それから……
それから……月日が経ち僕の屋敷が完成した。
僕の所有の奴隷になった女性や少女は、屋敷の維持の仕事や屋敷の敷地内で自由に仕事に就かせた。
男性は、力仕事や建築の仕事を引き続き行ってもらっている。
そんな事をしていたら、ゴレッジの村より規模が大きい集落が出来たので、ゴレッジの村自体を僕の住む屋敷の一部として取り入れる事にした。
その間も、ギルドや教会からは仕事の依頼があったので引き受けていた。
そして、ダニエル神父に国境の城壁を超えて隣国にあるサドタの街に行きノルン様の絵を広めて欲しいと依頼を受けた。
村でいろんな人に、隣国のサドタの街の情報を聞いてみると、ニカイドゥなる悪どい商人が子供達を働かせて、悪どく利益を上げているなど隣国の腐り具合を聞くことができた。
隣国の一貴族として、その件は見過ごすことはできないな……と思い。
僕は、この村を離れて再び旅に出る事を決意した。
旅に出る件を、村のみんなと屋敷の住人達に伝えた。
連絡がつかなくなる件を心配したのだが、エルフの魔法使いの中に何名か[転送魔法]を使えるモノがいた。
教会とギルドがそのもの達を雇い入れて、僕の後追いでサドタの街へ向かわせるとのことだ……。
なので、新作を描く件などは常にやっておいてほしいと、ダニエル神父にある種の無茶ぶりをされてしまった。
流石に、旅に出ている間までは絵の指定されるのは萎えるので、「善処します」とだけ答えておいた。
僕はいろんな絵を描きたいのだ……。
商売として、各分には納得もできるが旅の最中まで商売のことは考えたくないからな……。
屋敷の住人達の中で一人旅を反対したしたのが、セリナだった。
旅のお供すると、一人旅を否定されてしまった。
ぬるく気楽に旅したいから、一人旅をしたいと伝えたら、セリナも納得してくれた。
教会から入ってくる金銭に関しては、セリナに代理で受け取って貰う事にしている。
ゴレッジの村の発展に関しては、僕が旅に出た後も継続でギルドにお願いした。
僕はアウトドアなどでの料理をする技術などには長けていないので、大量の食料と飲料を[アイテムボックス]に放り込んだ。
いろんな人から話を聞くと、この村から北へ一ヶ月ほど進めば、隣国の国境の城壁が見えてくると教えられた。
そして、城壁を超えてある程度進むと、砂漠が広がっているらしい……。
砂漠を抜けた先に、サドタの街があると言う話だ。
ある程度、隣国の行き方の情報を揃えたので出発することにした。
旅に出る前に世話になった道具屋さんや、ギルド長、教会のみんなと屋敷の住人一同に見送られて僕は北の城壁目指して移動を続けた……。
今回は、テントを準備しているし、野営をして旅を満喫するつもりだ……。
道中、モンスターに出くわすこともあったが、平原ということもあったので魔法の恩恵のある自分は、モンスターと戦闘せず逃げることは容易かった。
移動……野営……移動、野営と繰り返し、三週間ほど移動を続けると目の先に、大きな城壁が僕の視界を塞いだ。
ここが、この国と隣国の国境なのか……。
ひたすら、道なりに進んできたこともあり国境の入り口に続いていた。
国境で、神父から渡された物を見せて、女神の絵の布教の為と伝えれば通れると言われているので、僕はそれを信じて国境の入り口へ進んだ。
隣国の兵士が、僕に対して警戒をしている。
「な、何者だ!! ココから先は別の国となっている用がないのならば引き返すがいい」
「あー。どうも、用事ならあるんですよ」と、言って神父から渡されたモノを兵士に見せた。
「ふむ、君はこの国の教会の使者なんだな。
ならば、君は何をする為に、我が国へと入ろうとしているのかね?」
「それは簡単なことですよ。
私が放浪画家であって、この国で一番、女神ノルン様を上手く描ける人間です。
隣国の教会にも私の絵を布教させてほしいと、教会に依頼を受けて来ています」
「この国で一番とは、大きくでたな……。
いいだろう、それ程いうのなら君が描いた絵を見せてもらおうか!!」
「はい、構いませんよ」と言って、女神を描いた絵を兵士に対して見せた。
「おおぉーー。
紙質も良く、多彩な色合いそれに、丁寧に描かれている。
我が国に出回っている、女神の絵の数倍はいい出来ではないか……」
「この国では、これが標準になっているのです。
ココで僕を通さなければ、思想を大事にする両国の教会のメンツを潰すことになりますが?」
「わ、わかった。
みたところ、手荷物と装備品くらいしか持ってないみたいだし。
怪しい所はないだろう……。通行を許可する」
「あっ、どうも」と言って、頭を下げ国境を通過した。
「教会の使者様、ナンバーズの国へようこそ!!」と、兵士たちが歓迎してくれた。
へぇ、隣国はナンバーズって国の名前なのか……。
まぁ、それはいいとして……。
「ココから、サドタの街に行きたいんだが、どう進めばいいのかな?」と、兵士に尋ねた。
「あー、ココの平原を西に一日程、歩いていれば砂漠が見えてくるはずだよ。
砂漠を抜けるのなら、夜から出発して、ひたすら西に進めばいいよ。
砂漠の暑さは夜中はないからね……。それに夜中ずっと歩きつづければ砂漠は抜けれるから、それだけは気をつければ大丈夫だよ」
「あっ、どうも……。夜に砂漠を抜けるようにします。
情報提供ありがとうございます」と言って、国境を抜けた僕はひたすら砂漠を目指し西へと進んだ。
辺りは完全に暗くなっている。
[ライト]の魔法で、周りを照らすが砂漠らしきものは見当たらないないので、ただひたすら進んでいく……。
砂漠といえば暑い場所という、イメージが先行して自分の足元が平原から砂になっていた事を対して気に留めなかった。
しばらく、歩いていると陽が昇り始め急激に温度が上昇を始めた。
ぎゃあーー!!暑い死ぬ!!
み……水を[アイテムボックス]から出しがぶ飲みして、なんとか命を繋いでいる。
[ウォーター]の魔法で、暑さを解消しながら歩いているが正直、この調子だとMPが先に尽きてしまう。
そんな、不安を考えながら先へ進むと……。
牛のモンスターが、大量に僕をめがけて追いかけて来た……。
これには、僕もなすすべがなく、逃げ回ることしかできなかった。
ゼェ、はぁ……。
なんとか、砂漠を抜けた……。
大量の牛達から逃げ出すことはできたが、あらぬ方向へと僕は進んでしまった。
MPが全カラ、食料も、飲料もほぼ尽きている……。食事をして休憩すればMPは回復するのだろうが……。
や、ヤバい……。夜中の砂漠が快適すぎて、深入しすぎていることに気づかなかった……。
MAPを確認するが、ルートを戻すにしても明後日の方向すぎる位置に来ている。
戦闘を回避しても、砂漠の熱気で体力を奪われるのが目に見えている。
救いがないのかと[アイテムボックス]をのぞいてみるが、食料はすでに底をつき、飲料さえもつきてしまった……。
つ、詰んだ……。そんな感じで、途方にくれていると……。
「あのぉーー? 旅人さん生きてます?」と、僕の存在に気付き冒険者のお姉さんが話しかけてきた。
「すいません、冒険者様。
僕は、旅の放浪画家なのですが、お腹が空いて動けないのです。
何か食べ物をお恵み頂けないでしょうか?」
手持ちのバックから、お姉さんがお米で作ったおにぎりを取り出して僕に手渡してくれた。
「はい、これを食べてくださいね。
北に行けば街がありますから、そこまでご一緒しますんで頑張ってください」
おにぎりを貪るように食べ尽くし、最後に指についた飯粒も平らげた。
「君は、イイ人なんだな。
僕が力になれることがあれば、その時は手伝うんだな」
「私は勇者ですから、人のために働くのは当然のことですから……」
「勇者さんなんだな、感謝なんだな……」
おにぎりを貰った事で、何故かこの喋り方がとっさに出てしまった。
貴族のお忍びの旅だし、このお姉さん相手にはこれで通すことにしよう……。
そして、お姉さんから道案内を受けて無事サドタの街に到着できた。
そして、僕はお姉さんにお礼を言うとお姉さんは他の場所に向かっていった。
僕は、この街で別の転生者と出会うことになる……。




