<2. 転>
知らなかった
いや 知っているはずがなかったんだ
私はいつの間にか 転落していた
気づかなかった
いや 気づくはずがなかったんだ
もうひきかえせないところに
知らず 気づかず のうちに来ていたことを
全てが 転じる……
明 が 暗 に変わる
できる が できない に変わっている
分からない……
あっという間に 手にしていたものが逃げていく
自信が ステータスが壊れていく
ぞっと 襲ってくる悪寒
オセロが 裏返っていくみたい
ただ 茫然とたち尽くして
白 が 黒 になっていくのを見るだけ
転じて 転がされて
何もできないまま
私自身のことなのに
「明白」はテレビの中なの
ふと 画面に手で触れて
崩れ落ちて 額をつけて
腐敗していく感触を感じながら
私は 落ちていく。
知らなかった
いや 知っていたなんてウソだったんだ
私は吸いこまれてはじめて知ることになる
気づかなかった
いや その以前に
この状態の真実なんて見ることがなかった
全てが 転じる……
実 が 虚 に化ける
分からない……
あっという間に 心に入っていたものが
皮を破って 飛び散ってしまった
ぞっと 襲ってくる目眩
ジェンガが 崩れる瞬間みたい
ただ 茫然とたち尽くして
有 が 無 になっていくのを見るだけ
転じて 転がされて
何もできないまま
「虚無」に浸食されるがままなの
ふと 手を見つめ 握りしめ
無力の証を刻みつけ
腐敗していく感触を感じながら
私は 落ちていく。




