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エルフの村の集落で……

 しばらく、森の中を歩き続けた。


 道中フォレストウルフなんかにも、出くわしたがセリナが何かを投げつけて追い払っていた。


「なぁ、狼に対してアレは何を投げてたんだ?」


「アレですか?

 イノシシが弓を受けて血を流していたじゃないですか?

 イノシシの血を流した後の地面の土ですよ」


「そ、そうなの?

 血の匂いで逆に集まりそうな気がするんだけど……」


「あのイノシシ、足を止めると足は遅くなるんですけど凶暴になるんですよ」


「ちょっ!? 先にそれを言ってよーー!!」


「すいません。慣れてる場所だったモノで……」


「もしかして、だけど。

 セリナって結構強いの?」


「村では、男衆を率いて狩りにでる程度には評価されてましたね。

 レベルとして確認したことはないので、わかりません」


「あはは、僕は物凄い頼もしい味方を見つけたのかもしれないね」


「けど、ご主人様もかなりいいセンスされていますよ。

 とっさの回避や適切に魔法を使う判断力とか」


「そっか、貴族達が送った兵達は壊滅してたんだったね……」


「それを一人で対応されてますし」


「そう言われると悪い気はしないね」


「そろそろ、私達の村が見えてきますよ……」


 集落が見え始めた。


 火をつけられているわけではなく、建物は無事に残っている。


「建物が残ってる、みんな無事なのかも!?」と、セリナは喜んでいた。


 集落に入ると、人の気配がしない……。


「なぁ、セリナ……」


「すいません。

 一人にさせていただけますか?」


「あぁ、わかったよ」と言って、セリナから離れてあげた。


 僕は一人で集落の探索を始めた。

 一人で歩いていると、何者かが僕を見ているような気配がした。


 ナニカにつけられてる?


 身を隠すために、集落の中でも大きい建物の中に入った。

 建物に入り、[潜伏]スキルで物陰に隠れた。


 足音が聞こえる。


 ザッ、ザッザ……と足音が建物の外で聞こえた。


 三人か?

 何者かが扉を開けた……。


 エルフの娘達である、見た目的には子供に見える少女が一人いる。


 少女が一番最後に建物に入ってきた。


「私のいえに入り込んだ、人間を探せ」と、小さな少女言った。


「「ハイ!!」」と、連れのエルフの娘達がそれに返事をする。


 [潜伏]スキルを利用して、各部屋で一人ずつ[スリープ]の魔法で眠らせて布を口に噛ませるようにして縄で捕縛していった。


 一人目……。


 二人目……。


 次はあのお嬢ちゃんだ……。


 二人が戻ってこないので、心配して探しに来るか。

 状況に気づいて逃げ出すかのどちらかだ……。


 彼女がとった行動は前者だった……。


「おい、お前達返事をせぬか?」と、不安げに声を震わせながら先に進んできている。


 子供一人だ、そう警戒する必要はないだろう。


 エルフの娘ベッドに転がしておき。


 少女が来るのを待ち構えた。

 扉が開く……


 彼女が部屋に入ると同時に話しかけた。


「やぁ、エルフのかわいいお嬢さん。

 何で僕をつけるんだ?」


「ッ!? 蛮族の人間が、土足で私の家に踏み込みおって!!」


「えっ!?」


「二人の娘達はどこにやった?

 返答次第ではタダでは済まさぬぞ!!」


「彼女達は無事ですよ。

 眠っていただいてます」


「人間どもめ、多勢でこの村の住人を奪い去りおって!!

 生き残りも探しにきたのか、この下郎め!!」


「すいません、僕の話を聞いてもらっていいですか。

 可愛いお嬢さん」


「お嬢さんというのは私のことか?」


「あなた以外、誰がいるんです?」


「可愛いか……」と言って、顔を赤らめた。


 そんなやりとりをしていると、何者かが走って来る音が聞こえた。


「ぐぬっ!! 人間どもの増援か?」


「げっ、エルフ達の増援か?」


「「えっ? !?」」と言って、エルフの少女と僕はお互い困惑した。


 扉が開けられた……。


 部屋に入ってきたセリナが、「ご主人様、ご無事ですか!!」と、言った。


「「セリナ!!」」


 同じエルフの娘の名前をいう、僕と少女はお互いに視線を交わした。


「何故、お主がセリナの名前を知っているのだ?」


「村長、少しだけでいいですから。

 ご主人様の話を聞いてあげてください」


 そんな流れで、この村に来た経緯を伝えたのだった。


「そ、そうか。お主がセリナを救ってくれた恩人なのだな。

 それで、悪さをしようとしている。貴族の野望を阻止しようと裏で工作をしていると……」


「発言していいですか? 村長さん」


「あぁ、構わんよ」


「結論から言うと、貴族の軍勢に攻められてここは無事だったんですか?」


「その件はな、建物などは無事だ。森の中集落だ火をつけて大火事になって自ら焼け死にたくないだろうし、人間にしては賢明な判断だ。

 だが、村人の半数は貴族の兵達と戦って亡くなっている、もしくは奴隷にさせられているハズだ。

 ウチの村の戦士がセリナを始め、他の男衆も謀略にはめられたのでな」


「それでも半数は助かったと?」


「あぁ、時間を稼いでくれている間に別の集落に逃げることができた。

 エルフ族しか他の集落の場所を知らんのでな……」


「逆を言えば、エルフなら知っていると?」


「あぁ、捕まったモノが拷問でも受けて他の集落の場所を口に出す可能性もあるからな。

 早急に、対策を取っているところだ……」


「あぁ、それならエルフの集落はマップに記載しないほうがよさそうですね」


「あぁ、そうしてもらえるとありがたい」


「とりあえず、タイミング的に僕たちがカジノでみた奴隷はエルフではなかったので、これから半年間が販売期間になるんでしょう」


 それに続けて言った。


「一応、サザランド侯爵が次に奴隷狩りに動く際は対策を出来るように、前もって対策を打っています。

 今は、売りに出されるであろう奴隷を買い直すための資金を集めているところなんですよ」


「お主、サトウと言ったな?

 私達エルフにも奴隷の買い直しの手伝いをさせてもらえないだろうか?」


「わかりました。

 その件はここにいるセリナと話し合ってもらっていいですか?

 僕としては、あなた方の意見を尊重したいので……」


「ご主人様、私がそんな大役を受けてもいいんですか?」


「あぁ、任せたよ」と言って、僕は拘束した二人のエルフの拘束を外すために動き出した。

 二人の拘束を外し、セリナと村長に僕の紹介をしてもらい誤解を解いてもらった。


 セリナと村長が話し合いをしている最中の僕はエルフの娘二人にイノシシの血抜きと、加工を手伝ってもらっている。


 それと、今日は村長の家に泊まることになった。

 なんと、驚いたことにエルフの村にはサウナが存在した。


 この世界では一般人レベルだと、お風呂=サウナというのが一般的らしくこの村には村長の家にだけあるらしい。


 せっかくなので、夕食をいただいた後にサウナを使わせてもらうことにした。

 水風呂をサウナの隣に設置してあり、何度かサウナと水風呂を繰り返し入り、久々にサウナを楽しんだ。


 僕達は村長から部屋を一つ借りた。


 部屋には、大きいベッドとソファが一つずつある。

 えーっと、つまりこれは同じベッドで眠れと言うことか?


「うーん、セリナがベッドを使いなよ。

 僕はそこのソファで眠るから」


「いえ、ご主人様がベッドをお使いください」


 ……と、彼女ならこう返してくるよねえ。


 明日からは、城下街に向かうためにさっさと眠りたい。

 意見の堂々巡りで睡眠時間が削れるのは、よろしくないので代案として「それなら、一緒にベッドで眠ろう」と聞いたら。


「ハイ」と、顔を赤らめながらセリナは答えてきた。


 ……

 …………


 同じベッドで彼女と眠っている。

 正直、緊張しすぎて眠れない。


 そんな、緊張を打ち壊すかのように彼女が口を開いた。


「ご主人様、私には魅力がないのでしょうか?」


「えっ、どう言うこと?」


「こんな近くで、薄着の女性が眠っているのです。

 男性なら、興味を示すのは当然だと思うのですが」


「それを意識しすぎてるから、眠れないんだよ…….。

 それに聞いてると思うけど、僕は女性とそういう行動をすることができない」


「ハイ、存じてます」


「知ってるなら言わないでよ。

 僕もこんな経験ないから緊張してるんだから」


「ごめんなさい」と、彼女を謝らせてしまった。


「あぁ、ごめん。僕も言いすぎた」と言って、彼女の頭を撫でた。


 サラサラとして綺麗な金髪だ……。


「セリナ。今回の旅が終わったらさ、絵のモデルになってよ」


「私がですか?」


「うん」


「わかりました」と、あっさりと了承してもらった。


 そんな約束をして、僕達は眠りについた。

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