2012.1.17 【自分は自分、他人は他人】その五 《感謝の心》
一九時四〇分
麦茶を二杯作り、水のボトルも満タンにして、あとは着替えて服薬して寝るだけという体勢を整えた。
今は小腹が減ったのでかりんとうをボリボリ食ってる。甘くてうめぇ。連続飲酒の真っ最中とか末期には甘いものを食べる考えすら浮かばなかったよな。
一九時四六分
今、ふと
「今回入院してから考えたことをまとめてみようか」
と、思いついた。今から始めようかと思ったが、今日は入院してから一二日目でまだ四週間という入院計画の半分も経過していない。一九日で一四日目を迎えるので二〇日に中間までをまとめてみよう。
今回の入院で気づいたこと、改めた認識、これからの人生に対する考え方等々。
得られたものは数多くある。このノートは、基本的に雑記で冗長な部分もアルのでまとめは必要だろう。
一九時五五分
今回の入院では、病院に命を救ってもらったと実感した。
あのまま連続飲酒を続けていたら、脱水死はできなかったろうけど突然死、あるいは何日にもわたる不眠によって本格的に精神がおかしくなって発作的に自殺していたかもしれない。
あのとき、みっともない格好でヘロヘロになりながらもなんとか病院にたどり着いて観てもらえてよかった。あと、たまたま断酒会のNさんに会えたのもよかった。彼がたまたま病院に来ていなければ自宅までたどり着けたかどうか怪しいところだ。
あと、今回は医療の力のすごさも実感した。脱水症状と栄養失調で立っていることすらあやしい身体をたったの三日で普通に歩けるようにしてくれた。
精神的にも落ち着かせてもらい、夜もなんとか眠れるようにしてもらった。食事も栄養バランスがとれて、カロリー計算までしてある、しっかりとした食事が出てくる。
病院という施設はいろんな人たちが患者のために働いているすごい場所なのだなと言うことをしみじみ実感できた。どんな職種の職員とすれ違っても感謝の心である。今までの入院ではそんなこと欠片も思わなかったのに。
二〇時一〇分
さて、このノートも残すところ一ページだ。内容はどうだかあやしい部分もあるが、とにかく量は書き散らかした。おかげでいろんなヒントやキーワードが浮かび、自分のスローガンも固まってきた。
もう時間も時間だし、難しいことを考えたり、書き物をするのはやめて、歯を磨いて寝る段取りをしよう。
「クーソーしてから寝てクダサイ」
昔のナムコのCMのキャッチだ。空想と糞をかけている。
あと、このノートもお疲れ様。
一本目のボールペンも寿命まで頑張ってくれてお疲れ様。
このノートは自分が寿命を迎えて死ぬ時まで手元に置いておこう。
まだ先がどうなるかわからないが、
たぶん、今が人生の転換期なんだ。
いろんな人、いろんなモノに、ありがとう。




