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スゴロクの街

 ガン!! 金属と金属がぶつかる音が僕の目の前で響いた。

 スゴロクの街についたが、城門を守る二人の兵士が長槍を交差させて僕が城門を通過するのを防いだ。


「止まれ!! 何者だ!!」と、片方の兵士が問いをかける。


「あぁ、僕は旅の放浪画家でして……」と途中まで話したが話を遮られた。


「そういう話ではない、身分の解るものを提示せよ!!」


 あぁ、そういうことか。お世辞にも治安が良くない街なので入るのには厳しい街なのかな?


「身分証というと、ギルド証で大丈夫ですか?」


「あぁ、それでいい。

 それを私に見せてくれ」


 そういわれたので、問いかけてきた兵士に対してギルド証を提示した。


 ギルド証を確認した兵士が「身分証に問題無し!!」と言った。

 もう片方の兵士もそれに追いかける形で「問題なーし!!」と言った。


 二人の兵士の交差された長槍が解かれ、通行できるようになった。


「この先の受付で街に入る審査の後に街へ入る事が可能になる」と兵士が言った。


「えっ!?

 審査がもう一度あるなら、何故、僕は足止めされたんですか?」


「君は、新顔だからな。

 この街を出入りしてる連中の顔は多少なりともには把握しているさ。

 治安は悪いと言われる街だが、法もあれば規律もあるそれを破れば遠慮なく拘束するぞ」


「あっ、はい。気をつけます」と、答えておいた。


「「ようこそ!! スゴロクの街へ」」と、二人の兵士が言った。


 なんだ、普通に職務に忠実な兵士の人だったのか、感じの悪い兵士だと勘違いしてたな。

 二人の兵士の歓迎の言葉を聞いて考えを改めなおした。


 その後、入り口にある受付で手続きを行い街へ入るためのギルド証を見せた。

 代金が必要だったので、それを支払った後、「サトウさん、貴方には道案内を付けるように教会から連絡を受けています」と受付に言われた。


「えっ? どういうこと?」


「先日、ゴレッジの村を出発したと連絡があったので、1週間の間は貴方が来たら道案内を付けるようにと教会からの指示を受けています」


「それはすなわち、街に着いたらすぐ教会に来いって話かな?」


「概ね、あっていると思います」と、受付に答えれた。


「わかりました。どこかで待てばいいんですかね?」


「それでしたら、この門を越えた所に噴水があるので、そこでお待ちください。

 教会の人間を向かわせますので……」


「あっ、どーも」と言って、先へ進んだ。


 コレで、本当の意味でスゴロクの街に入る事が出来た。

 あー、噴水ってこれか。ここで待ってろという話だよな……。


 辺りを見渡す、まだ昼間ということもあり、街は活気づいている。

 ただ、何か変だ……。


 この噴水の周りにあるお店は、モノを売るではなく人を売っている。


 そういうお店が3店舗程あった。


 あまり清潔とは言えない、布を身にまとった女性が何かにおびえるように檻に入れられている。


 な、なんだこの街は……。


 ここは、奴隷市場か何かか? この世界には奴隷が存在するのか?

 待っていろと言われたが、この世界の人が人を服従させるというこの世界の狂気が許せなかった。

 僕は、俗にいうフェミニストと言われる人種(にんげん)だ、女性がこういう目に合っているのを許せない。

 これが、この世界のルールだとしても、許せなかった。


 女性を檻にいれて販売している、お店の前まで身体が勝手に移動をしていた。


「やぁ、お客さん。

 この子が気になるのかい?」と、如何にも下卑た感じのおっさんが僕に聞いてきた。


「ここは何の店なんだ?」


「なんだい、ニーチャン。

 この街の奴隷市場に来て、何の店か? ……と、聞くなんて、野暮ってもんだぜ。

 よそ者かい?」


「何故、女性が? こんなめにあってるんだ?」


「ニーチャンが何言ってるのかよくわからんが。

 理由はいろいろだろうよ、犯罪者奴隷もいれば金の為に売られた奴隷もいる。

 そこの檻に入れらている、ちなみにエルフの少女は犯罪者奴隷だぞ」


「はぁ? こんな若い彼女が犯罪者?」


「なんだい、ニーチャン。

 この子が気に入ったのかい? コイツは運がいいな奴隷になりたての奴は概ね処女を亡くしてるんだがな。

 コイツはまだ正真正銘の生娘さ」


 何でこんな商売が成り立っている。

 言うまでもない、需要があるからだ……。何故この少女が、店の前に出されている。

 目玉商品だからだろう、顔立ちもいいし、体つきも若さを感じる割にはしっかり成長をしている……。


「一つ聞きたい、何でこんな商売がなりたっているんだ?」


「あはははははは、ニーチャン面白い事を聞いてくるな。

 この街は天下に悪名だかいギャンブルの街と言われたスゴロクの街だ。

 借金で身を滅ぼすバカもいれば、犯罪に手を出すバカもいる。

 中には金の為に娘を売る貴族なんかもいやがる……」


 何て街だよ……。人の業の集大成って感じの街じゃないか。


「最後に聞いておきたい、ココの檻に入っているエルフの彼女は何の犯罪を犯したんだ」


「貴族の連中が、ギャンブルで使うための金欲しさにエルフ狩りを行ったんだよ。

 その貴族たちを返り討ちにしたのが、この少女さ。

 最後は、身内と貴族との商談で身内に売られて、奴隷行きさ……」


「ふざけるな!! ひど過ぎるだろ!!」と、思わず叫んでしまった。


「おいおい、私にそんな怒られてもどうしようもないだろ?」と店主は諫めてきた。


「それで、ニーチャン。

 この子を買うのかい? ハツモノのエルフで値は張るがな」


「いくらなんだ?」


「この子は、かなり高めの金額で5万ゴールドってところだな……」


「ぐっ……」


 微塵も足りていないし、そんなに稼げるめども立てれない。


「すまない。

 持ち合わせがないが、この子と少しだけでいいので話をさせてもらえないか」


「あぁ、いいとも。

 君が怒った時、この子もビックリしていたからな」


 エルフの少女がいる檻の前へと移動した。


「お兄さん、私のことで怒ってくれたんだよね?」


「うん、今すぐにでも君を助けてやりたい気持ちでいっぱいだ。

 だけど、所持金がたりない」


「いいの、私は間違ってない。

 私は村のみんなを守ったんだから……」


 そんな気丈にふるまう、彼女をみて僕は宣言した。


「僕は、君を買って君を救ってみせる。

 どんな手段を使おうとも……」


「嬉しい!! お兄さん、お名前は?」


「ハジメだよ」


「ハジメね。私はセリナよ」


「セリナだね。絶対、君を救ってみせるから」


「はははははは、ニーチャン面白いな。

 気に入ったよ、この子の境遇は私も少し可哀想だと思っててな。

 ニーチャンなら大事にしてくれるだろ、1か月待ってやる!!

 男だったら、宣言したことに二言はないよな?

 1か月して、買いに来れなかったらコイツは隣の店にでも売りつける。

 お世辞にも隣の店は、奴隷の扱いが良くないからな。ウチ程、奴隷に優しい店はないぜ」


 悔しいが、条件を受け入れるしかなかった。


「店主、一か月以内に買いに来る」


「楽しみにしとくよ……」と言って、店主は下卑た笑みを浮かべていた。


「あー、こんなところにいたのかい。ハジメ君」と、ドナルド神父が僕に挨拶してきた。


「教会の神父さんが、こんなところに何の用ですかね?」


「こんなところに要はない、ウチの客人に余計な事を吹き込んでないだろうな!!」


 ……と、神父と店主が一触即発の雰囲気になっていた。


「いえ、神父。

 ここの店主には、この街がどういう街なのかということを嫌というほど理解させてもらいましたよ。

 その件は感謝するしかない…」


「そ、そうか。それならいいんだが」


「神父。それで、相談がある」


「解った、教会で話を聞こう」


 ドナルド神父の案内を受け、この街の教会へ移動してきた。


 聖堂に入り、ドナルド神父に宣言した。


「ふざけた理由で犯罪者奴隷にされた、彼女を助けたい。

 僕はどうすればいい……」


「[神の絵師]が奴隷制度に憤るんだな、それならば簡単だよ。

 君は絵を描けばいい。そして、その絵で、この街のクズ共の金を全てむしり取ってやればいい」


「絵を描いて金を作るか……。

 うん、解りやすいな。ドナルド神父、来月迄に5万ゴールドを集めたい何か手はないか?」


「さっきのエルフの少女か?」


「話を聞いた以上、あんな場所に彼女をおいて置けない。

 ちっぽけな正義感かもしれないけど、聞いてしまった以上もう無理だ」


「ハジメ君。書いている女神様の完成した絵は何枚程、売りに出せる?」


「一度描いた絵なら、何枚でも複製可能だし。

 エロ無しだけでも、10枚以上はすでに完成しているよ」


「それなら簡単だ、1枚1000ゴールドで売れば複製品でも50枚売れば5万ゴールドだ。

 それと、一枚当たりの単価を上げて販売する。これだけで5万ゴールドは簡単に達成できる。

 なので、当教会が君に5万ゴールドを一時的に貸し出すことにしよう」


「でも、大金なのでは?」


「ここで5万ゴールドを払い損ねて、君にへそ曲げられた挙句。

 この街の連中と同列の扱いされるくらいなら安いモノだろ?」


「ちょっと、絵を用意します。

 しばらく待ってください……」


 [アートボックス]のスキルを使って、ダニエル神父とドナルド神父に渡した2枚の女神の絵の50枚ずつ複製を行った。


「お待たせしました」と言って、ドナルド神父に複製した絵を手渡した。


「本当に、精巧に複製できるものなんだね……。

 ここまで精巧だと最初の1枚だからと言って価値はあがらなそうだな」


「あぁ、それなら。複製品はサインを変えましょうか?」


 再び、[アートボックス]のスキルを使って、サインを変えて絵の複製をした。


「はい、こっちが自分の仕事名義のサインです」と、言って絵の複製を手渡した。


「ハジメ君、こっちのサインを変えていない絵はどうしようか?」


「好きに使って下さい。

 今後は複製品は仕事名義のサインをいれるようにしますんで」


「ちょっと、待ってろ。

 5万ゴールドをかき集めてくるから」と言って、ドナルド神父が聖堂から出て行った。

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