裏工作……?
ギルドでの用事を済ませたので、教会に向かうことにした。
教会に着くと、セリナと三人の少女達が挨拶してきた。
「ご主人様、お帰りなさい」
「ごしゅじんさま、おかえりなさい」と、三人の子供達もセリナと一緒に言った。
僕は、三人の頭を撫でて「無理にご主人様って、言わなくていいんだぞ」
「それなら、どう呼べばいいの?」
「君達の好きに呼んでくれて、構わないよ」
「お兄ちゃん……って呼んでいい?」
「あぁ、構わないよ」と言って、頭を撫でてやった。
そのあとは残り二人にも「私も私も……」と、せがまれた。
そのあと、セリナが少し不機嫌になっていた。
子供達三人はその後部屋に戻ったので、セリナと二人きりになっている。
「どうしたんだい? 不機嫌そうな顔して?」
「いえ、子供達に対して甘すぎる気がしましたので!!」
「んー? 子供達に嫉妬してるとか?」
真っ赤になりながら、セリナ必死に否定してきた。
それをなだめて、セリナの事も頭を撫でてあげたら満足してくれた。
しばらく、二人で話を続け本題を切り出すことにした。
「明後日から、ギルドの依頼で旅に出ることになる」
「ついていきます」と、セリナが即答で答えた。
セリナは、真っ直ぐな瞳でこちらを見てくる。
彼女の真剣な目を見ていたら断ることはできなかった。
「仕方ないな……。
旅と言っても夜には、[転送魔法]で街に戻るからな」
「はい、必ずお役に立ってみせますから」
「無理と思ったら必ず言うこと。イイね?」
「ハイ!!」
嬉しそうに返事をしてきたセリナを見ていたら、コレも仕方ないなと諦めがついた。
「それで、セリナに聞いておきたいことがあるんだ!!」
「えっ!? ご主人様。
私、心の準備が……」
「料理できるかい?」
「え!?」
「いやさ、僕が料理を少しも作れなくてね。
せっかく、女性との二人旅なんだし。セリナが料理ができるとイイなと思ってさ」
「あぁ、そう言うことですね。
大丈夫です、料理は得意なんですよ」と、笑顔で答えてきた。
「そっか、それなら良かった」と言って、1000ゴールドをセリナに手渡した。
「このお金で、旅の間の料理の材料と道具なんかを買ってくるといい。
それと、旅をする為の最低限の装備はそのお金で買っておいてね。
後、セリナの武器は何を使うのかな?」
「弓があれば大丈夫です」
ウッドボウとエルフの弓を彼女の見せた。
「どっちを使いたい?」
「ご主人様は、盗賊なので前衛になるんですよね?」
「ああ、そうだ」
「それなら、こちらの高い弓を使わせてください」と、セリナはエルフの弓を指定した。
「へぇ、やっぱりどちらがいい弓ってわかるんだ。
イイよ、僕の背中はセリナに預けるから。その武器を使ってくれ」
「ありがとうございます。大事に使わせていただきます」と言って、セリナはエルフの弓を手に取った。
「コレで、ご主人様を守って見せます」
「エルフの弓使いか、心強いね……」
「それと、一つ疑問だったんですが? 何故、明日ではなく明後日なんです?」
「明日は、ココにこの前の情報屋さんがくるんだよ」
「なるほど……」
「それじゃ、神父には明日またくるって伝えといてよ」
「わかりました」
セリナとの会話を終え、いつもの宿屋へ戻ってきた。
今日はすでに暗いし今日はこのまま休むとして、明日はティーゼさんお礼を言ってから教会へ向かうとしよう。
いつもの部屋に帰り、睡眠をとった。
◇◆◇◆
まずは、この村のギルドへ行こう。
いつもの私服で、ギルドへ向かいいつものように受付に並んだ。
そして、自分の順番が来たのでティーゼさんの前へ移動した。
「あっ、サトウさん。
おはようございます」
「おはよう、ティーゼさん。
今日は、建物の建築のお礼を言いたくて来ました」
「その件ですね。
一度ココを閉めますので、来客室へ移動してもらってイイですか?」
「わかりました。来客室に移動しますね」と、答えると受付の担当が別の人に変わった。
僕は、ギルド長のティーゼさんに言われるがまま、来客室へ移動した。
来客室の扉をノックした。
コンコンコン……。
「どうぞ、お入りください」
来客室の中へ入った。
ティーゼさんがすでに応接椅子に座っていた。
「そちらに座ってくださいね。サトウさん」と、手差しで座る席を教えてもらった。
「はい、失礼しますね」と言って、椅子に座った。
「向こうのギルドからお話は聞いています。
貴方が奴隷の女性達を救おうとしているという事も聞いています」
「それなら、貴族の件も聞いてますよね?」
「はい。私達ギルドが貴方を間接的にですが、応援させていただきます」
「その条件とかも、聞かれてますよね?」と、ティーゼさんに確認をとった。
「ハイ!!」
「次の、サザランド侯爵の暴挙が行われるのは半年後。
その対策をしつつ、この国の町を回る。
コレが僕に課せられた条件なんですけど、まちがいないですかね?」
「ハイ、大変でしょうけど。頑張ってください」
「いえ、ギルドに協力してもらって住居を作っていただける方がありがたいですよ。
貴族の地位を求めていても住居がないじゃ、バツが悪いですし……」
「全力で、仕事を請け負わせてもらいますね」と、笑顔で答えてくれた。
「そうだ、この村も南の洞窟のマップって、必要ですよね?」
ゴブリンの絵とセットで洞窟のマップを50セット程、ティーゼさんに手渡した。
「えっ? 話には聞いてましたが、すごい出来ですね」
「売れたぶんは建築費とかに回して置いてください」
「いえ、売れたら。その分はそちらに支払いますよ」と、こちらの提案は断られた。
「わかりました。そうしてください」
そこから、ティーゼさんと旅についての助言やギルドとして希望しているものなどを聞き参考にした。
・洞窟などのマップは各地のギルドが欲しがる
・モンスターの絵なんかも貴重
・各地方の食べ物などの情報
……と、言った感じだ。
「明日から、旅に出ます。
建物の件よろしくお願いします。
それと、一つお願いしていいですか?」
「なんでしょう?」
「スゴロクの街の貴族は、私欲のために村を襲って奴隷を作ろうとしているらしいです。
この村も警戒だけはしといてください」
「わかりました。
けど、この村にはギルドがあるから早々に手出しはできないと思うわよ」
「僕もそうは思います。一応、念のためってヤツですよ。
この村には、なにかとお世話になってますからね」と言って、ギルドでの用事を済ませた。
次は教会だ……。
[転送魔法]を使い、教会へ移動した。
教会の入り口に情報屋のダンチが待っていた。
「おはようございます」
「おう、待ってたよ。にーちゃん」と、ダンチは言った。
「コレが例のリストだ」と言って、ラッド伯爵に対する協力者のリストを受け取った。
「代金は?」
ダンチは首を横に振り。
「いらねえよ、酒をおごってもらったからな。
今回はサービスだ」
「そっか、ありがとう。
なら、情報屋の貴方に依頼したいことがある」
「なんだ?」
「約半年後、期間は前後するかもしれないが。
サザランド達が奴隷狩りの為に何処の村を襲うのかを特定出来ないか?」と、耳打ちで伝えた。
「へぇ……。
そこの資金を断とうって考えですかい?」
「まぁ、そんなところかな。
それでいくら必要だ?」
「前金で1000ゴールド、成功報酬で2000ゴールドでどうですかい?」
ぐっ、微妙に所持金が足りてないな……。
「ちょっと、待っててくれないか?」
「はいはい、待ちやすぜ」と、ダンチに待って貰い僕は教会の中に入っていった。
聖堂に、ドナルド神父がいた。
「おはようございます。
ドナルド神父、申し訳ないけど絵の売れたぶんの僕の取り分貰えないかな?
明日から、ギルド依頼で色んな町を探索しないといけなくなるから」
「ようやく、金銭の件いってくれましたね。
どれくらい用意しましょうか?」
「1000ゴールド用意してくれないか?」
「それだけでいいんですか?」
「あぁ、情報屋に支払う代金なんだよ」
「1000ゴールドなら、私の手銭から出せますね」と言って、1000ゴールドを渡された。
「ありがとう。絵の新作や複製が欲しい時は言ってください。
夜は一度帰ってくる予定なんで……」
「まだまだ、今の2種類の絵で十分さ。
それとな、今度ハジメ君の絵をモデルに女神像を新調するんだよ」
「へぇー。
それは、作者としても嬉しいですね」
「ははは、そういうものなのかい?
あぁ、明日出かける前に2種類の絵を50セット程、補充させてもらえるかい?」
「わかりました。明日持って来ますね」と言って、再びダンチのいる教会前へ戻った。
ダンチが教会の入り口で待っている。
「待たせたね」と言って、ダンチに1000ゴールドを手渡した。
「まいど、村の襲撃の件調べておきます。
連絡は誰に伝えればいいですかい?」
「ここのドナルド神父に伝えておいてくれ」
「わかりやした」と言って、ダンチはこの場を離れていった。
よし、明日からは新しい町を探索だ!! 今日は、無理せずに睡眠をとることにしよう。




