声劇台本【私と煙草と元彼】
自由に演じて下さって大丈夫です。
タイトル:私と煙草と元彼
作:銀狼
声劇台本 ♂ 1:♀ 1
時間:約25~30分
・香織
・晶斗
☆煙草を吸われる方は煙草のタイミングはご自由にお任せします。
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・香織(♀):
・晶斗(♂):
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香織M「煙草は嫌いだった」
◇香織:煙草の煙を吐く
香織M「けど、好きな人が煙草を吸ってたから。彼の匂いが煙草の匂いで、煙草の匂いが彼の匂いだから」
◇香織:膝を抱える
香織M「彼の匂いが恋しくて、気が付いたら煙草を吸っていた」
晶斗『お前は悪くないんだ。ごめん』
香織M「私は悪くないって…」
晶斗『別れよ』
香織M「別れを切り出すっていう事はそういうことでしょ?」
晶斗『俺が悪いんだ』
香織M「意味が分からないよ」
晶斗『ごめん』
香織M「未だに好きで、忘れられなくて、煙草の本数は増えていく」
香織「本当に…馬鹿みたい」
香織M「そろそろ前に進もう。煙草もこの一箱で止めよう」
SE:着信音
香織「…晶斗から…電話?なんで、晶斗から…」
香織「…もしもし」
晶斗「【香織?久しぶり】」
香織「…久しぶり」
晶斗「【元気か?】」
香織「うん。元気だよ」
晶斗「【そうか。良かった】」
香織「…急に、どうしたの?」
晶斗「【いや…その…今、家か?】」
香織「そうだけど…」
晶斗「【今から家に行っても良いか?】
香織「え…?えっと…今から?」
晶斗「【今の近くまで来ててさ】」
香織「いや、大丈夫だけど…」
晶斗「【本当?じゃぁ今から行くわ】」
SE:不通音
香織「ちょっと待って、今から晶斗が?今さっき忘れようとしたタイミングだよ!?待って!!…急すぎない…」
◇香織:部屋を見渡す
香織「別れてから女らしくする必要が無くなったから、部屋汚いし、ムダ毛だって処理してないし、本当に勘弁してよ」
香織M「今から好きだった元彼が家に来る。別れたのに、忘れようとしたのに、心臓がこんなにもドキドキしている」
香織「あーもう!何から手を付ければいいの!」
SE:玄関チャイム
香織「え、もう来たの!?」
SE:足音
玄関の開閉音
晶斗「久しぶり」
香織「…久しぶり。いや、早すぎない!?」
晶斗「近くまで来てるって言っただろ?」
香織「そうだけど…なんで…」
晶斗「その、なんだ。お前の顔が見たくなった」
香織「何それ。意味わかんないんだけど…」
晶斗「別に分かんなくっていいよ」
香織「それはそれで、なんか嫌だ」
晶斗「気にしたら負けだぞ?あ、入ってもいいか?」
香織「あー…えっと。今、部屋汚いから片付けさせて欲しい!」
晶斗「(笑う)別に気にしないよ?」
香織「私が気にするの」
晶斗「外で待てと?」
香織「うーん。…玄関で待ってて」
晶斗「分かった分かった」
香織「急いで片づけるから、待っててね?ちゃんと待っててね?」
晶斗「早く片付けてこーい」
SE:足音
香織「あー、えっと、とりあえず服から片づけて…」
◇香織:部屋を急いで片づけ始める
晶斗:部屋の入り口に立ち
晶斗「そんな散らかってないじゃん」
香織「え!?ちょっ、玄関で待っててって言ったじゃん!」
晶斗「へぇー。いつも来るとき部屋綺麗だったから意外だな」
香織「いつも片づけてたから当たり前じゃん」
晶斗「そっか」
香織「そんな部屋をじろじろ見ないで!片づけるから、玄関で待ってて」
晶斗「別に気にしないって」
香織「だから、私が気にするの」
晶斗「手伝うよ?」
香織「大丈夫だから待ってて!」
晶斗「はいはい」
◇晶斗:ベットの隅に座る
香織「本当に…こんな突然来るとは思ってなかったし、早すぎだし…」
晶斗「(笑う)ごめん」
香織「…ばーか。ばーか」
晶斗「可愛い」
香織「ばーか!!」
晶斗「(笑う)」
香織M「久しぶりに会った元彼は何も変わっていなくて、今こうして、また一緒にいる」
晶斗「なぁ」
香織「うん?」
晶斗「誰か来てたのか?」
香織「誰も来てないけど、どうして?」
晶斗「煙草の匂いがするし、灰皿があるからさ。お前は煙草吸わないし」
香織「あー…」
晶斗「もしかして、恋人かー?」
香織「居ないよ」
晶斗「じゃぁ、誰だよ」
香織「誰でもないよ」
晶斗「誰でもないって…お前か?」
香織「…そうだよ」
晶斗「吸うのか?」
香織「うん」
晶斗「お前が煙草か…びっくりだな」
香織「そうだね」
◇晶斗:置いてある煙草の箱を手に取る
晶斗「しかも、俺が吸ってたのと一緒の銘柄」
香織「…そうだね」
晶斗「俺のこと、忘れられなかったんだ」
香織「はぁ!?馬鹿じゃないの」
晶斗「可愛い」
◇晶斗:香織を後ろから抱きしめる
香織「違うから!!そんなんじゃないから!!」
晶斗「何が違うっていうんだ?」
香織「晶斗だって、急に連絡して来たと思ったら、家に来てさ。忘れられなかったの晶斗の方じゃんか」
晶斗「…そうだね」
香織「っ…何それ…じゃぁ、なんで別れたの」
晶斗「……俺が悪いんだ」
香織「そんなのが聞きたいんじゃないの。ちゃんと答えてよ…」
晶斗「香織、こっち」
香織「えっ!?」
◇晶斗:香織を引っ張り、ベットに押し倒す
晶斗「(笑う)なぁ、元彼に押し倒されるのって、どんな気持ち?」
香織「最悪の気分!!」
晶斗「けど、俺のことまだ好きなんだろ?」
香織「はぁ!?何言ってるの」
晶斗「俺は好きだよ?」
香織「…意味わかんない」
晶斗「香織。目を逸らさないで」
香織M「鼓動の音がうるさい。ドキドキドキドキ…この鼓動の音が晶斗に聞こえてませんように」
晶斗「顔赤くなってるし」
香織「そんな事ないし…馬鹿」
晶斗「抵抗しないって事は襲っても良いのかな?」
香織「っ!!どいて!邪魔!!」
晶斗「逃がさない」
◇晶斗:香織にキスをする
香織M「優しく、けれど激しいキス…大好きな彼の温もり…」
晶斗「…香織」
香織M「けれど…何かが違う。なにかが足りない。彼であって彼ではない」
香織「煙草の…匂いがしない」
晶斗「え?」
香織「晶斗から煙草の匂いがしない」
晶斗「あー…俺、煙草止めたからね」
香織「煙草やめたの?」
晶斗「うん。だから、香織から懐かしい味がする」
香織M「彼を忘れられず、彼の匂いだった煙草の匂いに縋り、嫌いだった煙草を吸い始めたのに…晶斗は煙草を止めていた」
晶斗「香織?どうした?」
香織「なんで、煙草…止めたの?」
晶斗「…えっと…その、なんだ」
香織「理由を考えないで。正直に答えて晶斗」
晶斗「…(ため息)」
◇晶斗:起き上がり、ベットに座る
香織:晶斗の隣に座る
晶斗「ちょっとした…気の迷いだったんだ」
香織「なにが?」
晶斗「別の女の子を、好きになったんだ。お前に飽きたとかじゃないけど…」
香織「それは…別れた理由?」
晶斗「うん。ごめん」
香織「…それで?」
晶斗「お前と別れて、その子と付き合い始めたんだ…けど、気管が弱い子だったからさ。煙草を止めてくれって言われて。彼女の為に煙草を止めたんだ」
香織「…そう」
◇香織:火を付け、煙草を吸う
香織「その子とは別れたの?」
晶斗「…えっと。…その…」
香織「はいはい」
晶斗「…ごめん」
香織「その彼女さんはどんな人なの」
晶斗「え」
香織「どんな人なのか聞かせてよ」
晶斗「けど、そんな事聞いてどうすんだよ…」
香織「純粋に気になったの」
晶斗「…ちょっと気が強い子だよ。けど、よく人のことを見ていて、気配り出来る子でさ。弱い部分は見せまいってする所がほっとけなかったりする」
香織「ふーん。そっか」
晶斗「けど、お前の方が好きだから」
香織「うん」
晶斗「信じてないな?」
香織「煙草。よく止めれたね」
晶斗「…まぁ…簡単ではなかったけどな。禁断症状でるし大変だったよ」
香織「ははっ。そっか。今はもう大丈夫なの?」
晶斗「だいぶ落ち着いたよ」
香織「そっか……変な感じだね」
晶斗「なにが?」
香織「いつも晶斗が隣で煙草を吸ってたのに、今は私が吸ってる」
晶斗「…そうだな。確かに変な感じだな」
香織M「もしも。もしも私が止めてって言ったら、晶斗は止めてくれてたのかな」
晶斗「…」
香織「…」
香織M「怖くて聞けなかった」
晶斗「なぁ。香織」
香織「うん?」
晶斗「お前…煙草嫌いだったのに…その…」
香織「今でも、嫌いだよ。けど、煙草の匂いが晶斗の匂いだったから」
晶斗「やっぱり、まだ俺のこと好きじゃん」
香織「好きだよ。まだ、大好きだよ」
晶斗「嬉しい」
◇晶斗:香織にキスをする
晶斗「さっきの続き…してもいい?」
香織「彼女さんは?どうなるの?」
晶斗「…別れる」
香織「別れて、どうするの?」
晶斗「香織。また俺と寄りを戻そう」
香織「…それは…なんで?私よりも彼女さんのことが好きだったんでしょ?」
晶斗「気の迷いだったんだよ…お前と別れて後悔してる。お前の方が好きだってさっきも言っただろ?」
香織M「まだ好きだけど、あまりにも都合のいい話。簡単に『良いよ』なんて言えるが訳ない」
晶斗「別れて気付くとか、遅いのは分かってるんだけどさ。お前みたいな、いい女は他に居ない。本当にごめん。なぁ、香織…」
香織「そんなこと言われても…」
晶斗「なんで?俺のことまだ好きなんだろ?だったら、またやり直せる。な?」
香織「……晶斗」
晶斗「香織、俺と」
SE:着信音
香織「…晶斗、スマホ鳴ってる。出ないの?」
◇晶斗:スマホの確認する
晶斗「(ため息)」
香織:後ろから覗き込む
香織「早希?女の子の名前だ。彼女さん?」
晶斗「…あぁ」
香織「出てあげないの?」
晶斗「今は香織と一緒にいるから。出ない」
香織「なにそれ。出てあげなよ」
晶斗「いい。今はお前との時間を大事にしたいんだ」
香織「…けど」
晶斗「もう、うるさいな」
◇晶斗:香織にキスをする
晶斗「今は俺だけを見てろ」
香織M「このまま…受け入れてしまったら、私は悪い人間になってしまう。許してはいけない。彼はまだ…まだ…」
香織「晶斗…だめだよ…」
晶斗「嫌ではないんだな。駄目ってだけで」
香織「……だめ」
晶斗「嫌じゃないなら、このまま襲う」
香織M「駄目だと分かっていても、身体は正直だ。彼を拒まず、彼を欲する」
晶斗「やっぱりお前じゃないと駄目だわ」
香織「…ばーか」
晶斗「馬鹿でごめんな」
香織M「本当に馬鹿なのはどっちだろうか」
香織「晶斗」
晶斗「香織」
香織M「彼と肌を重ねる。私の知っている彼は、余裕そうに私を見下ろしながら煙草を吸って、私の事を見ているようで見ていない人だった。けれど、今日の彼は私の手をしっかりと握り、優しく重なり、私を見つめ、キスをする。私の知っている彼のようで、私の知らない彼がそこにいた」
晶斗「可愛い…香織、可愛いよ」
香織「はずかしいから…」
晶斗「愛してる」
香織「っ…あいしてる」
香織M「私はいけない事をした。悪い人間になってしまった。彼女のいる元彼と寝ている。彼女に向けられる筈の言葉が私に向けられてる。私は元カノであり浮気相手。けれど、私が悪いの?私が悪いの?彼は彼女よりも私を好きだと言った。彼から私のもとにきたのだ。私は悪くない。悪くない。悪くない…」
香織「晶斗」
晶斗「どうした?」
香織「本当に彼女と別れるの?」
晶斗「別れるよ」
香織「そっか」
◇香織:晶斗を強く抱きしめる
晶斗「大好きだよ香織」
香織「晶斗。晶斗。大好き」
晶斗「あぁ」
香織N「彼のぬくもりを感じながら、私は深い眠りについた」
◇香織:目が覚める
香織「んー…あきと?」
香織M「晶斗がいる。ちゃんといる。夢じゃない」
◇香織:ベットから出ようとする
晶斗「さ…き…」
香織「…さき?彼女さんの名前?」
◇香織:暫く呆然とし、静かに煙草を吸い始める
香織「…私の名前じゃないんだね」
◇晶斗:目が覚める
晶斗「んー…お は よ」
香織「…おはよう」
晶斗「かおり、おいで」
◇晶斗:手を広げる
香織「…晶斗」
晶斗「うん?どうした?」
香織「晶斗は私の煙草吸える?」
晶斗「きゅうにどうした?」
香織「彼女の為に煙草を止めたんだよね。なら、私の為にまた煙草吸える?」
晶斗「……うん。すえるよ」
香織「なら、今それを証明して?」
晶斗「すえるけど…まだねむたいから…かおり、おいで」
香織「…分かった」
◇香織:晶斗に腕の中にいく
晶斗「よしよし」
香織「晶斗」
晶斗「うん?」
香織「彼女のこと、本当にいいの?」
晶斗「うん?おれが好きなのは、香織だから」
香織「そっか」
晶斗「もう、離さないよ」
香織「うん」
晶斗「約束だ」
香織「…うん」
香織M「けど、無意識に呼ぶ名前は私じゃなく彼女の名前。彼女の事、好きなんでしょ?」
香織「晶斗、朝ご飯食べるよね?」
晶斗「うーん。香織食べる」
香織「何言ってんの、本当に」
晶斗「だめ?」
香織「朝ご飯準備してくる」
晶斗「いかせない」
香織「朝ご飯準備するってば」
晶斗「いいよ?準備して。俺は俺で抱きしめてるから」
香織「放してくれないから動けないんですけどー?」
晶斗「知らない」
香織「もう、仕方ない人」
晶斗「(笑う)幸せだなぁ」
香織M「幸せだと思って良いのだろうか。この幸せを信じて良いのだろうか」
晶斗「香織に会いに来て良かった」
香織「はいはい。ほら、もう朝ご飯の準備したいから先に起きるよ」
晶斗「だめ」
香織「あーきーとー?」
晶斗「…分かった」
香織「いい子」
香織N「私はベットから起き上がり、顔を洗って歯を磨き、朝ご飯の準備をする。私は紅茶で、彼はコーヒー」
香織「朝ご飯の準備出来たよ。起きて」
晶斗「ありがとう。コーヒーも入れてくれたんだ」
香織「そりゃぁね。朝はコーヒーしか飲まないでしょ」
晶斗「そうだね。ご飯一人分しかないけど、香織のは?」
香織「煙草でいい」
◇香織:火を付け、煙草を吸う
晶斗「朝ご飯が煙草って…染まったなぁ」
香織「そうだね。すっかり煙草中心の生活だよ」
晶斗「こんな日が来るとはなぁ」
香織「一本吸う?」
晶斗「……なら、貰おうかな」
香織「うんっ」
◇香織:一本煙草を晶斗に渡し、火を付ける
晶斗「あぁ…やっぱ、これだわ」
香織「やっと同じ世界に立てた」
晶斗「え?」
香織「ううん。私、今すごい幸せ」
晶斗「そっか。俺もだよ」
香織「今日はなんか予定とかあるの?」
晶斗「昼過ぎからバイトがあるから、ご飯食べたら一度家に帰ってバイトに行くかな」
香織「そっか…バイト、頑張ってね」
晶斗「なに。寂しいのか?」
香織「はぁ?そんなんじゃないし」
晶斗「寂しいんだろ。可愛い奴だな」
香織「自意識過剰。馬鹿じゃないの」
晶斗「俺は寂しいよ?もっと香織と一緒に居たい」
香織「ずるいよ…私だって…居たい」
晶斗「ごめんな?」
香織「いいよ。バイトだから仕方ない」
晶斗「バイト終わったら連絡するから」
香織「…うん。待ってる」
晶斗「んじゃ、ご飯頂きます」
香織「召し上がれー。目玉焼きとパンだけだから、しょぼいけど」
晶斗「準備してくれただけで嬉しいよ」
香織「ならよかった」
◇晶斗:香織にキスをする
晶斗「ありがとう」
香織「…うん」
晶斗「可愛い」
香織「うるさい。可愛くない」
晶斗「はいはい」
香織「さっさと食べて、さっさと帰ればーか」
晶斗「そんな事言って良いの?」
香織「…やだ」
晶斗「やだ、じゃ分からないよ」
香織「……帰らないで」
晶斗「よく言えました」
香織「けど、帰るじゃんか」
晶斗「バイトだからね」
香織「言った意味ないじゃん!」
晶斗「俺が聞きたかったから。満足」
香織「なにそれ!ほんと…意味わかんない」
晶斗「よしよし」
香織「晶斗。好き。愛してる」
晶斗「俺も愛してるよ」
香織「うんっ」
晶斗「そろそろ準備するわ」
香織「はーい」
◇香織:立ち上がる晶斗を後ろから抱きしめる
晶斗「どうした」
香織「何もー?」
晶斗「準備したいんだけど?」
香織「準備したら?」
晶斗「さっきのお返しか?」
香織「さぁ?」
晶斗「その無防備な脇腹くすぐるけどいいか?」
香織「…離す」
晶斗「(笑う)」
香織「また…来てね」
晶斗「当たり前だろ。また来るよ」
香織「うん。待ってる」
晶斗「それじゃぁ、行くわ」
香織「うん。いってらっしゃい」
晶斗「ありがとな?」
香織「全然いいよ」
晶斗「いってきます」
SE:足音
玄関の開閉音
香織M「心臓がドキドキしている。晶斗とまたやり直せる。彼女と別れたら、ちゃんと答えなくっちゃ。改めて告白してくれるかな?」
香織M「なんて、心を躍らせていた私。数日後、晶斗のLINEから、彼女と思われるメッセージが届いた」
香織M「『私と彼の間には子どもがいます。彼は私と子どもを選ぶと言って下さいました。私達三人の未来を邪魔しないで下さい。』」
香織「子ども…?」
香織M「それ以来、晶斗の既読が付くことはなかったし、返事を返してくれることもなかった。私を愛してるって言ったじゃんか…なんでなの晶斗…」
晶斗『香織。また俺と寄りを戻そう』
香織「そう言ったよね?忘れられなかったって」
晶斗『おれが好きなのは、香織だから』
香織「全部嘘だったの?違うよね?」
晶斗『香織』
香織「晶斗…また、名前を呼んでよ…私の名前を呼んで」
晶斗『愛してる』
香織「私も愛してる…」
香織M「煙草は嫌いだった。けど、前に進めず、結局、煙草を止めるどころか本数が増えていく」
香織「ねぇ晶斗。また私の煙草を吸ってくれるかな?…いつでも帰ってきていいからね、晶斗」
◇香織:煙の吐く
─END─
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