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再び城下街のギルドへ……

 次の日の朝……。

 城下街のギルドに行く前に、セリナの様子を見に行くとしよう。


 ゴレッジの村を出て、徒歩でゴレッジの村の北西にある屋敷の建築予定地へ移動した。


 平地にポツンと建築途中の施設があるって感じで物凄い違和感があるが、建築物が増えれば多少は感じが変わるだろう。


 とりあえず、一足先に住んでくれているセリナに話を聞いてみたい。


 セリナが寝ている家の扉をノックした。


「はい、どちら様ですか?」


「僕だよ、入ってもいいかい?」


「あっ、ちょっとだけ待ってください」


 ……

 …………


 何かしら慌てている様子だったが、しばらくすると「どうぞ!!」と、案内してくれた。


「おはよう、セリナ。

 一晩過ごして見てどうだった?」


「夜中に、近くをスライムが這ってる音が聞こえる以外は、特に問題はないかと?」


「待てい、それは大問題だろう……。

 対策方法ってあるかな?」


「スライム程度なら、ゴレッジの村と同様に簡易の柵程度で侵入を防げますよ」


「なるほど、それなら柵で囲むとしよう。

 他にはないかい?」


「夜が暗くて、何も出来ないですね。

 夜が暗いのは当然のことですが……」


「はい、宿屋にある灯りの魔道具を家に設置した方が良さそうだね」


「後はベッドが欲しいですね……」


「デスヨネー。

 正直、その件に関しては申し訳ないと思っている」


「いえ、いいんですよ。

 前もってテスト的なものというのは聞いてましたし、足りないものがあるのはわかってましたから。

 水はあるんで、後は調理をするカマドがあるといいですね」


「カマドと灯りとベッドは生活として必要と……。

 一応安全のために柵で囲んだ方が良いっていうのが感想かな?」


「そしたら、不便だろうし教会へ一度帰ろうか?」


「もう少しこの場所に滞在するので大丈夫です。ご主人様の好意を無駄に出来ません。

 他にも何か気になる点がないか調べておきます……」


「そっか、それならベッドだけは今日中に用意しとくよ」


「はい、お願いします」


「僕が闘技場で戦ったのは知ってるよね?」


「はい、知ってます」


「その対戦相手を訳あって、僕の配下に入れたんで何名かこの場所の建設に来ると思うから対応お願いするね」


「わかりました」


「それじゃ、城下街のギルドに用事があるから出かけてくるね」と言って、この場を離れた。


 [転送魔法]を使いセブンスの街のギルド前まで、移動した。


 ギルドの案内を探して、隣街のギルド長と、ティーゼさんと約束をしている旨を伝えると来客室へと案内された。


 コンコンコン……と、来客室の扉を叩く。


「はい、どうぞ。

 お入りください」と、中から声が聞こえた。


「失礼します」と言って、来客室へと入った。


 来客室の中には、ティーゼさん、モルドさんとこの街のギルド長が席に座っていた。


 ギルド長が、「サトウ君だったね。そこの席に座りなさい」と、ティーゼさんの隣に座ることを勧めてくれた。


「わかりました」と言って、言われる通り着席した。


「いやぁ、ギルドの連絡で聞いていたが、君の事だったんだね。

 ビツグベアーを卸してからご無沙汰だったからね君は……」


「あははは……。

 スゴロクの街で厄介な事をやってまして、この街で行動が取れなかったんですよ」


「まぁ、それは良い。

 私の名前はマリルと言うよろしく頼むな。

 ちなみに、2匹目のビッグベアー討伐もしたらしいな君は……」


「魔石は持ち帰ったと聞いたが、(くだん)のマジックリングを見せてもらえないか?」


 あぁ、既にモルドさんから情報は流れているんだな。


 両手を見せるようにして、マリルさんにマジックリングを見せた。


「ほぉーー!!本当にすごいな。

 高額のアイテムを二つも身につけるとは……。

 もう片方は変幻の指輪だったよな」と、マリルさんが言うとモルドさんが反応した。


「いやぁーー!!すごかったですよ。

 闘技場での大変身!!変身した瞬間に、今まで以上のスピードでゴルドン選手を翻弄してましたからね」


「あー、あれって単なる演出ですよ。

 実は、支援魔法も使えるんで、[スピードアップ]と[ブレッシング]して強化した瞬間に変身したように見せたんです」と、ネタバラシをした。


「つまり、アレが君本来の強さと言うわけか……」と、モルドさんは頷いていた。


「おいおい、話聞いてるとサトウ君はCランクだと、色々と問題ありそうだな。

 闘技場での賭けも大波乱起こしたらしいし……」


「あー、それに関してはありがたかったですけどね。

 自分で全財産突っ込んでオッズが下がったけど、再びアナウンスが入ってオッズがまた戻りましたし」


「まぁ、ギルドへ協力してくれているらしいので、私達も久々によそのギルド長と会うことができた。

 礼を言うよ」


「いえいえ、ティーゼさんやモルドさんには資金や建設の件で世話になってますんで」


「その件なのだが、私達も協力させてもらえないか?」


「と、言いますと?」


「最近のサザランド侯爵に関しては目をつぶれない事が多くてな、エルフの集落を攻めないと言う決め事をあの男は無視しているせいで、この街にとばっちりが来てるんだよ。

 それに、近々ラッド伯爵が侯爵に格上げされると言う話も聞いたからな」


「えっ、そうなんですか?

 それは知りませんでした」


 モルドさんを指差して、マリルさんが言った。

「この男も、ラッド伯爵を応援している一人だからな。

 街の治安の悪さに嘆いてる一人なのさ」


「へぇ……そうなんですね」


「あの件で、ラッド伯爵を支援する勢に大金が手に入り。

 サザランドの勢力は大金を失ったからな……」と、ニヤリとしながらモルドさんが言った。


「それで、マリルさん協力って何をしていただけるんですか?」


「君は貴族になるんだろ?

  それなら国を通して間接的に、君達への資金援助を行うするよ」


「ベルモンド陛下とも、お会いしてますのでそれで大丈夫と思います」


「「「いつのまに……」」」と、3人とも驚いていた。


「それなら、このギルドに協力してもらう条件ってなんでしょうか?」


「何、簡単な事さ。

 今みたいによそのギルドに協力してくれれば良い。

 君が今回二人をあっさりと連れてきてくれたが、本来これだけのことをやろうとすると、何十人もの腕利きを雇わなければいけない」と、マリルさんが言った。


「ですが、ギルドにも[転送魔法]使える人材いるんですよね?」


「[転送魔法]は一度行った場所にしか使えない。

 それに町の中への直接転送は無理だし、君みたいに放浪の旅をしているわけじゃないからな。

 それに[転送魔法]の魔力消費は激しいので、MP回復に時間がかかるからな」


「えっ? この前三往復以上、転送魔法使いましたけど?」


「それは、君が[転送魔法]を完成させているからの恩恵だよ。

 だからこそ、MP消費をすくなくすませれる。

 本来、[魔法使いや僧侶]のスキルだが、君は両方の[転送魔法]スキルを獲得している。

 いわば、[転送魔法]のスペシャリストだ……。

 そんなことができるのは、賢者と言われるごく一部の人材だけさ」


「そう言われましても、ギフト名は[魔法使い]でしたし。

 多少変だなーとは思ってましたが」と、苦笑いするしかなかった。


「そう言う人材にいざという時に仕事を頼めるのはありがたいのだ。

 だからこそ、私達は君に協力を申し出たいと考えている」


「僕としても協力していただけるのは、ありがたいので是非お願いします」と、マリルさんに答えておいた。


 これで、ある種のサザランドに対する包囲網が完成したのである。

 あとは、ラッド伯爵の侯爵への爵位の格上げ待ちと僕が爵位を持てば貴族に対する抵抗する力を持てるわけだ。


 ギルド長の面々とそんな話をして、本日の話し合いは終了した。


 そして、この場を離れ……。

 帰宅する前に、この街の家具屋と魔道具屋によってベッドと灯りの魔道具を購入した。

 その後、セリナの待つ家にベッドと魔道具を設置して1日が終わった。

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