間話その二 断酒ノート手前の時期の連続飲酒
連続飲酒のお話です。
連続飲酒。
普通の生活を送っている人ならば、こんな言葉を聞いたことも読んだこともないだろう。
端的に言うと、お酒を飲むことを自分でとめられなくなる。実に大変です。家族が。
一人暮らしだと、そのまま逝くこともあります。
今回の間話では、おっさんがどんなふうに連続飲酒したかを書いていきます。
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一一月中旬
朝起きたら、前日に飲んだ酒で二日酔い。
派遣の工員の仕事に行く気がしない。欠勤の連絡を電話でして、電話を切った瞬間に酒を飲む。
一二月初旬
派遣会社からの電話が鳴りまくる。うざいから電源を切って酒を飲む。
一二月中旬
派遣会社からの電話も来なくなった。まだ金もあるし、とりあえずセブン焼酎の四リットル瓶を買ってくる。
4リットルが二日でなくなる。そろそろ歩くこともしんどくなってくる。
一二月下旬
世間はクリスマスや年末で浮かれているのに、おれはどうしようもないアル中だ。やってられないので酒を飲み続ける。もう昼だか夜だかわからない。
正月
大嘔吐を繰り返す。胃袋に何も入っていないのにげえげえと吐く。苦しい。誰か助けて。酒を飲めば少し楽になるかもしれないからまた飲もう。まだ金は少しあるはずだ。
三日
酒の切れ間に目が覚めて、
「また連続飲酒だ。おれはいったい何をやってるんだ」
とつくづく自分がいやになり、四度目の入院治療を決意する。
この肉体的・精神的状態には二度と戻りたくありません。
連続飲酒は肉体・精神・社会性を破壊します。