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親子の再開。

 港町のギルド長の依頼を引き受けた翌日……。


 城下街のギルドで、ティーゼさんとモルドさんに集合して貰っていた。


「この街で一週間、経ちましたけど……。

 次はシーラハトの港町のギルド長がお呼びですよ。

 ティーゼさんは半ば強制ですけど、モルドさんはどうされますか?」


「あー、私も良い機会だから行っておくよ。

 距離からすると、城下街よりシーラハトの方が遠いからね……」


「えっと、サトウさんは父とお会いしたんですね」


「ハイ、依頼を二つ程受けたので、そのうちの一つがティーゼさんを連れてきて欲しいって依頼でしたよ。

 娘に会いたがるなんて、良いお父さんじゃないですか……」


「村には、[転送魔法]使えるスタッフはいないからね。

 会いたくても会いに行けないのよ。

 ここのギルド位しか、いないんじゃないかな……」と、ティーゼさんが言った。


「それと別件で、サザランド侯爵と揉めちゃいまして、後3週間ほどスゴロクの街には入らないようにしたいんですよ」


「ちょっとまってくれ、私が帰るときはどうすれば良いんだい?」


「あー。スゴロクの街の入り口へ連れて行きますんで大丈夫ですよ」


「そ……そうか。

 それなら、いいんだ」と、モルドさんが戸惑いながら返事をしてきた。


 城下街のギルド長も出発の準備をしていた……。


「それで、マリルさん貴方も来るんですね」


「おっと、そんな連れないことを言ってくれるなよ……」と言って、マリルさんが笑っていた。


「なんと言っても経費の節約になるしな……」と、モルドさんが言うと残り二人のギルド長がウンウンと頷いていた。


「それじゃ、ギルドの外に出ましょう……」


「「「はい」」」


 3人のギルド長を連れて、[転送魔法]を使いシーラハトの港町のギルド前へ移動した。


「シーラハトに到着です。

 3人とも、迎えにはいつ頃来ればいいですかね?

 とりあえず、僕はここのギルドから洞窟の探索の依頼を受けてるんで、それの途中で迎えに来る必要あると思うので……」


「3人とも、1週間後に頼むよ……」と、マリルさんが言った。


「わかりました。

 一週間後にココに迎えにきますんで」と言って、僕はこの場を離れ先にギルドに入っていった。


 ギルドに入り、ギルド長のティダさんがいるであろう買取倉庫へと向かった。

 端のスペースで暇そうにしているギルド長を見つけた。


「おはようございます」


「やぁ、おはよう。

 娘を連れてきて来れたかい?」


「ハイ、それとモルドさんとマリルさんも一緒に来てますよ」


「ははは、経費の節約だね……。

 この辺りはトロルが出るから、冒険者的にも危険な地だからねぇ」


「え? 遠距離から魔法を食らわせればさっくり倒せますよ?」


「君は一体どうゆう視力をしてるんだい……」


「いや、マトも大きいですし……」と、口ごもった。


「それで、娘達はどこにいるんだい?」


「ギルドの入り口で待ってますよ。

 その前に昨日のトロルの代金と、今回の依頼の代金と海底神殿への行く方法教えてください」


「そうだったね……」と言って、ティダさんは奥の部屋に依頼費の代金を取りに行った。


 しばらく待つと、依頼費の入ったかなり大きめの袋を持って、ティダさんが戻ってきた。


「待たせたね、トロルの買取代金と娘を連れて来る依頼の代金がこれだ」と言って、依頼費の入った袋を手渡された。


 依頼費を受け取ると結構な重さがあり、そこそこの大金であることが実感できた。


「それで海底洞窟への移動方法だが、船を使って島に渡って貰う必要がある。

 船はこちらで準備しておくので港へ向かって来れ。

 それと、早く娘の元に案内してくれないか?」


「わかりました」と言って、ティダさんを連れてギルドの入り口へ向かった。


 ギルドから出ると、ギルド長3人が何かを話ししていた。

 そんな様子も御構いなしに、ティダさんが娘に話しかけた。


「ティーゼ!! よくきてくれたな」と言って、ティダさんは娘をハグしていた。


「お父さん、みんなが見てるから。

 やめて下さい……」と、ティーゼさんから注意されていた。


 ははは、エルフだろうと男親ってのはあんなもんなんだな……。


「あの、サトウさん。

 送り迎えしてくれて、ありがとうございます。

 おかげさまで、何年振りかに父と会えました」と、ティーゼさんがお礼を言ってきた。


「いえいえ、ギルドの皆さんにはして協力してもらってますから」と、答えを返しておいた。


「それじゃ、僕は海底洞窟の探索しますんで来週には迎えにきます」と言って、ギルド長の皆と別れた。


 そのあとは港町を探索しつつ海底洞窟の情報を集めて、海に面した港へと移動した。

 あぁ、潮の香りが強くなった気がする……。そんな事を考えていたら港へと到着した。


 港で、海底洞窟のある島へ移動してくれる船はないかといろんな人に尋ねると、ギルドから僕を島に送る依頼が来ている船長と出会うことが出来た。


「よぉ!! アンタが凄腕の冒険者ってやつかい?

 まったく、そんな感じはしないんだけどな……ガハハハ!!」


「いえいえ、僕はそこらの冒険者ですよ」


「ん? それはないだろう……。

 最低でもトロルくらいは倒せる実力なければ、ギルドが海底神殿の探索の依頼は出さないだろう?」


「あー、そういう意味なら。

 トロルなら倒せますね。

 それと、海底洞窟ってどんなモンスターが出るんです?」


「うむ、主に水系のモンスターが出るよ。

 シートロル、シーマイマイ、ブルースライム、シーウルフと水属性が多いね」


「魔法を使うとしたら、何属性が有効ですかね?」


「風か雷属性が有効だろうよ。

 そんな都合よく、アンタが属性魔法覚えてるかは知らないがな」


「あー、大丈夫そうですね。

 あと、気をつけておくことは?」


「海底洞窟から逃げて来た冒険者から聞いた話だけど、とてつもなくデカいブルースライムがいたって話を聞いたくらいかな……」


「へぇ……。そうなんですね」


「それでどうするんだい?

 今からだと、2時間ほどで島につけると思うが……」


「ハイ、お願いします。

 帰りは[転送魔法]で帰るので一度送ってもらったら、そのまま帰られて結構ですよ」


 そんな感じに話を済ませて、2時間ほど船旅を楽しんだ。

 ガンガン船が揺れるので、楽しんだというのは嘘になるが、無事に海底洞窟のある島へ到着した。


 島に着くと、島には道具屋、宿屋が簡易的に作られていた。


「船長、ここの狩場はもしかして人気のある狩場なのかい?」


「浅い階層なら、トロルも出ないし……。

 10階位までは、初心者の為の狩場さ、道具屋に解放されたマップなんかも売ってるだろうよ」


 うーん、あまり美味しくなさそうな狩場だな……。


「最下層は何回なんだい?」


「最下層は20階だね。

 それ以上の階層はないらしいよ……」


「そうなんだ、情報の提供ありがとう」と言って、船長にチップとして20ゴールド程渡して島へ降りた。


「お客さん、無事で帰ってこいよー!!」と、船長が言ってくれた。


「無理しないようにやるさ……」と言って、後ろを振り返らず手を振って船長と別れた。


 とりあえず、道具屋にでも言ってみるかな、しかし、すでに最深階まで攻略されたダンジョンとはな。

 まぁいい、とりあえず売りに出されているマップを全て買うことにしよう。

 そこまでは、マップを描いても価値がなさそうだし……。


 島の道具屋に入ると、威勢のいい声が聞こえて来た。


「いらっしゃいませーー!!」


「商品を見させてもらうよ」


「はいはい、じっくり見て言ってくれよ」


 お店の中を見て回ると、ダンジョンの10階までのマップや、最深階まで言った人間の名前が書かれているボードを見つけた。


 最深階層到達者:【鉄の女】ティーゼ・ステイ・ゴールド


 ん? 鉄の女?どっかで聞いたことが……。

 うーん、思い出せない。


「店主、10階層までのマップを売ってくれ。

 それと、最深階到達者がいるのに何故、10から先のマップがないんだ?」


「まいどあり!!

 それは簡単なことさ、このダンジョンの10階以降に潜れる事が一種のステータスだからな。

 自分の稼ぎを減らしたくないから、マップを作る奇特な奴なんていないさ」


 そう言って、店主は海底洞窟のマップを渡してきた。


「一つ50ゴールドで、10階分で500ゴールドだ」


 マップの代金を支払い、店を出て海底洞窟へ潜る準備を始めた……。

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