表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/11

11、先生の隣で……

「葛西先生の心臓もらって長生きしたって、先生が居ないなら生きている意味ないよ」


私は眠っている葛西先生の耳元でぼそっと呟いた。


「葛西先生……好きだよ。居なくならないで」


私は気がついたら、

先生の枕元に顔を伏せたまま眠ってしまっていた。


「風邪引くよ」

私は誰かに優しく頭を撫でられる感触で、目を覚ました。


「葛西先生……よかった」

「水城……いっぱい心配させたな。ごめんな」

私は久しぶりに聞いた葛西先生の優しい声に、涙が溢れて止まらなくなった。


「……なんで泣く?」


葛西先生は、私の腕を引っぱり抱き寄せた。


「葛西先生の声聞いたら、安心して……」


私は葛西先生の胸に顔を埋める。


トクントクン……


と、聞こえる葛西先生の鼓動。


やっぱり……心地いい。


「可愛い……水城ってこんな小さかったっけ?」

葛西先生が泣いてる私の頭を何度も撫でる。


「麗……」

「え?……葛西先生……?」

葛西先生に名前で呼ばれた気がして、

私は顔をあげた。


葛西先生の手がゆっくりと動き、私の頬の涙を拭った。


涙はあっという間に止まった。


ドキンっと、胸が高鳴る。


葛西先生とこのまま『キス』……したい……。


離したくない……離れたくない。

もっともっと近づきたい。



「私……葛西先生の特別な人になりたい……」


ずっと胸に秘めていた思いが溢れだしていた。

また先生を困らせると思った。


でも、

葛西先生はいつもみたいに、

困った顔をしていなかった。


「……俺の心臓……プレゼントしようかと思ったけど、やめた……」


葛西先生は私の頬を軽くつねった。


「そんなことしたら、ずっと泣いてるだろ?笑ってる顔……見ていたいからさ……麗の隣で」


葛西先生の顔が近づいてきて、

初めて先生とキスをした。


「好きだ」


優しい優しいあったかいキスだった。


「卒業したら、一緒に暮らさないか?ゆっくり、これからやりたい事、一緒に見つけて行けばいいよ。どんなんでも、俺がそばで支えるから」


私は嬉しすぎて、

止まった涙がまた溢れ出していた。


「これ、夢じゃないよね?!だって……私!絶対、無理だと思ってたから……叶わない恋だってっ……」



葛西先生が、私をぎゅっと抱きしめた。


「麗が俺を変えたんだよ」


葛西先生の温もりが私に夢じゃないことを教えてくれる。


「俺がどんなに気持ちに蓋をしても、麗はいつだって俺に真っ直ぐぶつかってくるから。俺も、もう教師だって言葉で誤魔化すのはやめるよ」


そう言って、いつものように頭をポンポンっと撫でてくれた。



「麗が好きだ。もう……おまえの前では、ただの先生ではいられないよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ