失敗と大戦果。
ゴレッジの村の宿屋に到着した。
宿屋に入ると、「お客さん、無事だったかい」と言われた、宿屋の店主に心配されていたみたいだ。
「心配かけて申し訳ない。
森の暗さで、時間が解らず森の深くまで潜り過ぎました」
「あぁ、無事だったんならいいよ。
裏で水浴びて、今日はゆっくり休みよ。
あっ、それと金物屋が部屋に大きな寸胴鍋を置いていってたよ」
「あっ、わかりました。
部屋で確認してみます」と言って、105号室へ移動する。
部屋に入ると、急に疲れがどっと来た。
このまま寝ると、匂いや汚れが酷いので水浴びにいかないとな。
部屋に置いてある。大きな寸胴鍋を[アイテムボックス]に入れて、裏庭の井戸へ移動した。
[アイテムボックス]から寸胴鍋を取り出して、井戸水で鍋を満たしていてく。
ある程度水が、満たされた状態で、[ファイア]の魔法で一気に熱を加えていく。
一気にお湯が出来上がり、お湯が沸騰していた。
これを身体にかけると火傷してしまうので、井戸水を鍋に注いでいき温度を調整した。
お湯が丁度いい温度になったので、お湯を頭からかぶった。
お湯を頭からかけたり体にかけたりして、身体をタオルを使い洗っていく。
とりあえず、汗と汚れは落とせたと思う。
寸胴鍋のお湯をすべて使いきったので、再び[アイテムボックス]に鍋を収納した。
部屋に戻り、そのままベッドに倒れ込むようにして眠りについた。
◇◆◇◆
陽は完全にのぼりきっている、すでに昼過ぎだ……。
前日の探索で、あまりにも疲れすぎていて気を失うようにして眠り続けていたみたいだ。
とりあえず、昨日のレベル17までに覚えたスキルと魔法をひとまとめにしてみる。
正直、冒険の最中は最低限の確認しかしていなかった為、支援魔法系は軽くスルーしていたのだ。
・ファイア(初級魔法:生活魔法)
・アイス(初級魔法:生活魔法)
・ウォーター(初級魔法:生活魔法)
・ヒール(回復魔法)
・クリア(初級魔法の清浄化魔法:汚れを落としたりするときに使う)
・ファイアランス(単発の火の矢を放つ)
・サンダーランス(単発の雷の矢を放つ)
・アイスランス(単発の氷の矢を放つ)
・アースランス(単発の土の矢を放つ)
・ライト(暗闇を照らす魔法)
・ファイアウォール(炎の壁を作り出す)
・アイスウォール(氷の壁を作り出す)
・サンダーウォール(雷の壁を作り出す)
・アースウォール(土の壁を作り出す)
これだけの魔法を覚えていた。
[ヒール]と[クリア]の魔法に関しては、覚えていたことにさえ気づいていなかった。
今日は、道具屋とギルド行こう。
まず、道具屋にお礼を言いにいかないとな。
道具屋の店主が入れてくれていた。薬のおかげで生き残る事ができた。
宿屋の店主は、カウンターにいなかった。
部屋を出て、宿屋のカウンターに行き籠を返しておいた。
今日は外食かな、ギルドの酒場で食事をとることにしよう。
まず最初に、道具屋へ向かい。道具屋の店主にお礼を言いに行った。
「気にするな、にーちゃんが無事ならそれでいいんだよ」と、道具屋の店主は言ってくれた。
「ありがとうございます。
それにしても、あの得体の知れない薬に助けられました。あれって何の薬なんです?」
「あぁ、あれは単なる精力剤なんだよ。
この町にはないけど、魔道具屋で良く売ってるアイテムさ」
「そうなんですか?
MPの枯渇状態をカバーしてくれたんで、かなり助かりましたよ」
「MPってもんは精神力みたいなもんだからな、丁度よかったんだろうよ。
純粋にMP回復薬も販売してるから、次の探索に行くときは買ったらどうだい?」
「はい、そうさせてもらいます。
松明も、灯りがなくなった時の不安を考えるとギリギリの運用は危険だと身に沁みましたよ」
「え? にーちゃん。【南の森】で、18時間以上狩りしてたのか?」
そこから狩りの道中の話を道具屋の店主に話をした……。
「おいおい、無茶が過ぎるんじゃないか?」
「流石に、今回の件は反省してますよ。
ギルドに商品を買い取ってもらったら。
また、ここに来ます。消耗品を少しばかり増やしておきたいんで」
「あぁ、待ってるぞ」
そして、道具屋を離れてギルドへ徒歩で移動した。
ギルドの受付に並び自分の順番を待つ……。
順番が来たので、受付の前へ移動して備え付けの椅子に座った。
「サトウさん、南の森の探索はどうでしたか?」
「引き時を見誤ったせいで、松明が底をつきてかるく危なかったですよ。
消耗品の準備不足が、危険につながると理解できた探索でしたね……」
「よくもわるくも、勉強になった感じですか?」
「まぁ、そんな感じですね。
それで、薬草と討伐したゴブリンの武器と魔石の買い取りをお願いしたいのですが?」
「そうですか。それなら、この建物の裏手にある買い取り倉庫で買い取りを行ってますよ。
ギルド証を提示すれば買い取りしてもらえますよ」
「あっ、はい。
わかりました。買い取り倉庫に行ってみます」
この席を離れて、建物の裏手にある買い取り倉庫へ移動した。
買い取り倉庫は冒険者達でにぎわっていた。
ここでも、待ち時間発生かぁ……と思っていたら。奥の方の買い取りスペースが空いているのに気づいた。
なんだ、あの奥は空いてるじゃないか。
奥の買い取りスペースには、風格のあるおっさんが何か作業をしていた。
「あのぉ、買い取りをお願いしたいんですけど」
おっさんは、僕に対して品定めをするような目で観察をしてきた。
「ふむ、私服か……。
申し訳ないが、少量の買い取りはここで請け負っていないんだ」
「すいません。どれくらいから少量って条件が外れますか?」
「そりゃ、30以上狩ってこられたら少量とはいわないかな」と、おっさんが答えた。
「あー。それなら大丈夫です。
ゴブリンだけで、討伐数60超えてますんで」
そう答えたら、おっさんの表情が変わった。
「おい、ニーチャン。ギルド証を提示しな」と言われた。
言われるがままに、ギルド証を提示してギルド証をおっさんに渡した。
「へぇ、レベル17か。
なかなかやり手の冒険者じゃないか。ん? ギルド登録が最近過ぎるぞ……」
「あぁ、【南の森】で軽く遭難しかけて、長時間探索する羽目になったんですよ。
それで、6レベルから17レベルまで上がりました。なので、探索という探索は前回ので二回目です」
「南の森の探索ということは、薬草採集か?
それだけ探索してたってことは、薬草も大量に見つけてきてるんだろ?」
[アイテムボックス]から、大量の薬草を取り出して地面に置いた。
「こりゃ、すげぇな。
ついでに、ゴブリンの魔石と武器も一緒にそこらへんに置いといてくれ」
ゴブリンの武器と魔石を地面に置いた。
「本当に、60以上のゴブリンを討伐してきてやがる。
やるじゃねーか、ニーチャン。
鑑定が終わるまで、そこにある椅子に腰かけて休憩しとけばいい。
これだけの量だ、二時間位はかかるからどこかで時間を潰しておいてくれてもいいぞ」
「二時間ですか長いですねぇ。
それなら仕事されてる姿を絵に描いて待ってていいですか?」
「ん? ウチラの邪魔にならんのなら構わんさ」
「それじゃ、そうさせてもらいますね」
今回は、人前で絵を描くので[アートボックス]から色々と道具を取り出し、デジタルでの作業ではなく実際に絵を描くことにした。
ある程度の下書きが完成した所で、さっきのオッサンから呼び出しがかかった。
「おう、ニーチャン。鑑定が終わったぜ。
へぇ、絵を描かせてくれといった時には変わり者のニーチャンだと思ってたが、絵心がない俺でもわかる位に良い絵だな」
このオッサンは、横から書いている絵を覗き見たんだろう。
「ゴブリンの魔石が一つ1ゴールド、武器が2ゴールドで買い取る。
ゴブリンは77匹討伐していたので231ゴールドと薬草が一つ20ゴールドで109個で2180ゴールドだ。
合計で2411ゴールドを渡す事になるが大丈夫か?」
「あっ、はい。それで大丈夫です」と言うと、2411ゴールドをおっさんから手渡された。
「ニーチャン。今書いてる絵が完成したら見せてくれないか?」
「あぁ、いいですよ。
暇つぶしに書いてたこの絵でよければ、完成したら見せにきますよ」と言って、この場をあとにした。
その後、道具屋へ移動して、松明やMP回復剤や携帯食料等の探索の必需品を1521ゴールド分購入した。
(残り所持金1000ゴールド)
今日は、宿屋へ帰ろう……。探索を再開するとしても、明日から仕切りなおそう。




