有意義なお休み?
一週間の間、歩き詰めだったので身体がダルい。
今日から、二日間休みなんで動きたくない……ってのが本音だが。
そうはいってられないよなぁ……。
既に陽は昇りきっており、昼は過ぎているようだ。
私服に着替えて、村のギルドへ向かった。
ギルド裏の買取倉庫へ、直接行こうかなと思ったが今回は依頼の件もあったのでギルド長にあっておいた方がいいだろう。
ギルドの入り口にいる、間の抜けた話し方をするギルドの案内係に話しかけた。
「あの?」
「なんですかぁ〜?」
ギルド証を案内係に見せて、
「すいません、ギルド長のティーゼさんと話がしたい。
連絡をつけてくれないか?」と、言った。
「わかりました〜。
来客室に入ってお待ちくださーい」
それから、案内係の言うとおりに来客室に入って、待たせてもらうことにした。
しばらく来客室でギルド長を待った。
……
…………
コンコンコンと、ノックの音が聞こえる。
このノックは、ただの入りますよって知らせるだけの合図だ。
この部屋の主が気を使ってくれただけだ。
「サトウさん、おはようございます。
今日はどんな要件ですか?」
「えっと、ですね一週間程、スゴロクの街の西の平野を探索したんですよ。
その報告と、そこのモンスターの買取をお願いしたいです」
「一週間、狩りをしてるとなると、かなり量がありますよね?」
「はい、なので買い取れる分だけ、ココに最初は卸して行こうと思いまして」
「それで、何匹持ってきたんですか?」
「んー、それが僕はあまり狩りに参加できなかったんですよねぇ。
セリナが弓で仕留めちゃうから……。
それで、あまり実感が湧かなかったんですけど、ビッグフロッグが214匹とスリープシープが120匹ですね」
「えっと……。
合計で……って、そんな大量にウチのギルドじゃ引き取れませんよ」
「それもわかってるんです。
なんで何匹引き取ってくれるか教えてください」
「ビッグフロッグが70とスリープシープが50といったところでしょうかね」
「わかりました、あとで買取倉庫に卸しておきますね。
それで次の件なんですけど……」と言って、ビッグフロッグとスリープシープを描いた絵を手渡した。
「本当に凄いですね。
この羊なんかは凄く近くで観察して描いたような感じですよね」
「眠ってたんで、文字通り近づいて描きましたよ。
コレを渡したかったのが、今日会いにきた理由の一つですね」
「他にもあるみたいですね」
「あまり、いい話ではありません。
スゴロクの街の西の平野の遊牧民の村は全て廃墟となっていました」
「ギルドでも確認を行いますので、マップを提出いただけますか?」
「ハイ、簡略のマップでいいなら出せますので出しますね」
マップを簡単に書き写して、廃墟のあった場所などを記入した。
そして、マップを見ながらギルド長に説明を入れた。
「廃墟をスケッチしようかと思いましたが、さすがにやめときました」
「話に聞いた分だけで、大丈夫です。
しかし、そこまで酷いとなると、スゴロクの街に対して警戒はしておいた方が良さそうですね」
「次は、森を抜けて城下街へ行こうと思ってますが。
途中、セリナが住んでいた村に寄ろうと思います」
「既に、滅ぼされているんですよね?」
「そう、聞いてます」
「わかりました、報告ありがとうございます。
他所のギルドには、こちらから報告を入れておきます」
「ハイ、お願いします。
それじゃ、僕は買取倉庫にカエルと羊を降ろしていきますね」と、言った。
「私も現物を見させてもらいますね」と言って、ティーゼさんもついてくることになった。
買取倉庫に到着し、副ギルド長に挨拶した。
「お久しぶりです」
「久しぶりだな、ニーチャン。
今日はギルド長と一緒に来て、何を持って来たんだ?」
「ビッグフロッグを70匹と、スリープシープを50匹ですね」
「!!
おい、ギルド長。それは本当か?」
「それの倍以上、狩をして来てるみたいだから。
その数に抑えてもらったのよ」
「あぁ、わかった。
そのあたりに置いていってくれ」
副ギルド長に許可をもらったんで、カエル70と羊50を買取倉庫の床に置いていった。
「本当に狩って来てやがる」
「まぁ、一週間も同じ場所を探索すればこうなりますって」
「おい、ニーチャン。
コレだけの数だからすぐには計算ができないので、後日代金を取りに来てくれないか?」
「それなら、宿屋さんに僕宛で預けといてもらえませんかね?」
「あぁ、わかったよ」
「ティーゼさんも副ギルド長も、お手数かけますけど、よろしくお願いします」
……と言って、この場を離れて、そのまま[転送魔法]で街のギルドへと移動した。
とりあえず、モルドさんには、ティーゼさんから連絡が入るだろうし。
今日は、残りのカエルと羊を売るだけにしておこう。
買取倉庫へ移動して、オッチャンの前に大量のモンスターを置いていった。
買取の代金に関しては、教会の神父に渡してもらうようにと、お願いして僕はこの場を離れることにした。
……
…………
そして、その翌日は、ただひたすらに絵を描いて過ごした。
……
…………
2回目の探索のため、気合いを入れつつ。
私服ではなく、体を防具で身を包み探索に出かける準備を始めた。
[転送魔法]を使って街の教会へ移動する。
教会の入り口には、セリナが装備を整えて待っていた。
「おはようございます、ご主人様」
「あぁ、おはよう。
今日は、この街から南にある森を抜けて城下街を目指そうと思う」
「ご主人様。ちょっとだけ、よろしいでしょうか?」
「なんだい?」
「私が住んでいた森の中にある村を確認したいのですが?
時間を取っていただけないですか?」
「あぁ、いいよ。
けど、その村は……」と、僕は最後まで言うのを躊躇った。
「大丈夫です。解っています」と、セリナは気丈に振舞った。
「わかった。それなら先に君の住んでいた村に先に案内してくれ。
道案内は任せたよ」
「ハイ!!」
こうして、僕達二人は南へと進み。この国の首都である城下街を目指すのであった。




