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シーラハトの港町

 貴族との対談を終えた翌日……

 貴族達とのイザコザもあったので、一ヶ月ほどスゴロクの街から離れたいと考えていた。


 とりあえず、セリナの様子を見てから今後の行動を決めて行くことにした。

 [転送魔法]を使い、セリナが住む家に向かった。


 とりあえず、ベッドと灯りの魔道具を用意したがどうなっただろうか……。


 セリナの家の扉をノックした。

 コンコンコン……


「ハイ!! どちらさまですか?」


「僕です。ハジメです」


「あっ……。ご主人様!!

 今、扉を開けますね」と、セリナは言って扉を開けた。


「おはよう、セリナ」


「ご主人様。

 おはようございます」


「ベッドと灯りの魔道具は渡したけど、不自由はないかい?」


 ……と言って、ついでに周りを見渡すと、建物の周りには柵を設置されていた。

 それと、他の建築物がつくられている途中のようだ。


「ハイ、柵ができたことでモンスターが寄らなくなってます。

 それと、ベッドと灯りの魔道具がありますので何の不自由もないですね」


「そっか、それなら良かった。

 それじゃ、生活費を渡すから教会にいる三人の世話を頼まれてくれないか?」


「わかりました」と、セリナが納得してくれたので一ヶ月分の生活費をセリナに手渡した。


「昨日、(くだん)の貴族と交渉決裂してね。

 一ヶ月ほど、スゴロクの街から離れようと思っているんだ。

 なので、そのついでにスゴロクの街の東の町を探索しようと思ってる」


「東の町だと港町、シーラハトですね。

 本当は私も旅のお手伝いをしたいのですが……無理そうですね」


「うん、今回は理解してもらえると助かるな」


「はい」


「よし、そしたら。

 教会から三人を連れてくるから、面倒見てくれな」


 コクリと、セリナは頷いてくれた。

 それを見て[転送魔法]で、スゴロクの街の教会へ移動した。


 教会に入り、神父と彼女達を探した。

 神父に彼女達を新しい家に住まわせる旨を伝え、一ヶ月ほど旅に出ることを伝えた。


「そうか、サザランド侯爵に直接会って交渉が決裂したんだな。

 それなら、この街からしばらく離れるのは賢明だろう……」と、納得してくれた。


「おにいちゃん、新しいお家に行くの? 私達?」


「そうだよ。

 しばらくは、セリナと四人で暮らすんだよ」と言って、三人の頭を撫でてやった。


「それじゃ、この三人連れて行きますね。

 行くよ、アイラ、ミラ、ライラ」


「「「はーい」」」と、三人は元気よく返事した。


 [転送魔法]を使い、三人をセリナが待つ家に送っていった。


「到着だ。ココが君達の新しい家だよ。

 セリナのお手伝いをちゃんとするんだぞ!!」


「うん、わかった!!」

「お姉ちゃん、どこ?」

「新しいお家ーー!!」


 ……と、三人とも違う反応している。


 扉をノックすると同時に扉が開いた。

「おかえりなさい」と、セリナが迎えてくれた。


「三人とも、セリナの言うことをちゃんと聞くんだぞ」


「「「はーい」」」


「一ヶ月ほど、留守にするから何かあったら宿屋にいるゴルドンさんを頼ってくれ。

 彼達は屋敷を守るために雇った人員だからね」


「わかりました。

 ご主人様、怪我などしないように気をつけて下さいね」


「あぁ、それは大丈夫。

 夜には宿屋に帰ってくるから安心してくれ」


 そして、四人との別れを済ませて再びスゴロクの街の外へと移動した。

 [転送魔法]で移動してきたが、目の先にはスゴロクの街の城門が見えている。


 今回は街に入る必要はないし、それじゃ東へ進もう。

 目指すのは港町シーラハトの町だ。

 港町ということもあり、海があるんだろうな……。


 ……

 …………


 ……と、感じに次の町への移動を開始した。


 結論から言うと、一週間もかからずにシーラハトの港町に到着した。


 道中は平原でこれといって、苦労することは無かった……

 山も無ければ谷も無かったし、森もないので苦戦するポイントがなく、モンスターが強いと言うわけでは無かった。


 出てくるのはトロル位のものだった……。

 トロルは大型の人型モンスターで動きが遅いし大型のモンスターで発見が容易でき魔法に弱い。

 近接戦闘に入る前に[ファイアボルト]の魔法で、仕留めてしまうので苦戦しなかった。

(そういう事もあり、トロルとの戦闘を回避せず見つけたら積極的に倒していった)


 トロルは経験値はソコソコ持っていたみたいで、レベル42→45へ上がっていた。


 盗賊スキルを二つ習得していた。

 [タカの目]と[警戒]の二つを習得した。


 タカの目は、遠くの場所のモンスターを把握できるスキルで、簡単に言えば視力アップという感じだ。

 [警戒]は文字通りのスキルだ。[危機察知]が急な回避用というなら、[警戒]は前もって危険に対して対策をするためのスキルだ。


 ……

 …………


 この一週間で、そんな出来事があったが今回の旅の終着地点が近づいたみたいだ。


 潮の香りがする。

 海が近いのだろう……。


 潮の香りで海の存在に気づいたら、シーラハトの港町に到着するのは早かった。

 一応、この近辺はトロルが生息するので町ではあるが城壁で守られている。


 城壁の上に大型の弓が設置されていて、これでトロルを倒しているのだろうと思われる。

 何故? 解るのかと言うと、[タカの目]スキルで城壁の上からトロルを倒しているのが見えたからだ。


 [タカの目]も[警戒]も使おうとしなければ、発動はしないので便利なスキルではある。

 城門を探そうとスキルを発動させたら、城壁の上からトロルを討伐する現場を見てしまった訳だ。

 城壁の部分を見回してみると、吊り上げ橋っぽいものが見えた。


 入り口はソコなんだろう……と、予想して吊り上げ橋に近づいていく。

 城壁の周りには堀があり、吊り橋は上げられていて町に入ることができない。


 吊り橋の先に兵士がいたので、「おーい、橋を下げてくれーー」と、叫んだ。

 それに気づいた兵士は、吊り橋を下げてくれた。


 吊り橋が徐々に下がっていく……。

 しばらくすると、城門に繋がる道が出来上がった。


 吊り橋を歩いて城門に入ろうとすると、兵士に足止めをされた。


「ようこそ、シーラハトの港町へ!!」


「あっ、どうも」


「君は非常に運が無い、右手奥にこの吊り橋を扱う装置があるのだが、君をこの町に入れるために多数の人員の力で吊り橋を下げたのは、見てもらったら解るな?」


 兵士の言う通り、ガタイの良い男達が息切れをさせながら休憩している。


「ふむ、それで?」


「通行料として通常時は10ゴールドだが、今回の場合は150ゴールド請求させて貰う」


「高いですね……」


「そういっても、トロルが出るので野宿できる環境では無いからな。

 この近辺は……」と、兵士が言った。


 言い方を変えれば、死にたく無ければ150ゴールドを払えって話だ。

 [転送魔法]があるので、別に問題はないが確かに吊り橋を降ろす労力を見れば、払って良いような気もした。


「とりあえず150ゴールドは払ってやるが、勘違いしないでくれよ。

 僕にとって、トロルはそんなに怖くないぞ……」と言って、倒したトロルを[マジックバッグ(仮)]から出してみせた。


 討伐されたトロルが吊り橋に横たわる。


「ぬおっ!?」


 吊り橋がトロルの重みで、ギシギシと言う音を出す。

 そして、再びトロルを[マジックバッグ(仮)]に入れ直した。


「マジックバッグの中に50匹はトロルが入ってるんで、貴方の脅しに屈して150ゴールド払う訳じゃないからな」と言って、150ゴールドを兵士に手渡した。


 ポカーンとしたの状態の兵士が正気に戻り。

「通って良し!!」と、バツが悪い感じで職務を遂行していた。


 その兵士の発言を聞いて、僕はシーラハトの港町へと入って行った。

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