放浪画家、ギルド依頼を受ける。
教会で神の贈り物の鑑定を行ったあと、仕事を探すためにギルドへ向かった。
……
…………
しばらく歩いた後、ギルドに到着した。
ギルドの建物に入り受付に並ぶことにした。先日、受付でお話したエルフのお姉さんの所に並ぶとしよう。受付に並び、しばらく待っていると自分の順番がやってきた。
「次の方どうぞー」と、受付のお姉さんが言った。
案内に勧められるように受付の前へと進んだ。
「えっと、貴方はサトウさんでしたよね」
「はい。先日は、お世話になりました。
今日はお仕事を紹介してもらおうと思いまして」
「サトウさんは、職業は盗賊でしたよね?
レベルもこの前1レベルだったので、討伐系のクエストはちょっと難しいかなぁ」
「あぁ……。一応レベル6までレベルアップ済んでますよ。
今は私服ですけど、装備も一通りそろえてると思います」
「ギルド証を見せてもらえますか?」と言われた。
ギルド証を受付のお姉さんに手渡した。お姉さんは、ギルド証をみたあと驚いていた。
「えっ!! 黒鉄のナイフと鎖かたびら装備なんですか?
本当にレベル6あるし、これなら森で薬草探しの依頼も受けれそうですね」
「その依頼は簡単なんですか?」
「森で薬草を沢山集めてもらうクエストですよ。
出来高制のクエストなので、採集してきた分が成果になる感じですね。
あと、森にはゴブリンが現れるのでそれを対応できる人じゃないとオススメできないですね。
それともう一点、森の中は暗かったりするので昼夜の感覚がつかめず、いつの間にが夜になってることがあるので、たいまつを道具屋で購入しておくことをお勧めします」
「その森は、どういけばいいんですか?」
「この町から南に向かうと【南の森】がありますので、ソコが薬草の採集ポイントになります。
ちなみに、その森を南に抜けると隣町がありますよ」
「隣町って、どんな町なんですか?」
「うーん。凄く騒がしい街ね。
ギャンブルが盛んで、いつもお金が動いてる街ってイメージかしら」
「へぇ。そんな街なんですねぇ。
金払いがよさそうな街ですね」
「金払いは確かにいい街だと思いますけど、何か稼ぐ方法がおありなんですか?
商人じゃなかったですよね? 盗賊だからまさか……」
「いやいやいや!! 盗賊は、あくまでも職業として盗賊なだけで本業は画家なんですよ」
「装備が思ってた以上に整ってたのは、絵を売ってお金を稼いだのかな?」
「ご明察の通りですよ。
道具屋さんと教会のダニエル神父に絵を買っていただいて、そのお金で装備を整えました」
「どんな絵を描くんですか? 人物とかも描くんです?」
女神様の姿絵と、今朝描いたばかりの風景画を、カウンターに置いて受付さんに見せた。
「うわぁ、凄く綺麗な絵。
この綺麗な女性って、どなたなんです?」
「女神ノルン様ですよ。
女神様の姿絵を描いていたので、教会に1000ゴールドで買ってもらったんですよ」
「こっちの風景画は、この村の名所ですね」
「はい。この絵は、宿屋さんから依頼を受けて描いたばかりの絵ですね」
「絵を描いて稼いでるし、ギルドの依頼はいらないんじゃ?」
「絵が売れないときに稼ぐ方法がないと、お金に困ってしまいますので、ギルドのお仕事も定期的にやりたいんですよ」
「職業:画家と言ってたから。
もっと、適当な感じの人だと思ってましたよ」
「あははは、手厳しいですねぇ。
とりあえず、明日は南の森を探索してみたいと思います」
「はい!! 頑張ってくださいね」と、受付のお姉さんに言われた。
「それじゃ、失礼します」と言って、ギルドをあとにした。
昼から教会とギルドに寄ってきているので、夕方近くになってきている。
今日は、宿屋へ戻ろう。
宿屋へ移動して、いつものように宿屋の店主がカウンターで待っていた。
「おかえり、お客さん」
「ただいまです。それと、依頼を受けた絵を描いてきましたよ」と言って、宿屋の店主に朝方の風景画を手渡した。
「イメージとしては、この村の名所の木だけど朝陽が当たって清々しい感じが出せてると思う。
宿屋にはこういうイメージが合いそうだったんで、こんなイメージで描いてみたよ」
「おぉ、道具屋で見てきた絵とはまた違った感じがするな……」
「道具屋さんに絵を見に行ったんですね」
「せっかく買うのだし。
どんな絵が来るのか、楽しみだったからね。
いやぁ、これはありがたいね。お店のイメージも大事にして描いてくれるなんてね」
「絵描きも、ある意味客商売ですから。
ニーズに多少は合わせていかないと、取り残されますからね」
「いやはや、まだまだ若いのに行く末が恐ろしい画家さんだな」と言って、300ゴールドを手渡された。
「絵の代金の300ゴールドだ。受け取ってくれ」
「あっ、どうも。ありがとうございます。
それと、昼食ありがとうございました」と言って、食事を食べた後の籠を返却した。
「ほれ、これが夜食とお湯の入った桶だ」と店主は言って、籠と桶を手渡してきた。
それを受け取り、自分の部屋へと移動した。
自室へ一度戻り、着替えを持ってきて裏庭の井戸で水浴びをした。
うぅぅぅ……。相変わらず冷たいなぁ。
明日は狩りに行く前に、金物屋と道具屋によらないとな。
いや、金物屋は今から行こう。毎日の水浴びで、井戸水が冷たいのは精神的にまいるし。
一度部屋に戻って、再び宿屋を出て金物屋へ移動した。
辺りは少し暗くなりつつあるが、まだ陽は出ている……。移動できないわけではない。
目的地の金物屋へと到着した。
金物屋の店主が、店じまいの準備を始めようとしていたので、声をかけた。
「あの、すいません。一つだけ商品を買わせていただけないでしょうか?」
「あぁ、店じまいしようとしてたところだ。
今なら、まだ大丈夫だよ。店で商品選んでいきな」
「ありがとうございます」と言って、店主が店に戻っていくのに付いていく形で店内に入った。
「いらっしゃい。今日は何のお求めだい?」
「初級の火炎魔法を使って、お湯を作りたいんです」
「ん? 料理に使うにしては変な鍋の使い方だな?」
「あー。毎日の水浴びが辛くて、[ファイア]の魔法が使えるんで、お湯で体を洗おうかと思いまして……」
「面白い事を考えるねぇ君。
そうなると、小さい鍋よりは大鍋の方が合いそうな感じだな」と、店員が言ってきた。
「そうですね。300ゴールド以内であれば出せますんで……」
「いやいや、ウチの店にそこまでの金額の物はないさ。
それじゃ、これなんかどうだい?」と言って、店主は寸胴鍋を更に深くした大鍋を出してきた。
「へぇ、かなり大きいですね。
このサイズでいくらなんです?」
「鉄製の自信作さ、100ゴールドでどうだい?」
「わかりました。頂きます」と言って、店主に100ゴールドを渡した。
「商品を買ってもらったのはいいが、これをどうやって運ぶんだい?
配送してやろうか?」
「あー、それなら。
宿屋の105号室の僕の部屋まで、届けていただけますか?」
「おう、それなら明日の夕方前までには届けてやるよ」
「はい、お願いします」と言った。
[アイテムボックス]で運べば別に苦労はしないのだが、[アイテムボックス]のスキルは、あまり他人に見せるものではないので運んでもらえるのなら助かる。
「それじゃ、よろしくお願いしますね」と言って、金物屋を離れた。
辺りは暗くなったが、空が澄んでいて月が綺麗に見えていた。
僕は月明りに、照らされながら宿屋へと帰宅した。
本日の投稿は3話投稿になります。
7話 0:00~1:00 の間
8話 7:00 ※イマココ
9話 19:00~20:00 の間
の3話投稿です。




