目指せ、スローライフ!!
教会の神父から女神の姿絵の代金を受け取り、この村の宿屋へ案内をシスターのお姉さんがくれることになった。
当然、宿屋の手続きもシスターさんがやってくれるという話だ……。
食事付きの宿屋だといいんだけどなぁと、そんな事を考えていた。
シスターさんに、村の道案内をしてもらいながら宿屋へ歩いていた……。
しばらく、歩いたら宿屋へ到着した。
「ハジメさん。ココがこの村の宿屋ですよ。
今日から、1か月間はここがあなたの住居となります」
「あっ、シスターさん。
わざわざ道案内ありがとうございます」
「いえ、いいんですよ。
宿屋の受付がありますし、ハジメさんの絵が凄かったのでそんな人を案内できて光栄です」
「あはは、そんな煽てないでくださいよ。
嬉しいじゃないですか、シスターさん」
「あっ、この村にいる間は私がハジメさんのお世話をすることになると思います。
ずっとシスターさんだとアレなんで、名前を教えておきますね。
私は、ライムっていいます。今後はライムとお呼び下さい」
「解ったよ、ライムさん。
1か月間の間よろしくお願いするね」
「ハイ!!」と言って、ライムは何故か嬉しそうだった。
二人は、宿屋に入り宿屋の店主と1か月間部屋を貸し切るをライムさんが伝えた。
それに対して、店主は快く受け入れてくれた。
食事は、朝、昼、晩とつけてくれるらしい。
この宿屋にお風呂なんてものはないので、晩御飯前にお湯を入れた風呂桶とタオルを用意してくれるらしい。
部屋でお湯をつかって身体を洗えってことだな、裏庭に共同の井戸があるので、そこで水浴びしてもいいと教えてもらった。
悲報、異世界には、風呂はなかった……。
正確に言えば、この村には風呂がないだけだ貴族とかの上流階級連中は専用のお風呂を作っているらしい。
僕がお風呂が宿屋についていなくて、ガッカリしていたのでライムさんがお風呂について教えてくれた。
ちなみ、僕の部屋は一階の105号室だ……。
この建物は2階建ての1階と2階に5部屋ずつある、10部屋しかない小さな宿屋だ。
宿屋の手続きを終わったライムさんは、僕に挨拶したあと一礼して宿屋を出て行った。
宿屋の部屋の鍵は宿屋の店主に渡してもらったので、明日の準備の為に装備を整えるとしよう。
まずは、絵を売る以外の収入源を作る。
色々な場所を回りたいので、旅をする程度には色々と準備をしておきたい。
次に、ギルドというものがこの世界には存在しており、そこで仕事を受けたりもできるらしい。
現在の僕は、無職っていうことだろう。
一応ギルド登録だけはしておいて、旅に役経つ情報は仕入れておく必要がある。
今日の残りの予定はギルド登録と買い物だけはしておこうと思う……。
宿屋の店主に、この村のギルドの場所と、武器屋と防具屋のお店の場所を聞いた。
店主は、ココからギルドへ向かう途中に、武器屋も防具屋もあると教えてくれた。
まずは、宿屋の店主に場所を教えてもらったギルドへ向かう事にする。
教えてもらった通りに歩いていたら、道中で武器屋と防具屋も見かけた。
ギルドに行った帰りにでも寄ろう……。
そこから、しばらく歩いたら目的地のギルドに到着した。
ん? ギルドというより酒場になってるような?
しかし、宿屋の店主が教えてくれたのは、この場所だ……。
お客に対して嘘は言わないはずなので、ここがギルドで間違いないだろう。
ギルドに入ってみると、案内のお姉さんというより酒場の店員のお姉さんが挨拶をしてくれた。
「いらっしゃーい。
お客さん、お一人ですか〜?」
「あっ、いや。
ギルドに用事があって……」
「私は、ギルドの案内係ですよ〜」と、間の抜けたような話し方をする案内係だ……。
「ギルドの受付は、この酒場の奥で〜す!!」
「あぁ、ありがとう。
行ってみるよ……」と言って、そそくさのその場を離れた。
話しをしていると、疲れそうなタイプだったので逃げるようにして酒場の奥のギルドへ移動した。
酒場の奥へ移動すると、僕が想像していたようなギルドのイメージのまんまの掲示板があったり、それに依頼の用紙がびっしりと張られている。
依頼の用紙を見てみると、猫探しから、食材調達、モンスター討伐様々な依頼が掲示板に張り付けられていた。
これを見る事によって、異世界で話しをすることもできたが異世界の文字を把握することも出来ることが分かった。
ココにある仕事を請け負えばお金が貰えるわけだ。
受付でとりあえず、ギルド登録だけ済ませておこう。
ギルドの仕事は明日から選ぶとしよう……。
ギルドの受付に並び、しばらくすると受付さんから呼び出しを受けた。
「次の方どうぞー」
呼び出しを受けたので、受付の前まで移動して備え付けの椅子に座った。
僕の対応をしてくれるのは、長い髪で金髪の細身の女性だ。後、細長い耳が見えていた。
この人は、もしかするとエルフってやつなんじゃ? そんな事を考えていたら。
「今日はどのような、ご用件ですか?」と、エルフの受付さんに聞かれた。
「あっ、どうも!! ギルド未登録なんですけど、ギルド登録は可能ですか?」
「あら、ご新規さんですね。
登録の準備しますんで、ちょっと待っててくださいね」
「あっ、ハイ」
……
…………
受付のエルフの女性に言われるがまま、しばらく待っていると先程の女性が色々と道具を持ってきた。
「お待たせしました。
それでは、ギルド登録を行いますね。
まず最初に、この水晶に手を当ててくださいね」と言って、受付さんは色々なアイテムを僕の前に置いていった。
僕が水晶に手をあてると、お姉さんの手前にある紙に文字が自動で書かれていった。
「お名前は、サトウハジメさんですね」
「はい」
「それでは職業の選定をおこないますので、再度水晶に手を当ててください」
「えっ? 職業って自由に選択できるんですか?」
「素質さえあれば、選択することが可能ですよ」と、受付さんが答えてくれた。
再び水晶に手を当てた……。
受付さんがもっている紙に僕のステータスが記載されていき。
職業の選択候補が、紙に記載された。
・冒険者
・魔法使い
・盗賊
3つの職業が紙に記載された。
「サトウさんは、冒険者、魔法使い、盗賊の三つから職業を選ぶことができますね」
「職業の説明をお願いしてもいいですか?」
「はい。
冒険者は、基本職といわれる職業です。
これと言って、ステータス条件がなくなれる職業になります。
利点は、ギルドを使用することができるようになる事でしょうか?」
「冒険者は選ばない方がいいんですかね?
それだと……」
「そうですね。
職業の素養をお持ちなので、そちらを選択される方が賢明だと思います」
「わかりました。次の職業の説明をお願いします」
「次は、魔法使いの職業ですが、攻撃魔法を主に覚えていける職業になります。
賢さのステータスの上昇が高い職業になりますね、体力のステータスの伸びが特に悪く全体的に賢さ以外は伸びにくい職業ですね。
次に盗賊の職業ですが、基本的な戦闘は近接戦闘を主にした職業になります。
盗賊のスキルは洞窟などの探索等に使えるスキルや、盗賊専用のスキルがあったりと冒険をするためのサポーター職業になりますね。
ステータスは、素早さと器用さのステータスが上昇しやすい職業になります。
賢さのステータスの伸びは悪く、他のステータスは平均的に上昇する職業です」
「もし、一人旅するとするなら? 魔法使いと盗賊の職業どちらが向いてますかね?」と、受付さんに聞いてみた。
「それならば、盗賊が一人旅には向いてると思います。
魔法使いの一人旅だと体力がネックになるので、パーティ前提の職業ですから」
「そっか、わかりました。
それなら盗賊の職業でお願いします」
「それがいいと思いますよ。
モンスターの接近等を感知するスキル等も覚えれますし、身を守るといった面では盗賊は非常に有用な職業ですからね。
それじゃ、職業[盗賊]でギルド証に登録済ませておきますね」
「はい、お願いします」
これで僕は自称:放浪画家で、職業:盗賊になったわけだ。
受付さんに、ギルド証を渡してもらい。
「これで、ギルド登録完了しました。
何かお仕事引き受けていかれますか?」
「いえ、今日はおとなしく帰ります。
ただ、いくつか質問をしてもいいですか?」
「はい、どうぞ」
「一人旅を来月から始めようと思ってるんですけど、この付近って強いモンスターが出たりするんですかね?」
「いえ、この辺りはスライム位しかいませんよ。
武器さえあれば、一般人でも倒せるモンスターですから。
あとは、森にいけばゴブリンが出る位でしょうかね。
あと隣町に行こうとすると、森を抜ける必要があるのでゴブリンを倒せる必要がありますね。
なのでレベル5は欲しい所ですね……」
「レベル5ですか、解りました。
次の質問なんですけど、盗賊って装備はどんなものが扱えるんですか?」
「盗賊は、防具は軽装備から中装備までで、武器はナイフ系と弓系が扱えますね」
「ナイフと弓ですね。解りました」
なんとなく、盗賊のイメージが湧いてきた。
「受付さん。色々と教えていただきありがとうございました」
「いえいえ、今後とも当ギルドをご贔屓にお願いしますね。サトウさん」
「はいっ!!」と言って、ギルドの受付を離れギルドの建物から出て行った。
◇◆◇◆◇◆◇◆
ココから、僕の大冒険が始まらないよ……。
だって、僕は絵を描いて異世界でゆっくり過ごすつもりだからね。
本日の投稿は6話投稿になります。
1話 7:00
2話 7:00
3話 7:00
4話 12:00~13:00 の間 ※イマココ
5話 15:00~16:00 の間
6話 19:00~20:00 の間
の6話投稿です。