いつもの日常?
城下街に到着して夕方までの時間は、色々とお店を回って時間を潰した。
明日から、一週間ほど旅に出るのはお休みする。
何故、休みが必要か? ……という話だが。
新しく見つけた洞窟のマッピングや、ギルドへ討伐したモンスターを売ったりと雑用が多いからだ。
あとは、この街のギルドと教会にも挨拶をする必要がある。
まぁ、そういったところだ。
良くも悪くもセリナの出番が少ないので彼女は教会でお留守番って話だ。
それに、彼女は犯罪者奴隷の扱いなので、初めての街でウロウロしているといい目では見られないだろうし。
そんな事を考えながら、スゴロクの街の教会に彼女を帰宅させてから、一週間お休みの旨を伝えた。
お金やお小遣い的なものが欲しい場合は神父に伝えてくれれば、ギルドに卸したモンスターの販売代金があるので、困ることはないよと伝えておいた。
よし、いつものように村へ帰ろう……。
いつもの宿屋、いつもの食事、いつもの部屋だ。
ある意味、僕が一番落ち着ける部屋なのかもしれない……。
久々に、下書きだけ済ませていた絵を着色して、絵を完成させていった。
そして、いつものように安定の寝落ちである。
……
…………
ちゅんちゅん……と、いつものように小鳥達のさえずりが聞こえて目が覚めた。
アイテテテ、椅子に座ったまま眠っていて腰が痛い……。
仕方ないので、腰に[ヒール]と[ヒーリング]をかけて、椅子から立ち上がった。
いつものように、宿屋の店主に挨拶して宿屋を出た。
まずは、ギルドに行くかな……。
ギルドに到着して、いつものように受付に並ぶ。
順番が来るので、ギルド長に挨拶する。
そして、モンスターの絵を買い取ってもらって、モンスターの買取を依頼する。
量が多すぎて、買取不可を受けるところまでがお約束だ。
そして、買取倉庫で卸す量を制限して、買い取ってもらう。
買取の代金に関しては、いつもの宿屋に渡しといてお願いする。
次に向かうのは、この村の教会だ。
いつものように、ダニエル神父とシスターのライムさんに挨拶をして、販売している絵の売れ行きを聞いたり、旧作の絵の複製して補充を行う。
売り上げは聞いた感じ、ボチボチって感じで、よくもなく悪くもなくだ。
そろそろ新作の出番かなということで、新作の絵と、それを複製した絵を神父に手渡した。
こんな感じに、スゴロクの街でも討伐したモンスターを売って、教会で旧作の絵の補充と新作の絵を神父に渡して、いつもの作業は終了する。
ちなみにビッグベアーに関しては、ボスモンスターという事をティーゼさんに指摘されて、他所のギルドで依頼が出ているので、依頼をこなした方が稼げると教えてもらった。
同様に、モルドさんにも、城下街のギルドで依頼を出しているという形で、ビッグベアーの依頼に関してはたらい回しを受けてしまった。
そんなこんなで、ゴレッジの村とスゴロクの街でやることは終わったので、次はセブンスの城下街でやる事をすませる。
一応、ギルド依頼の代金やら、絵の売り上げをもらっているので所持金は余裕がある。
せっかくだし、装備なんかも整えようと考えた……。
オリハルコンとマジックバックを売るのか? …… という件だが一応保留にしておいた。
よし!! とりあえず[転送魔法]に行くとしよう。
先日、この街に来た際にギルドの場所と教会の場所は聞いているので、道に迷うことはない。
まずは、ギルドに行くとしよう。
ギルドは北門近くあるが、教会は南門の近くにある。
ちなみに僕達が入ってきたのは、この城下街の北門だった。
とりあえず、ギルドに入って依頼の一覧を貼られている掲示板を見に行った。
基本的に、いろんな仕事がある。
猫探しから、行方不明者の探索、モンスターの討伐依頼などなど、いろんな依頼がある。
探している依頼は……。あっ……、あった。
ーーーー依頼内容ーーーー
ボスモンスター、ビッグベアーの討伐
推奨人数五人以上パーティでC級以上の冒険者希望
達成報酬1万ゴールド
魔石のみギルドで回収、肉や毛皮は別と買取可能
ーーーー
ビッグベアー討伐の依頼書と、他にやれそうな依頼書も剥がして受付に並んだ。
列に並んで順番を待つ。
……
…………
「お待たせしました。次の方どうぞ!!」と、僕の順番が来た。
受付のカウンターに設置してある椅子に座り。
先程、剥がした依頼書を受付に提示した。
「ビッグベアーの討伐依頼の確認をして欲しいのだが?」
受付の女性は僕のことを品定めするように見てきた。
その後に、「お客様、ギルド証を見せていただいてよろしいですか?」と言ってきた。
ギルド証を提示したら。
「お客様の力では、このモンスターの餌になるのがオチですよ。
別の仕事を探された方がいいと思います」
「え? それはどういう事?」
「佐藤さん、ですよね。あなたはギルドからD級の冒険者という認定が出ています」
あっ、F級からD級に知らない間に上がっていたんだな。
「んー? 依頼開始とか、そんなんじゃなくてビッグベアーを討伐済みなんで、それを確認してほしいんだけど?」
ざわ……ざわ……!!
再び、ギルド証を受付さんが確認する。
ギルド証の注記欄を見て、受付さんの反応が変わった……。
「佐藤さん貴方は、他のギルドでかなり評価されているみたいですね。
わかりました。私が立会いの元、対応します」と言って、受付さんにギルドの買取倉庫に案内された。
受付さんが、買取倉庫までの案内をしてくれることになった。
しばらく、歩いてついて行くと……。
いつものように、端の買取スペースへ案内される。
「ギルド長!! すいません、鑑定をお願いできませんか?」と、受付さんが如何にもな強面
のおっさんに話しかける。
「ん? 受付の君がワシに直々に依頼してくるってことは、大物か?」
「これが彼のギルド証でDランクなのですが、彼がビッグベアーを討伐していると言いましたので、連れてきました」と言って、受付さんがギルド長らしき人にギルド証を渡した。
おっさんが僕のギルド証を確認する。
ギルド証を見て、「オイオイ、[鉄の女]と隣町が連名でギルド協力に協力依頼が入ってるじゃねーか」と言ってきた。
「おい、ニーチャン!!倒してきたっていうんなら現物を出してみな。
マジックバッグ所持者ってのは、注記に書いているからわかってる」
「あっ、ハイ。
それじゃ遠慮なく」と、言って目の前に討伐したビッグベアーを地面に置いた。
「ああ、それとビッグベアーの姿絵を依頼されてたんで、これもついでにお願いします」
洞窟で眠っている熊をスケッチした絵を、ついでにおっさんに渡した。
「オイオイ、これはどうやって描いたんだ?」
「洞窟で寝てる、コイツを起こさないようにスケッチしましたけど?」と、熊を指差しながら言った。
「どうやって倒した? 他にメンバーを大量に連れて行ったのか?」
「仲間にエルフの女性がいるんで、その子に洞窟の入り口で構えてもらって、僕は洞窟に入って熊をおびき寄せて入り口付近で緑玉を使って、隠れて僕と仲間で挟撃して倒しました」
「緑玉ってなんだ?」
「エルフの村長からもらった、虫除けの薬みたいなものですよ。
火をつけると、虫が嫌がる匂いと煙を出して煙幕になるんですよ」と言って、緑玉を見せた。
「エルフの連中に協力を頼んだのか?」
「頼めなかったので、苦戦したんですよ」
「ふむ、そもそも何故? エルフの集落にニーチャンは入れるんだ?」
「あーそれは、色々あるんですよと……」と、誤魔化しておいた。
敵の正体がわかっているわけじゃないので、信用できる相手以外に情報を流すのは良くないだろう。
「それで、依頼達成ですかね?」
「あぁ、文句なしだ。
ついでにCランクにあげといてやるよ」
「それと、肉と毛皮はどうする?」
「全売却でいいです」
そういうと、受付にギルド証を渡した。
「佐藤さん、一旦受付で昇格手続きをしたのちに代金をお支払いします」
「はい、わかりました」と言って、再びギルド受付に戻って行く受付さんの後をついていった。
そして、受付のカウンターに到着した。
「一番奥のカウンターを開けますんで、一番奥のカウンターに並んでください」
開いていない、カウンターに並ぶと、隣の列にいる冒険者がチャチャを入れてきた。
「オイオイ、坊や。
そこは、受付は開いてないぜ。
その列を使えるのは、大物を討伐した人間だけだぞ……」
「そうなんですか? それなら大物を討伐したんでしょうかねぇ」と、わざとらしくとぼけておいた。
新しく、掲示板に討伐済みの依頼書が貼られたのちにギルド職員が、大きな声で発言した。
「ビッグベアー討伐依頼、完了しました!!」
ざわ……ざわ……。
「おい、あの列にいるガキが、やったんじゃねーのか?」などと、いろんな声が聞こえてざわついた。
そして、しまっていた受付のカウンターが開いた。
「佐藤さん、どうぞ!!」
言われるがままに、カウンターに向かった。
「なんか、大事になってるんですけど、どういうことですか?」
「そりゃ、そうでしょ。
ボスモンスター討伐してくるんだもの……。騒ぎの一つも起きるわよ」
そんな騒ぎの最中、依頼料を貰い、ギルド証を返してもらった。
あっ、冒険者のランクがCランクに上がっていた。
「お肉と毛皮も売り物になるんで4000ゴールドを別とつけさせて貰うわね。
それとビッグベアーの姿絵なんだけど、1000ゴールド出すことになったわ」
そして、ギルドの受付に討伐の依頼料の一万と別に5千ゴールドを受け取った。
「それじゃ、また機会があれば、また来ます」と言って、ギルドを離れた。




