しているから
だけど、話せば話すほど、彼と一緒の高校に行きたいと思うようになっていた
だから、私は勇気を出して彼に聞いた
すると私が希望する高校と同じだった
「高校でも、ヨロシクね」
「おぅ」
素っ気ない返事だったけど、私はそれが嬉しくて、高校受験の勉強もはかどった
それに、勉強の事で彼と話せる
それも嬉しかった
高校になると、やっぱり彼を見ているだけになってしまった
自分から動かなければなにも変わらないのはわかっていたのに、動けない私
そんな自分をどうにかしたいと思っていたそんな時に、彼から声をかけられた
そして、放課後
彼を待つために、教室にいると、彼が教室から出ていってしまった
それを見た私の友達はにこやかに「ガンバってね。後で話聞かせて」と言い、教室から出ていく
教室には私1人
そして、そこへ彼が戻ってきた
彼の言葉を聞き、咄嗟に出た言葉は「遅いよ」だったけれど、私と同じ気持ちだったんだと嬉しくなった
だから、嬉しさのあまりスゴい行動をしてしまったが後悔はない
だって、彼と同じ気持ちだったから
そして、彼がハグをしてくれたことが嬉しくて、キスをしてくれたことが嬉しくて、私の心は高揚する
だから、あんなことを口ばしってしまった
でも、それを肯定してくれたことが嬉しくて、私は彼から離れられずにいた
読んで頂きありがとうございました。