縄師スキルの使い方?
いつもなら、見知らぬ天井と……やっていた事だろう。
つい、目の前に見えたのは薄着の女性、いやいや、セリナが隣で寝ていた。
うっすらと膨らみが確認できた……、そんな煩悩と動揺に惑わされていると。
彼女が目を覚ました。
「おはようございます、ご主人様」
「あぁ、おはよう。
今日はこの集落を離れ、この森を抜けれるように進んで行こう」
「ハイ」
「それと、すまないが先に着替えてくれないか?
その格好だと緊張して話しにくい」
「あっ、わかりました」と言って、セリナは身体にタオルケットを羽織って隣の部屋に移動していった。
フゥ……
とりあえず、着替えるとするかな。
着替え終わって建物の食卓に移動すると、村長達が料理を用意してくれていた。
空いていた席に各自座った。
「昨日は良く眠れたかな?」と、村長が聞いてきた。
「おかげさまで、良く眠れました」
「本当に眠るとは思わなかったぞ。
気を利かせて二人部屋にしてやったというのに……」と、小声で村長が呟いていた。
「え? どうかしましたかね?」
「いやいや、こちらの話だ。
気にしなくていい。それと、今日から城下街へ行くんだよね」
「ハイ、その予定です」
「ここからだと、森を抜けるのに二日かかるので、その途中にある集落を利用するがいい。
土産として、フォレストウルフとイノシシを途中で狩って持って行くといい。
[マジックバック]があるならできるじゃろ?」
「あぁ、知ってるんですね。
お主のことを1から教えてくれたよ。
男衆には、見向きもしなかったあの子がね……」
「ははは、何を伝えられたのか心配ですね」
「変わり者ってくらいしか聞いていないさ。
それはいいとして、次の集落にこの村から逃げ出した者達が匿ってもらっている。
現状、安全になったみたいなので、戻ってくるように村の者に伝えてもらえるか?」
「あぁ、その件はセリナに任せていいですかね?」
「あぁ、そうだな。
できれば男衆も護衛につけてらえるように頼んでもらえないか?」
「そう伝えますね」
「お主らの旅の無事を祈るよ……」と、村長が言った。
「セリナから、村長に伝えておくことはないかい?」
「ご主人様に良くしてもらってますので、されないでくださいね」
「あぁ、その件は解っている」と、村長はセリナに答えた。
「奴隷にされた村人を、買い戻すために私達も協力するので、お主はセリナと一緒に来てくれ」
「わかりました。
ご協力ありがとうございます」
村長の護衛の二人が何故かモジモジしていた。
「どうかしました?」と二人に聞いてみた。
「いえ、お兄さんの縄捌き絶品でした」
ナニヲ、イッテルンダコノヒト……。
しかも、もう一人も赤くなって照れてるし。
「ご主人様……」と言って、セリナからジト目をされてしまった。
「よし、それじゃ睡眠もバッチリ取れたし。
次の集落へ進もう」と言って、話を切り替えた。
旅立ち前に色々とあったが、それはともかく次の集落に行く前に狼とイノシシを狩っていく必要がある。
僕達二人は集落を出て、再び森の中に入った。
「セリナ、狼とイノシシを狩ってから次の集落に向かうんで、道案内と僕のフォロー頼んだよ」
「ハイ、お任せください」
しかし、この世界のイノシシはヤバいな、大木を叩きおるんだから。
ん? これって、兵器として使えないか?
相手は隊列を組んだ軍隊だ。あのスピードでイノシシが群れ突っ込んできたら……。
「なぁ、イノシシを怪我させずに、眠らせて相手の軍隊に群れで突っ込ませるのとかどうだろう?」
「エルフの中には、魔法を修めている者も多数いますので可能ですよ」
「そっか、それなら。
次エルフの村の襲撃があるなら、その手を使おう」
そんなことを考えていた矢先、森の狼の群れが現れた。
1・2・3・4・・・5匹か。
「5匹に囲まれたみたいだね。
1匹だけ離れて群れを調整してるやつがいるんだが?」
「恐らく、群れのリーダーですね」
「あいつらがここにくるまでに何匹仕留めれる?」
「2匹までならなんとか……」
「わかった、2匹は任せた」
戦闘開始だ!!
辺りは、森林だ炎系魔法を使うと火事になる可能性がある。
複数攻撃ができて、警戒させれそうな魔法は……。
[エアカッター]の魔法で、狼の群れに対して牽制を行った。
全ての風の刃が、狼に当たらず後方の木に向かっていった。
牽制した攻撃をかわした狼達は、一気に距離を詰めようとすると!!
狼の後方で大木が倒れて、大きな音を立てた。それに驚いた……狼達は脚を止めた。
「今だ!!狙え!!」と、合図でセリナが狼に矢を放っていく。
まず、リーダー格の狼を仕留め……。
2匹目、3匹目と立て続けに仕留めていった。
セリナの矢で狼の仲間が立て続けてやられているところに、僕が[ファイアランス]で追い討ちをかけた。
残りは1匹……。
盗賊らしく、素早さを活かして一気に距離を詰めてナイフを突き立てた。
「うーん。僕が倒せたのは2匹かぁ」と、言いながら倒したモンスターと魔法で倒してしまった木を[マジックバック(仮)]に入れていった。
「いえ、私が3匹倒せたのはお膳立てがあっての事ですよ。
逆に、魔法を外して木を倒すって良く思いつきましたね」
「僕がイノシシに驚いたよね? あれの応用さ……。
木が倒れて音が聴こえて、事の重要さに気づいたんだよ」
その後も、イノシシや狼に出くわしたりと色々あったが無事次の集落にたどり着くことができた。
そこで、当然のように手荒い歓迎を受けることになる。
エルフの男達に弓を構えられる。
「何者だ!!」
「旅の放浪画家をしています。
アッチの集落の村長から言付けをもらってきてます」
「その集落は先日、人間達に襲われた場所じゃないか。
怪しい奴!!」
ですよねー。人間の僕が言ってもこうなるよね。
フードを外して、セリナがエルフの男達に話しかけた。
「お待ちください。ご主人様はそのような者ではありません」
「ん? お前は、セリナじゃないか?」と、男の一人が気づいた。
「どうも、お久しぶりです」
「お前は、貴族に捕まって奴隷にされたって話を聞いたが」
「ハイ、ご主人様が私の主人ですよ」
セリナは、兵士達に色々と街での出来事や、貴族の悪行について話し、それを聞いて兵士たちも僕の存在について納得してくれた。
「あんちゃん、いい男じゃねーか。
奴隷の境遇見て激怒して、その場で大金払って自由にしてやるなんて」
かなり話が盛られてる気がするが……。
まぁ、美談にしておいた方がいいだろう。
「あんちゃんの集落入りを許可する」と言って、武装を解いてくれた。
「道中でイノシシと狼を討伐してきてますんで、この村の村長さん経由でこの集落に差し上げますよ」
「ほぉ、人間のわりに解ってるじゃないか」
「先日あった、村長さんの入れ知恵ですよ」
「通りで、準備がよすぎるわけだ。
ガハハハハ、よし、肉にありつけるんだ中央の広場に酒をもってこーい」と、男達は言ってどこかに消えていった。
[クリア]の魔法で、僕とセリナの身体を身綺麗にして、村長の家にお邪魔することにした。
一応、さっきの男性の一人が村長に連絡を入れてくれるらしい。
なので警戒はされないだろう。
正直、面倒ごとが多いので、エルフの集落関連はセリナに任せたいんだけど……。
「ねぇ……。
セリナはなんでこの村に来てから、対応を控えているの?」
「この村にも、今後も協力してもらうのです。
私が対応するより、ご主人様が対応をして顔を覚えてもらう方がいいと判断しました。
それに、ご主人様なら大丈夫ですよ」
「そっか、それなら仕方ないね。
期待に応えますかね〜」と言って、僕達二人は村長の家に入った。




