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変☆身!!

 四日間のお休み予定の二日目の始まりである。


 三日後に教皇様の経由で貴族になる為に、顔見世しておいた方が良い相手を紹介してもらえるらしい。

 なので、その間はお休みを取ることにしている。先日は、あまり休めなかったが……。


 とりあえず、ギルドにでも行くとしよう。

 一度、宝箱の鑑定してもらったことがあるし、スゴロクの街のギルドのおっちゃんに鑑定を頼むかな。


 [転送魔法]で、スゴロクの街へ移動してギルドに向かった。


 無駄に笑顔でおっちゃんの前に、立った。


 買取倉庫のおっちゃんが僕の表情を見た瞬間に……。


「おい、ギルド長を呼んでこい!!

 また、にーちゃんが、やらかしやがったぞ!!」と言って、おっちゃんの部下にギルド長を呼びに行かせた。


「えぇ!? そんな警戒しなくて大丈夫ですよ」


「それじゃ、今日は何の用だ?」


「エルフの森の中にある洞窟のマップを買い取ってもらおうと思いまして」


「うむ、それで……?」


「それで、前回同様隠し部屋見つけたんですよね」


「おい、早くギルド長呼んでこい!!」と、二度目の怒鳴りが入った。

 おっちゃんの部下二人目も、ギルド長を呼びに行った。


「いやいや、今回も宝箱が三つあったんですよ。

 ハズレかもしれませんし……」


 ……等と、話をしているとギルド長が急ぎ足でやってきた。


「ハァ、ハァ……。

 やぁ、ハジメ君。またなんかやらかしたようだね?」


「前回と同じ感じで、洞窟の探索したら隠し部屋を見つけたんですよ」


「ギルド長、そういうことだ……」


 ギルド長とおっちゃんがアイコンタクトを行なった後、僕の行動を警戒している。


「それで、前回同様に宝箱を鑑定してもらおうかと思ってきました」


「わかった。

 それなら、まず洞窟のマップをもらおうかな。

 どうせ、あるんだろ?」


「ありますよ」と言って、マップを複製と一緒に渡した。


「次に宝箱を、そこに置いていってくれ」


 言われる通りに宝箱を三つ並べた。

 おっちゃんが、宝箱を睨みつけるようにして鑑定していく。


「おい、にーちゃん。

 左端がミミックだ、前回同様に仕留めてくれ」


 あっ、弓はセリナに渡しっぱなしだけど。

 武器の威力試すには丁度いいかな……。


 腰につけたホルダーから、ミスリルのナイフを取り出して手に構えた。

 宝箱に化けたミミックに、飛びかかるようにしてナイフを突き立てた。


 ミミックを倒した。


「なぁ、にーちゃん。

 武器と防具がすごくなってないか?」


「ミスリルのナイフと、ミスリルプレートを買ったんですよ」


「そうか、すでに一人前の冒険者の風格が出てきたな……。

 真ん中と、右端は安全だから開けてみな」


 まずは、真ん中の宝箱を開ける。


 ん? 指輪? だけど、宝石はついてない。

 アレッ、コレってハズレかな……。


「また、このにーちゃん。やりやがった……」


「えっ!?」


「おい、右の端の宝箱も開けてみな」


 それじゃ、えいっとな……。

 右端も同じ物だった。


「ギルド長、これどうします。

 買取無理ですよ、うちの治安じゃ」


「えっ!? どういうことですか?

 説明をお願いします」


「これは魔道具の一種で、身につける為専用の仕上げられた魔道具だ。

 凄腕の技術を持った魔道具技師がいても、そんなモンを作れるヤツはいねぇ」


「えっ!?」


「コレはなマジックリングって言って、過去の遺産ってやつだ」


「コレを売ればお金は?」


「そりゃ、余裕ですごい金額がつくだろうよ。

 だからこそ、ウチじゃ買い取れない」


「あぁ、治安ですか?」


「そうだ!!

 なんで、こんな厄介なモンばかり持ってくるかねぇ」


「これの使い方って、どうするんです?」


「簡単さ、指輪にモンスターの魔石を嵌めてやればいい。

 そうしたら、魔石ごとに色んな効果が現れるさ」


「魔石を変えたいときは?」


「魔石を外せば、大丈夫だが取り付けた魔石はクズ魔石になっちまう。

 そのかわり、魔石をつけてさえしまえば、永続で特殊な効果を維持できるのさ」


「それじゃ、この二つで試してみるかな」と言って、ビックベアーを地面に下ろした。


 そして、魔石を取り出した。

 魔石が血で汚れていたので、[クリア]の魔法で綺麗にして、マジックリングに装着した。

 そして、マジックリングを指つけた。


 うおッ!? 力が湧いてくるようだ……。

 利き手の指にリングをつけたが、明らかに力がアップしてる感じだ。


 つける→外す→つける→外すを繰り返して遊んだ。


「すげえーー!!

 コレ、ものすごくいいアイテムじゃないですか」


「いや、にーちゃん。

 何しれっと、ボスモンスター倒してきてるんだよ。

 それ、前回の個体じゃないだろ」


「マッピングしてたら、寝てたんで前回の反省点を潰して倒しました」


「もう一個のマジックリングは何の魔石を使うんだ?」


「そりゃ当然」と言って、ミミックの宝箱を開けて魔石を取り出した。

 魔石をもう一つのマジックリングに取り付けた。


 左手にもう一つのマジックリングをつけてみた。

 だが、何も起きなかった。


「えー、ミミックの魔石はハズレはなのか?」


「にーちゃん。指輪をワシに見せてみろ」と、言われたので指輪を渡した。


「変幻の指輪って名前が付いてるな……」


「じゃあ、こっちは?」右手につけた指輪を渡した。


「剛力の指輪じゃな」


 指輪を両方付け直して、

「変幻かぁーー。変身できたりしてね。

 変☆身!!」と、無駄にポーズをとってみた。


 腕が緑色のコスチュームを着ているようになった。


「にーちゃんが、バッタのバケモンになったぞ!!」


「ふぇっ!? おっちゃん、元に戻るにはどうすれば?」


「何だ、やっぱりにーちゃんか。

『解除』って、言えば解除されるらしいな」


「解除」と、言った。


「元に戻ったみたいだな……」と、オッチャンが教えてくれた。


「ふぅ、良かったよ。

 今回はビッグベアーの肉と毛皮をギルドに売却します」


「それも、貴重品だから。

 ありがたい限りだ」と、おっちゃんが言った。


「ハジメ君。その変幻の指輪を売ってくれないか?」と、ギルド長が言ってきた。


「もうちょい、遊ばせてください。

 憧れのヒーローの真似ができるアイテムとか、素敵すぎるんで……。

 なので、モルドさんが欲しがってるって事は覚えておきますよ」


「あぁ、ありがとう」


「代金はいつも通り教会のドナルド神父に渡して下さいね」


「わかった。対応しよう」と、モルドさんが言った。


「それじゃ、失礼しますね」と言って、ギルドを離れた。


 次に、教会に行ってセリナを連れて、[転送魔法]でセブンスの城下街へ移動した。


「ご主人様、この街に何か用があるんですか?」


「セリナの防具を買ってやろうと思ってね」


「僕は装備整えたけど、セリナの装備は武器だけって感じになってるからね」


「ハンターは、身軽でなければいけないので下手な装備は扱えませんよ」


「わかってるよ。

 とりあえず防具屋へ行こう。」


 セリナと一緒に防具屋へ移動した。


 ……

 …………


「着いたね。ここがこの街の防具屋だ」と言って、お店の中に入った。


「いらっしゃい!! おっ!!この前のお客さんじゃないか。

 綺麗なお嬢さんを連れて、何しにきたんだい」


「あー、彼女が僕のパーティのメンバーなんだよ」


「そうかい、それで身軽の服を希望してたんだね。

 そうだね、彼女に合うサイズはこの辺りだな……」


「お嬢さん、アンタのツレからのプレゼントらしいぞ」と言って、セリナに身軽の服を店員が渡した。


「ご主人様いいのですか?」


「良いんだよ」


「そこの部屋の奥に試着室あるから、着替えてくると良いよ」と、店員が言った。


「ハイ!!」と、喜びながらセリナは試着室へ向かった。


「それで、幾らなの?」


「4000ゴールドだよ」


 それくらいなら、教会に絵を売ったお金があるし、問題ないと判断して4000ゴールドを支払った。


 しばらくすると、試着室からセリナが出てきた。

 緑色の服で、異常なまでにエルフに似合う服だった。


「ご主人様、この服すごく良いですね」


「そっか、気に入ってくれたなら良かったよ。

 代金はすでに払ってるから。今日は帰ろうか……」


「ハイ!!」とセリナは言って、二人は防具屋を後にした。

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