2012.1.16 【第二種戦闘配備】その二 《何様、なにかに気づきそう。だけどやっぱり何様?》
勘違いに思い上がり。
ですが、なにやらもがいているようです。
でもやっぱり何様?
うん、すっきりした。
入院患者にとんでもない奴がいても人外と認定することで、たいていのことはスルーできる。気がする。というか、スルーするに限る。
あーあ、朝からろくでもないことを二頁にもわたって書き散らかしちゃったよ。でもまあ、腹の中にストレスをため込みすぎて暴力事件→強制退院になることを考えたら、こうやってノートに書き散らかしたり、K君と悪口、いや陰口言ってストレスを発散させた方がいいな。
五時一五分
配膳場のエレベーターから
「到着デス 扉ヲ 開ケテクダサイ」
という機械音声が流れてきた。七時の朝食に合わせてどれだけ早く出勤しているのだろう。暗いうちから働いている調理場の人たちに感謝、感謝である。
五時五八分
検温終了。看護師のKさん、そんなに早く初めていいのかよ。でもまあ、人数少なかったし、体温計の奪い合いにならなかったから結果的には良かったのかも。
○アルコールは悪魔で悪霊で破壊者である。
●悪魔のくせに天使のふりをして囁きかけて誘惑して、
●悪霊のようにとりついたが最後、自力で祓い落とすことはできず、
●全てを破壊して最後には命をも奪っていく。
●アルコールは自分にとって創造をもたらすことはなく、
●一切合切を破壊する破壊者であり
●和解することが絶対に不可能な敵である。
・敵ならば闘うしかない。
・闘うならば負けるわけには行かない。
・闘うならば仲間は多い方がいい。
・だから自分は断酒会に戻る決意をした。
・戦いに終わりはない。寿命を迎えるそのときまでが戦いだ。
・仮に負けても敗者復活戦がある。
・あきらめたらそこで勝負は終わる。人生終了だ。
毎日毎日同じことを書くが、今度こそは何が何でも酒をやめるんだ。
酒と書いて敵と読む。心に刻みつけるのだ。
六時三〇分
おれが例の定位置で書き物をしていたら、K君も書き物を始めた。何を書いているのかを訪ねてみたところ、過去の酒害体験を掘り起こしているとのこと。自分の経験から、あまり自分を追い込んでも毒なので気をつけてねと伝えた。
どうして書き物始めたの?と効いてみたら、おれに刺激を受けたとのこと。うれしい限りであるし、それなら自分もしっかりしなければとも思った。
「自分が救われると言うことは、他の人を救うことの中にある」
という断酒道ってのは本当のこと言ってるなあ、とつくづく実感できる。
七時一二分
朝食終了。TKGをよく噛んでゆっくりと食べるのはなかなか難しかった。よく噛んで一五分かけて食べたら、自分が最後の客だった。(客?
アルコール依存症でまともな奴でもおれみたいに酔狂な食べ方をする人はいないだろうな。酔狂と言えば、昼と夜と寝る時で服を替えてるのもおれぐらいだよな。自分の中では生活の時間帯によって区切りをつけなければいけないと思ってやっているのだが、アル症患者のたいていは着た切り雀になっているか、寝る時だけ少し変わる、ぐらい。
自分の中では、病院でデレ助(方言です。だらしないなどの意味)な生活をしていたらその生活がしみこんでしまい、退院後もデレ助な生活を引きずってしまいそうだと思う。
だから時間帯によって着替えるし、病棟から一歩でも外に出る時は上着を着て靴に履き替えてから出るようにしている。間違ってもスウェットにサンダル、ビニールジャンパーなんていう入院患者丸出しの格好で表に出ることはしない。
恥ずかしいし、みっともない。内と外のケジメもついてないようで、自分ではだらしなく感じて嫌だ。
それに、外来待合室に行って知り合いがいないかあと思っても、入院患者丸出しの格好で外来に行ったんでは、
「あ、あの人入院患者だ。危ない奴がうろついてるぞ」
と思われかねないし、何より自分がみっともなく、恥ずかしい
まあ、以上のような理由で、病棟から一歩でも出る時はきちんとした格好をするのだ。
夕飯を食べるまではきちんとした格好をして、
夕食後はリラックスライムなのでジャージかスウェットで過ごし、寝る前の薬を飲む前後に寝間着に着替える。この話をK君にしていたら
「その考えはいいですね」
と言ってくれた。彼にとっては目からウロコだったらしい。仲間が増えるのはうれしいものだ。
例によっていつものごとくOの阿呆は朝寝を決め込んでいる。
薬のせいなのかもしれないが、朝寝、昼寝をして夜眠れませんと追加眠剤をもらいに行く馬鹿がどこにいるんだっつーの。寝る前にカフェインを摂取したりコーヒーで眠剤を飲む馬鹿と双璧をなすな。両方ともどうしようもない馬鹿だ。
いま読み返してみると、自意識過剰ですね。
でもこの
「きちんとしよう」
という行動規範はいまになってとても役に立っています。




