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〇豚は吊るされる。

「うぁぁぁああああああ〜〜〜〜!!」


 女神様から異世界へ転送され、女神の羽衣で簀巻き状態にされて、頭から木に吊るされている状態だった。

 羽衣は非常に透明度が高く透けて見えている為、建物は見えるのでココは村の外れなのが分かった。


 辺りを見回して、現状を伝えるとするならば吊るされている木は、それほど高い木ではないが少しずつ羽衣が解けていっている。

 辺りには人っ子一人いない状態だ。


 これは、羽衣が解けて確実に落下して、確実に痛い目に合うコースだ。

 あっ!! 死んだばかりなのに、また死ぬ羽目になるのか……!!


 なんともやるせない感情に任せて、「女神様のバカヤロー!!」と、叫んだ。


 その瞬間、木吊るしてあった部分が解けて、簀巻き状態の僕は落下するはめになった。


「ぎゃあああああああああああ〜〜〜〜!!」


 ドテッ!! という感じに地面にたたきつけられた。


 痛い、痛いけどそれほど致命傷ってわけじゃなさそうだ。

 この羽衣がいい具合に、ダメージを抑えてくれたのかもしれない……。


 落下の衝撃で、全身に巻き付けられていた羽衣が解けていった。

 ふぅ……。異世界転生して、初手で死亡とかそんなギネス達成を目指すつもりはないぞ。


 羽衣が解けて、僕の足元に落ちている。


 自分の身体に、違和感を感じる……。

 何故だ? 自分の両手を見てみると、手が小さく見えるし、立った時の視点が低い。


 視点が低いし、手も小さい……。

 もしかして、身体が小さくなっているのか?等と考えていたら女神が言っていた言葉を思い出した。


 あっ!! これは、16歳の頃の僕の身体なのか……。


 ちょっと、現状を把握してみたいと思う。

 顔を触って確かめた。

 髪はあるボウズじゃないし、眼鏡はかけてないが裸眼でしっかりと先の景色まで見渡せる。

 僕の16歳の頃は、部活の兼ね合いで、髪型は坊主だったし、眼鏡を付けていたのでその辺りはサービスされてるのかな?

 身体の部分を触ってわかる身体のハリというか若々しさ、これが若さって奴か……。


 僕は、本当に異世界転生したのかもしれない……。

 異世界あるあるで、[アイテムボックス]とかは、完備してくれてないのかな? そんな事を考えていたら、[アイテムボックス]が表示された。


 [アイテムボックス]の中には、ノルン様の絵が大量に入っていた。


 あ、そうだ。足元に落ちている女神様の羽衣は、[アイテムボックス]に入るかなと試してみたら。

 何の問題もなく女神の羽衣が、[アイテムボックス]に入った。


 えーっと、ちょっと待ってくれ。

 考えが追い付かないぞ……。

 ここは異世界で、僕は若返っている。

 女神が言った事が本当なら16歳になっているハズだ。


 ゲームだったら、序盤はお金を多少持たせてくれてるハズなのにそういうものは一切ない。

 [アイテムボックス]に入ってるのは、大量にある女神様の絵と、出荷に使われた女神の羽衣のみだ。

 もしかして、お金も装備も何もなしの無一文で異世界に放りだされたのか僕は……?


 えっ……。これって、詰んでね?

 女神にお願いしたのは、[異世界でも絵を描きたい]という件と、女神様にモデルになって貰った位か?

 そういえば、女神様からもらったスキルはどうすれば発動できるんだろう?


 絵? 絵描き? 絵を描きたい……と考えたら、[アートボックス]という項目が表示された。

 あっ、この中にデジタル用のパソコンが入っていた。


 [アートボックス]からパソコンを取り出し、パソコンを立ち上げてみたら普通に動いた。

 液晶タブレットも、仕事の時に使っていたものをセットで取り出した。

 電源とかはどうなってるんだ? コレ? まぁ動くんだし、この辺りを含めて女神から貰ったスキルの効果なのだろうと自分を納得させた。


 簡単に落書きをしてみて、いつものようにお絵描きツールから印刷をかけてみると。

 [アイテムボックス]に、さっき書いたばかりの落書きが入っていた……。


 もしかして、ディスプレイと液晶のタブレットだけ好きな所に配置して、お絵かきとかもできるんじゃないのか?

 物は試しだし、やってみよう……。


 結果からいうと出来た。 

 パソコン自体は[アートボックス]の中で起動されているので、それの付属品であるディスプレイと液晶タブレットとプリンタはお絵描きツール内で自由で扱う事が可能だった。


 やった!! 異世界で絵を描いて暮らせるぞ!!

 いや、ちょっと待て!! 現状、お金が一銭もないぞ生活費位は稼がないと餓死不可避だ。

 この世界が異世界で、モンスターを倒してお金を稼ぐとしても、装備無しではモンスターを倒せないだろう。


 考えても解らないし……。はぁ〜どうしよ。

 仕方ないので、この場所の風景画でも描こうかな。(現実逃避)


 はぁ、長閑(のどか)だ……。

 3時間程して、風景画を描き終わった。

 いかんいかん、現実逃避してしまった。

 とりあえず、せっかく描いたので印刷して[アイテムボックス]へ風景画を残しておこう。


 そうだ、この村で人と話をしてみよう。

 そうすれば、現状から脱出できる糸口がつかめるかもしれないしな……。

本日の投稿は6話投稿になります。


1話 7:00 

2話 7:00 ※イマココ

3話 7:00

4話 12:00~13:00 の間

5話 15:00~16:00 の間

6話 19:00~20:00 の間


の6話投稿です。

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