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じゅうはち(3/22修正)

ちょっと短いです…

3/22内容を少し変更しました。

「あ、いたいたシズル!」


 聞き慣れた声に振り向くと、何故か胸をぱふ、と叩かれた。


「…何やってんの?」

「いや、急に振り向くから。肩叩こうと思ったんだけどね?」


 そう言って肩を竦めるリコに、首を傾げる。


「名前呼ばれたら振り向くでしょ?」

「いや~?アンタは全然気付かないよ?」

「ええ?そんなハズは…」


 言いかけて、ふと思い当たった。

 あ、そうか。


「昨日イヤホン落としちゃったんだよね。だからかも。」


 そう言って残った片方を見せると、リコが目を丸くした。


「いつもこれ着けてたの?」

「うん、登下校の時は大体ね。」

「ちょっと着けてみてくれる?」


 言われて、完全コードレスの片方を耳穴に押し込む。

 ちょっと高かったけど、軽くて小さくて疲れにくくて、要するにお気に入りだったのになぁ…。たぶん、昨日線路に落としたんだと思う。

 そんな事を考えてる私をマジマジと見つめて、リコが腕を組んでへえ~と感心したような声を出した。


「なるほど、そういう事か。」

「? そういう事って?」

「うん、まあ、また後でね。とりあえず行こう?遅れちゃうし。」


 駅舎の時計は8時。

 ここからバスで10分だから、確かに急がなきゃだ。

 バス停に行くと、同じセーラー服の女子生徒が列をなしていた。

 その後ろに揃って並び、バスを待つけど一回で乗れるかな。

 この駅始発のバスだけど、人数が多いからかなり混雑しそうだし、なんか、朝から疲れそうで嫌だなぁ…


「ね、リコ。このバスって、一時間早かったらまだましかな?」

「ん?あー、どうだろう?乗ったこと無いからわかんないけど、少しは少ないかもね。」

「そっか、じゃあ明日は早く出よう。それか、帰り歩いて時間計ってみようかな。」

「うわ、出たよ、脳筋。バスで10分を、歩いたらどんだけかかると思ってんの?」

「え、うーん…1時間ぐらい、とか?」


 大体時速6キロで歩けるから―――なんて考えてるのを、リコが呆れて半眼で見てくる。

 そもそも、私が敢えて一つ向こうの駅で降りて20分歩いて来ている事も、リコに言わせるとありえないらしい。途中にいいカンジの公園とかあって、絶好の散歩コースなんだけどなぁ。


「あのね、一時間とか、通学で歩く距離じゃないから。」

「えー、うーん、じゃあやっぱり明日からも“外苑前”にするかなぁ…」

「あー、それなんだけどさ、しばらく“外苑前”使うの禁止にするから。」

「へ?」


 言ってる意味がわからない。

 そもそも、今日この“下坂手”の駅で降りたのは、朝早くにリコからメッセージをもらったからだ。


『大事な用事あるから、“下坂手”で降りてくれる?』と。


 大事な用って何だろう―――?

 その事も含めて聞こうとした時、不意に背後で「きゃあっっ!!」という歓声が上がった。

 驚いて振り向くと、直ぐ後ろで肩を寄せ合うようにスマートフォンを覗き込んでた、同じ学校の生徒3人と目が合う。バッジが赤いから2年生(上級生)みたいだ。

 先輩方は、私の顔を見て、一拍おいてから盛大に目を見開いた。


「えっ? えっ、嘘っ…」

「まさか、本人?!」


 3人が3人とも、画面と私を何度も見比べている。

 えっ、何?

 戸惑う私の隣から、リコが身を乗り出した。


「何なんですか?スマホに、なにか?」

「えっ、あー、えっと…」


 顔を見合わせてから、真ん中でスマートフォンを持った先輩がそれを差し出す。

 表示されていたのは、動画サイトに登録された、人気の動画を集めたチャンネルだった。


 日付は、昨日。

 そしてその動画に付けられたタイトルは。


“転落事故! 救出した男子高校生がイケメン過ぎるwww”


 マジか―――……

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