表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/39

じゅうさん(4/4再修正)

小五→小四に変更

大地のキャラ設定が…

 きっかけは幼稚園で参加した、“エスコートキッズ”だった。


 エスコートキッズと言うのは、サッカーの試合の時、出場選手と入場時に手を繋いでピッチに入る子供達の事で、地元のプロサッカーチームのそれに、通っていた幼稚園が年長組の行事として参加したのだ。


 間近で見た広いピッチに、見上げるほど大きな選手達。

 でも、繋いでいた手は温かくて、笑顔も優しくて。

 試合も、皆で夢中になって応援した。


 その後から、幼稚園では外遊びでボール追っかけて駆け回るようになり、小学校になると直ぐ、サッカーチームに入るに至ったのだ。


 割と背が高くて、まあまあ足も速かったと思う。

 だから、最初の内は、男子と一緒くたになって楽しんでた。

 何しろ子供だから、ポジションなんてほとんど意味なくて、キーパー以外は皆揃ってボール追っかけちゃって、それでコーチに良く怒られてたなぁ…。


 でも、4年生にもなるとそういう訳にもいかなくなってきた。

 体格や体力的なものかクラブでは、1~3年生と4~5年生でチーム分けをしていた。

 コーチの指導も4年生からは変わってきて、ただの球蹴りでは済まなくなってきて。

 そして、その頃になると、低学年の時には何人かいた女の子はどんどん辞めていき、残っていたのは、私1人になっていた。


 ずっとやってたから、他の女子よりは体力あったと思う。

 でも、“天賦の才”なんてものは持ってなかった、から。


『―――どうやったら、そんな上手にリフティング出来るの?』


 そう聞いたのは、誰にだったっけ―――?




「何だよ、ちゃんと覚えてんじゃねぇか。」


 ちょっと拗ねたような顔をしている。

 コイツ、ホントに成長してないな…身長も、せいぜい私よりちょっと高い?ぐらい。

 最初の衝撃が過ぎてみると、意外に頭は冷静になった。


 大地―――佐々野大地。

 小学校の同級生で、同じサッカークラブのチームメイトだ。

 あの頃は小柄で私よりも小さくて、でもドリブルはめっちゃ得意だったから、とにかくガムシャラにゴールに突っ込んでいくヤツだった。まあ、ドリブラーで小柄な選手は多いから問題ないけど。

 チームのムードメーカーで、いつも元気に飛び跳ねてるイメージだったそのまんまの大地は、それでも、ちょっと困った様に掴んでいた腕を放して、空いた手をズボンのポケットに突っ込んだ。


「なかなか通らねぇから、見逃したのかと思ったよ。“シノ”が間違いないっつーから来たけど…」

「…“シノ”?」

「“シノ”だよ、篠崎悠斗。あれ?お前知ってんじゃねえの?」

「知らないよ。ていうか、何の用?」

「何のって…何だよ、会いにきちゃいけないのかよ…」


 大地の言葉には答えずに、黙ってその顔を見つめる。―――いつものように(・・・・・・・)

 大地が居心地悪そうに顔を背けて舌打ちした。


「…何だよ。…“アイス・メイデン”ってホントかよ。カンジ(わり)いな!」


 吐き捨てるように言ったその言葉に、驚いた。

 大地はこっちを見て、意地悪気な顔になる。


「お前もアレかよ、シノには愛想良くしたんだろ?“イケメン”だもんなぁ!」


 イケメン―――?

 そのキーワードに肩がピクリと跳ねた。

 昨日の笑顔が脳裏を掠める。


「くっだらねー。見た目変えたって、無駄だぞ?アイツは昔のお前知ってんだからな?ちょっと位キレーんなったからって「何やってんだ、お前は」」


 後ろからパシッと大地の頭が叩かれる。

 視線を上げた先にいた“彼”と目が合うと、形の良い眉が微かに下がった。

 叩かれた大地が、「イッテー!!」と大げさに叫んでいる。


「なにすんだよっ」

「アホなことやってるからだろ?謝りたいって言ったのは誰だよ?わざわざ2時間もドラッグストアから見てたくせに、他に言うこと無いのかよ?」

「そっ、だっっ」


 大地が頭を押さえながら、顔を真っ赤にしてこっちを見る。

 “彼”が小さくため息をついた。


「悪いな。コイツずっと、小学校からアンタのこと引き摺ってるらしくて」

「ちっ、違っっ」

「違わねぇだろ?スゴい勢いで飛び出して「だから違うっっつーのっっ!!!」」


 大地が大声で叫びながら、こっちを指差した。


「俺はっ、ただ、その、バレンタインのがきっかけで、コイツがクラブ辞めちまって。そん時受け取らなくて、それで―――」


 そこまで叫んだところで大地が口を噤んだ。


 私の、顔を見て、大地が息を飲む。

 私の口角が上がった(・・・・・・・)のを見て。


「―――バカじゃないの?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ