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シーラハトのギルド長。

 城門を抜けて、シーラハトの港町に入る、町に入ると潮の香りが強くなった気がした。


 ……って、入り口で焼き魚を焼くな!!

 ある意味、何もかもぶち壊しな感じだが、手のひら二つ分くらいのサイズの焼き魚を屋台で売っている。


 僕は焼き魚に興味を示してしまったので、自分の分を含めて五人分を購入した。

 焼き魚は木串を刺した状態で、炭で焼かれている。


 程よく皮が焦げて、少量の塩をかけられているみたいだ。

 木串を持ち焼き魚を一気に食べる、立ち食いで食べるので行儀は良くないが致し方ない。


「ウマッ……!!」っと、思わず声が出てしまった。


 魚のクドさの無い脂が口の中に広がる。

 程よい塩味が、いいアクセントとなっている。


 一人で、焼き魚1匹を食べきった。

 フゥ……満足だ……。

 現地の美味いモノを食べる、コレも旅の醍醐味だ。美味い魚と酒と温泉旅館でもあれば、言う事ないんだがなぁ。


 そんな感じに港町を探索? いや、買いまわりをして港町をグルッと回った。

 一応、シーラハトの教会で神父に挨拶をした。既にこの町の教会に連絡は付いていたらしく、複製の絵を卸して教会をあとにした。


 その次にギルドに寄った。

 トロルを無駄に討伐しているんで、買い取ってもらう予定だ。

 あとは、面白そうな依頼があったら受けるかもしれない。


 いつものように、受付に並んで買取の件を伝えたら。

 買取倉庫に行くようにと説明を受けた。

 トロルの討伐数を記入して、確認してもらうと受付のお姉さんが驚いていた。

 いつものように、端のスペースで買取の手続きをするようにと注意をされた。


 ギルドは規模こそ違えど、やることは一緒なんで解りやすくて、気苦労しないなぁ。

 そんな事を考えながら、買取倉庫へ移動した。


 ……

 …………


 買取倉庫に到着した。

 倉庫内を見回すと……倉庫内は色々と盛況な感じだった。


 えっと、端のスペースは……いつも通り、ガランとしている。


 買取倉庫の端のスペースへ移動して、人を呼んだ。


「すいませーん、買取お願いしたいのですが」


 奥の部屋から、エルフの男性が出てきた。


 この人が、買取倉庫の責任者なのかな?……等と考えていると男性が挨拶をしてきた。


「どうも、はじめまして。

 私はこのギルドのギルド長をしている、ティダという。

 今日は、うちのギルドに何の用だい? サトウハジメ君」


「あれっ? 自己紹介しましたっけ?」


「君が来る件は前もって、娘から聞いていたのでね。

 それに、受付からここに来るように説明を受けたよね?」


 ギルド内で、情報が伝わってたのはわかるが……? 娘だと?

 ……と、困惑してしまった。


「あー、私はティーゼの父だよ」


「あぁ、なるほど……」と、言われて納得した。

 言われてみると、ティーゼさんと顔のパーツが似てる部分があるなぁ。


 美形親子か……。


「僕の件の話はそちらのギルドにも伝わってるですかね?」


「あぁ、大概ね……。

 君に協力してやってくれと、各ギルドから頼まれてもいるよ」


「そうなんですね……。

 今日は道中で倒した、トロルの買取をお願いしたくて来ました」


「ほぅ、噂通りのやり手冒険者みたいだね。

 それで、何匹くらい倒して来たんだ?」


「とりあえず50匹は倒してます、そこから先は数えていません」


「ほう、そんなにか……。

 トロルの肉は食用にはならないけど、漁なんかにはよく使われるんだよ。

 魔石は耐久力もあるから、魔道具の使用にも扱いやすいしね」


「へぇーー、そうなんですね」


「しかし、普通なら魔石だけ持って来るか。

 何人か掛かりで台車に乗せて来るかしないと持ってこれないシロモノなんだがね。

 [マジックバッグ]と[転送魔法]を使える冒険者とは、娘もいい人材を見つけたモノだな」


「あはは……。

 その代わりにゴレッジの村のギルド経由で、お仕事お願いしてますし。

 お相子みたいなモノですよ」と、ティダさんに言っておいた。


「よし、倒したモンスターをこの場に置いてくれ。

 ここからは、私達の仕事の見せ所だ……」


 コクリと頷き[マジックバッグ(仮)]に入っている、トロルを全て買取スペースに置いていった。


 1……2……3………………50……57……58、59っと。


 数えながらトロルを置いていったら59匹倒していたみたいだ。

 端のスペースだけでは討伐したモンスター入らず、隣のスペースも利用する羽目になった。


 ……

 …………


 買取倉庫の人員を増やして作業をしてはくれたが、量がかなり多かったため代金の支払いは、後日ということになった。


 まぁ、物理的に無理なモノは無理だろうし諦めて今日は帰ることにした。


「ちょっと待ってくれ。

 サトウ君。君に二つ程、依頼を出したい」と、帰ろうとする僕に静止がかかった。


「あっ、ハイ。

 どんな依頼でしょう?」


「一つは、娘を一度ココに連れて来てくれないか?

 ギルド長の職に就いてから、一度も会ってなくてな。

 親として心配なのだよ」


「あぁ、それなら。

 セブンスの城下街に、モルドさんとティーゼさんの両名を連れて行ったので、城下街のギルドに明日迎えに行く旨を伝えてもらっていいですか?」


「あぁ、わかった。

 その旨を私から城下街のギルドに連絡を入れておく」


「はい、お願いします。

 それで、二つ目の依頼はなんでしょう?」


「これだけのトロルを倒せる君は冒険者としてレベルが高いから、洞窟の探索をお願いしたくてね」


「マッピングとか、そういった感じです?」


「あぁ、そんな感じだ……。

 この港町から、2時間程船で行ったところの島に海底に続いてる洞窟があってな。

 私達、町の住人はあの洞窟を海底洞窟と言っている……」


「海底洞窟ですか……?

 潮の満ち引きで、海水トラップとかがある感じです?」


「あぁ、それはないから大丈夫だよ……」


「変なトラップがないのなら、それなら引き受けましょう。

 3週間ほど、ほとぼり冷めるまでスゴロクの街に帰れないですし。

 良い時間つぶしになりそうだ……」……と言って、続けて僕は言った。


「また明日、ティーゼさんを連れてお邪魔しますんで、よろしくお願いしますね」


「あぁ、頼んだよ」と、ティダさんが言った。

 そして、僕はギルドの外に出て[転送魔法]で、セリナ達が待つ家へと帰宅した。


 まだ、辺りは明るいので建物の建築作業が行われている。

 ギルドからの人員も、スゴロクの街から来たみんなも建築を頑張ってくれてるみたいで何よりだ。


 そんな姿を遠目に見ながら、セリナ達が住む家をノックした。


 コンコンコン……。


「どちらさまですかーー?」と、子供の声が問いかけてきた。


「僕だよ、ただいま」と言うと、「「「お帰りーー」」」と、子供達の返事が返ってきた。


 子供達が扉を開けてくれたので、家の中に入ると中でセリナが家事の準備をしていた。


「あっ、お帰りなさい。ご主人様」


「ただいま。

 それと、みんなにお土産があるから、四人分のお皿を用意してくれないか」


「ハイ、わかりました」と、セリナが言って四人分のお皿を用意してくれた。

 四つのお皿に[マジックバッグ(仮)]から、焼き魚を取り出して皿に置いていく。


「シーラハトの港町の屋台で買ってきた。

 焼き魚だ……。この辺りだと海の魚はほとんど食べないからね……」


「ご主人様の分は?」


「あぁ、匂いにつられて、その場で食べちゃったんだよ。

 だから、お土産は君達の分だけだよ」


「そうなんですね。

 それと、シーラハトの町までの探索お疲れ様です」


「ありがとう、これでギルドからの協力を得やすくなったと思うから。

 次にスゴロクの街で活動する時は、色々と進展できると思うよ」


「いえ、ご主人様は十二分に頑張られてましたので、私達から苦言は微塵もありません」


「そっか、ありがとな」と言って、セリナの頭を照れ隠しで撫でた。


「あー、お姉ちゃんばかりズルーい」と、子供達がこっち寄ってきた。


 こうなると回避はできないので子供達の相手をした後、あたりが暗くなる前に村の宿屋に帰宅した。

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