第6話 『』
カ~ン、カ~ン、カ~ン。
【シャイア】の里に響き渡る朝を告げる鐘の音
はいつもの穏やかな1日の始まりの習慣で、里の者達はこれを機に行動していく。
農作業に向かう農家、教会にお祈りを捧げに行く者、自営業で作物等を売る者等、小さい里ながらその日その日を健気に過ごす人々の朝は実に活気に満ちている。
でも、そんな活気づいてきた里の一軒家の中に今だ目を覚まさない男が1人……。
「クリード先生、朝ですよ。起きて下さい?」
「ん?ん~……。」
「もうっ、いつもは凛々しいのに今は子供みたいによだれ垂らして寝てる……。でも、ちょっと可愛かも////。」
エレノアは今だスヤスヤと寝息をたてるクリードの普段とは違う幼さを見て母性と恋慕が混ざったような気持ちでクリードの寝顔を見つめる。
完全に気の抜けきった彼の寝顔に自分が彼にとってそれだけ近しい存在になれているのかもしれないと思ってなんだか嬉しくなってしまう自分がいる。
「クリード先生、大好きですよ……。」
無防備に眠ってるクリードをよそについ出来心で彼の口元へ自分の唇を近づけてしまうエレノアの行動は意識的なものではなく無意識なものだった、後数センチまでに迫った唇にキスをしようと思いきった瞬間だった、
「ん……?エレ……ノア?」
「ひゃ!?」
なんて間の悪い男なのだろう、このタイミングでクリードは目を覚ましてエレノアとバッチリ目と目を合わせてしまう。
「エレノア、おはよう。どうかしたのかい?」
「い、いいえ!何でもありません////おはようございます。」
「顔が真っ赤だけど本当に大丈夫かい?」
「大丈夫です。それより、朝食用意したのでリビングで待ってますからね?」
そう言い終えるとエレノアは足早に寝室を出てリビングへと立ち去っていく。
クリードは今だ寝惚け顔でそんな彼女の後ろ姿を見て今の状況を整理しはじめる。
「そういえば、昨日は学舎が終わってから彼女に食事をご馳走になった後そのまま泊まってしまったんだっけ。」
寝起きの虚ろな記憶を掘り起こしながらクリードは近くのクローゼットに掛かっているいつもの服装を手に取り着替えてリビングへと向かう。
寝室から移動してる間にも香る甘い匂いがクリードに食欲を施している。
「さぁ、召し上がって下さいね?」
リビングに出ると甘く香るものの正体がテーブルの上に用意されている、フレンチトーストにコンスープ、女の子のエレノアらしい組み合わせの朝食にクリードは笑みをこぼす。
「昨日からご馳走になってばかりだけどありがとうエレノア。」
「良いんです、先生の為なら苦じゃないですしむしろ、嬉しいです。」
「そうか、ありがとう。」