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教会で絵を描く?

 教会に入り辺りを見回すが、人の気配が見つけれなかった。


「こんにちわ〜〜!!」と、挨拶をするとダニエル神父が僕の事に気づき近寄ってきてくれた。


「やぁ、ハジメ君。

 久しぶりじゃないか、急にどうしたんだい?」


「あぁ、目標金額が溜まったので。

 ライムさんにモデルをやってもらおうと思って教会に来たんですよ」


「ほぅ。狩りに行かずにお金を貯めれたのかい?」


「金物屋さんと、飲食店さんがお仕事をくれたので何とかなりました。

 むしろ仕事自体は1日で終わっちゃったので、逆に暇になったんですよ……」


「あははは、そうなのかい?

 ライム君をモデルにと言ってたけど、彼女もシスターの仕事があるんでまとめて休みを取れるのは1週間程度だ」


「えぇ……。

 まだ2週間残ってますし、一応3週間の約束でしたよね?」


 そんな感じに不満を言うと、神父は顔を俯かせた。


「あっ、いえ。

 1週間でも問題はないんですよ……。

 2週間もあれば大作も作れるんじゃないかなと期待してたんで」


「かといって、君に狩りに行ってもらって何かあっても困るしな。

 ふむ、困った……」


 ダニエル神父は本当に困った表情をしていたので対案を出してみた。


「それならば、ライムさんがお休みを取るまでの一週間は教会で作業させてくださいよ」


「あぁ、それなら大丈夫だ。

 遅くなった時用に寝床も用意しておくよ」


 ……等と神父と話をしていたら、シスターのライムさんが教会へ入ってきた。


「あら、ハジメさん。

 こんにちは」


「こんにちは。

 今日はライムさんにモデルの依頼をしに来ましたよ。

 それで、さっきまでダニエル神父と相談してました」


「へぇ、そうなんですね」


 先程、ダニエル神父と相談した内容をライムさんにも伝えた。


「本格的に私がモデルをするのは、来週からってことですかね?」


「まぁ、そうなりますね」と、答えておいた。


「そういえば、ハジメさん。

 ギルド長さんと先日デートしてたって、村中で噂になってますよ」


「ぶっ!!」


「おいおい、ハジメ君も隅に置けないねぇ」と、ダニエル神父が冷やかしてきた。


「いやいや、ギルド長のお願いを聞いたんで、それのお礼にモデルになってもらったんですよ」


「話によると、君の話をすると彼女が真っ赤になるらしいんだ。

 もしかして色々とやったのかい?」


「絵を描いただけですよ。

 そんなことしてたら、僕は魔王になってるでしょうが……」


「あははは、スマナイスマナイ。

 ちょっとした冗談さ……」と、神父はおどけて見せていた。


 本当に村の情報(噂限定)の伝達速度舐めてたら痛い目を見そうだ。

 あと、ギルド長に脱いでもらった事は黙っておこう。何かとややこしいことになりそうだ。


「もしかして、ハジメさん。

 ティーゼさんにヌードモデルやらせたんですか?」と、ライムに直球で質問を突き付けられた。


「な……何で急にそんなことに?」


「いえ、モデルって聞いて私も最初はヌードモデルだと思ってたので」


「まったく、普通の奴しか書いてませんよ」と言って、ティーゼさんを描いた絵を二人に見せた。


「けど、ハジメ君。

 君は女神様をヌードにした前科があるからねぇ」


 えっ!! 前科!? そこまでの事だったの?


「あははは、ノルン様はお綺麗だったんで、自分に正直になっただけですよ」


「ティーゼさんも珍しいエルフだし綺麗な人だから、彼女が赤くなるあたり怪しいなぁ」と、女の感で疑ってきていた。


「ハジメ君。

 懺悔(ざんげ)が必要なら、我が教会で受け付けるよ」


「はぁ、正直に言わないと納得してもらえないようなんで話ますけど、同意の上で脱いでもらいましたよ。

 その絵は完成した後、全て彼女に渡しました」


「あっ、やっぱり。

 綺麗ですし絵になりそうですものね。ティーゼさん」


「そういう意味では、ライムさんも絵になりますよ」と言ったら、ライムさんが赤くなった。


「おいおい、ライム君を口説くのはよしてくれよぉ」と、神父がチャチャをいれてきた。


「絵を描いていて、そういう気分になってもらったら。

 脱いでもらうことはありますけど、最初からソレ前提で絵を描くことないですよ」


「それにしては、ノルン様の絵の出来が良すぎてね。

 不敬罪に処罰するべきかと、本当に悩んだよ……」


 うっそ、オイ!! 怖い事を言ってきたぞこの人。


「だが、それ以上に女神ノルンをここまで詳細に描ける人物は君しかいないからね。

 その件は不問となったよ」


「あっぶねぇえええええええ〜〜!!」と、素直に声が出た。


「ヌードを描いてしまうのは芸術家の(サガ)だろうが、少しは気を付けないとね。

 身を亡ぼすかもしれないよ……」


「あははは、善処します」


「それで、あれからしばらくたったのだが、ノルン様の絵はいくつか完成したかい?」


「あー、かなりの枚数完成してますよ。

 普通の奴と脱いだ奴の両方ともありますねぇ。

 あと、ノルン様の絵に関しては、そこそこ枚数を描いてるんで新規で描きだすことも可能だと思いますよ」


「ほぅ、それは流石だね。

 それはギフトの効果ではなく、元々の才能がなせる業っぽいね。」


「あははは、元々がこういう感じに絵を描いて飯食ってきてましたからねぇ。

 差分を描いたり、色んなバリエーションを描くのはお手の物ですよ」と、答えておいた。


「まぁ、それはいいとして、明日からは教会で絵を描くんだよな。

 教会でそういう絵を描くのはよしてくれよ」


「さすがに、そういう展開(・・・・・・)にはならないと思いますよ」


「ハジメ君。

 展開があったら、書くみたいな言い方だね」と、神父が言った。


「そりゃぁ、展開がきたら描くでしょ?」と言うと、シスターが真っ赤になってた。


「よし、このままここにいると。

 ライムさんが赤面して仕事にならないと思うんで、今日は帰ります」と言って、そそくさと教会から逃げ出した。


 そんなこんなで……

 明日からは、教会で絵を描くことになった。

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