ギルド依頼、1日で終わる。
さて、今日のお仕事は二件だな。
前日、金物屋と飲食店から仕事を引き受けたのでそれを片付けることにした。
まず確認したかったことは、借りてきたメニュー表を[アートボックス]の機能でスキャンできるかどうかだ?
メニュー表の手書きの文字と金額に関しては、スキャナが使えれば、コピーして使おうと考えていたので仕事は捗るし、イラストを加えて構成をかけるだけでメニュー表ができあがる。
結果からいうと可能だった……。
[アートボックス]に、メニュー表を入れたら。いつもの、お絵描きツールにスキャンの項目が追加されていた。
あとは飲食店で描いたイラストを着色して、メニュー表に配置して構成すれば作業が終わるわけだ。
次に、金物屋の看板はどうやって着色しようか悩んだ。
・[アートボックス]の印刷機能を使う?
・[アートボックス]からペンキや着色用のスプレーを取り出す? スプレー等を使うのならマスキング等の作業が必要なのでそれも次いでに取り出す?
……と、2点だったが結論から言うと両方とも可能だった。
ただ、今回は気分的に印刷でつくるより、ペンキを使った着色で看板を作ることにした。
◆◇◆◇
金物屋に依頼は、小さい立て看板なので作業自体はあっさりと終わった。
看板アートなる言葉もあるくらいに、こういう業界の作業も一種の[アートボックス]の適用範囲だった。
ペンキやスプレー等も出たので看板のコーティング剤も取り出せた。
最後に、仕上げを行って乾燥させて終了っと。
今回のサイズの依頼なら作業をするより、乾燥を待つ方が時間がかかるような気がする……。
看板の作業は乾燥待ちになってしまったので、仕方ないので飲食店のメニュー表づくりを始めた。
何十枚か描いた下書きイラストをスキャンして、画像を取り込んで着色を行っていった。
そして、画像のサイズを調整して新しいメニュー表に配置していく。
今回のメニュー表は両面印刷をする予定なので、元々より情報量は2倍詰め込めるわけだ。
文字はスキャンしてきたものをそのまま利用して、画像を配置して違和感が出てこないように構成する。
そんな作業を続けていたら。
全ての商品名と代金そして、イラストが追加されたメニュー表が完成した。
最後は両面印刷で、飲食店に依頼された部数を印刷して作業終了……。
結論から言うと、1日たたずに2件の作業が終わってしまった。
まだ、昼飯時をちょっと過ぎた程度なので飲食店へと向かう事にした。
宿屋を出て飲食店へと向かい、お店へと入った。
「いらっしゃいませ!!」と飲食店の店員が案内をしてくれた。
「店長、います?」
「すいません、今は調理で手が離せないと思います」
「昨日、メニュー表を作り直す依頼を受けたんだけど。
メニュー表が出来上がったんで店長の所に案内してもらえないかな?」
「あぁ、話は聞いてますよ。
けど、早すぎませんか? 来週以降だろうって店長いってましたよ」
「まぁ、そこは企業秘密だよ」
「解りました。 厨房に案内するんでついてきてくださいね」と言われて、店員についていき厨房へ移動した。
「店長。料理で忙しいと思いますがお客さんを連れてきました」
「ん、どうした? ……って昨日のお客さんじゃないか」
「ご依頼の品が完成しましたので、確認お願いします」と言って、メニュー表を店長に渡した。
「文字は私の文字だが、イラストがついてメニュー表が綺麗になってるな。
しかも、両面にメニューが載っている。これは1枚だけメニュー表が完成したので、試しに確認してくれってことかい?
そういうことなら、出来は十分すぎるから残りの作業も頼むよ」
「あぁ、全部終わってますよ」と言って、全てのメニュー表を手渡した。
「!! ……ちょっと待ってくれ、昨日、依頼したばかりだし、これだけの枚数どうやって作ったんだ?」
「それは企業秘密ですけど、ご依頼はこれで完了でよろしいでしょうか?」
「あぁ、今日中にギルドには連絡を入れておくよ」
「新しいメニュー表、今からなら差し替えしても効果ありそうですし。
そう思ったので、持ってきました」
「ありがとよ」
「いえいえ、こちらこそ。
面白い仕事をさせていただき、ありがとうございます」と言って、飲食店をあとにした。
そのまま宿屋の部屋に戻り、看板が乾燥したのを確認できたので、看板を[アイテムボックス]に入れてから金物屋へ移動した。
「こんにちわ〜」と、金物屋の店主に挨拶した。
「おっ、絵描きの人か。
今日はどうした? 仕事が間に合わないから期限を延ばしてくれって催促か?」
「違いますよ。
看板作り直したので渡しにきたんですよ」と言って、今日出来上がったばかりの看板を手渡した。
「……!? 本当に看板が出来上がってるじゃないか」と、言って金物屋の店員が驚いていた。
「こんな感じの仕上がりで大丈夫ですかね?
防水のコーティング塗装してるんで、雨が降っても文字やイラストが消えたりはしないと思いますし」
「あぁ、文句のない満足な出来だよ。
ギルドには、仕事終わりにでも連絡をいれておくよ」
「どうも!! また何かありましたら。
よろしくお願いします」と言って、宿屋に戻った。
あっ……。
1日で仕事を終わらせてしまった。この調子じゃ2週間程、暇な日が続くぞ……。
そうだ、教会でライムさんがモデルしてくれるって言ってたから。
明日からは、それで時間を潰そう。
ギルドから依頼料貰えるのは明日だろうし、今日はやる事がない。
まぁ、いっか。書きかけの絵でも描いて、今日は時間を潰すとしよう。




