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2012.1.15 【敗者復活戦開始】その二 《これはひどい》

 入院当時より最悪な時期の文章を発見して、自分でも

「これはひどい」

と感じたりします。


いまになって日記を読み返してみると、自分の器の小ささに

「これはひどい」

と感じたりします。

 昨日、家に帰った時に留置場にいた時にあれこれ書いた便せんが出てきたので読み返してみたのだが、内容がひどい。まったく反省していないのだ。

 酒を飲んだことにしても、飲酒運転をしてしまったことも、事故を起こしてしまったことについても全く反省の色が ない。


 自分の罪状についての罰がどれくらいになるのか、部屋が狭い、警察官がウザい、タバコが吸いたい、本が面白いだのつまらないだの、眠れないだの。

 文句ばっかり書いてある。今現在の自分が見ても目を疑うぐらい人間性が低い。パワハラでノイローゼになっていたとしてもひどすぎる。おそらく社会人になってから最も駄目だった時期ではないのだろうか。


 保釈されてからすぐに飲みに行ったぐらいだから、留置場にいても悪霊に取り憑かれていてアルコールに支配されていたのだろう。そうでなきゃ人間性があんなに低くなるわけがない。


 やはりアルコールは恐ろしい。囁き攻撃は全て弾き返して侵食を許さないようにしなければいけない。

 戦闘をずっと続けよう。自分が寿命を迎えるそのときまで戦闘継続だ。


八時二五分

 Oの阿呆が朝寝なんぞをしているので、わざと生活音を大きくする。ドアの開け閉め、引き出しの開け閉め、スリッパのぱたぱたした足音。夜中に起こされた恨みは大きいぞ。十倍返しで返してやる。


八時三〇分

 いくら日曜日だからといっても、朝飯食って朝寝して。

「いいご身分ですこと」

と、嫌味たっぷりにいってやりたくなってしまう。口に出したら問題になるから言わないけどね。


 ま、自分の治療には関係のないことなので、

「勝手にすれば?」

「死ぬまで飲めりゃ本望でしょ?」

という感じかな。酒をやめるつもりのない人を表面的にはスルーできるようになった。

 しかし、内心では


「ああ、とりあえず入院は自分でしたんだか福祉の人にさせられたんだかわからないけど、

 こいつらやる気酒を本気でやめるつもりはなさそうだな。

 目つきと態度を見ればだいたいわかるわ。退院したらすぐにでも飲みたいのだろうし、

 飲むだけ飲んで死ねばいんじゃね?」


 我ながら冷酷な考えである。今まではこんなことを考えたこともなかったのに。

 今回は自分から希望して入院して、アルコールに対する認識をあらため、

「病院に入院」

していると同時に断酒道場に入ったようなつもりで取り組んでいるからなのだろうか。

 少しでもやる気がある人とはともに闘う気になるが、やる気のない奴は勝手にしろと言ったところである。これもある意味スルースキルが上がったと言うことなのだろうか。

 それともK先生の薬のさじ加減がうまくいってると言うことなのか。


十時三十五分

 今日は九時二十五分ぐらいに家について、前日の敗戦処理の続きを始めた。

 まずは昨日のうちに段取りしていた洗濯機を回して布団を干す。狭いベランダなので布団が重なるが、全部干す。

 次に、これも昨日のうちに干していた洗濯物を片付ける。いくつか湿っていたのがあったので、そいつは外に干して、乾いたものはきちんとたたんで押し入れ収納の中にきちんと収納。

 なんだよ、シラフならやればできるじゃないか。


 その後、居室のゴミ片付けに手をつける。上下とも作業服に着替え、ゴム手袋をはめて戦闘開始。手と身体の動きが速いのが自分でもわかる。前回、連続飲酒になったあとの片付けよりも断然早い。あっという間にゴミ袋二つがいっぱいになり、隠れていた酒瓶、ペットボトルも発見してその二つの処理を始めたところで一回目の洗濯終了のブザーが鳴る。

 手袋を外し、洗濯が終わった衣服を取り出して布団カバーを放り込んで二回目の洗濯開始。そして一回目の洗濯物を干す。布団カバーを干すスペースを考えて室内と室外に分けて干す。

 衣服を干し終わった時点で十時二十分頃だったので一服することにした。居室の畳がだいぶ見えてきたので結構気分がよく、気持ちよく一服できているし、こうやって記録をつける気にもなる。


  ○雑記

 休日に家事をして、生活環境を整えて快適な部屋を作り、好きな音楽を流して、流れゆく雲を見て過ごすのも悪くないものだな。

  アルコールと闘うこと。

  得られなかったモノを数えないようにしたこと。

  今の自分にある手持ちの駒で勝負すること。

 そう腹をくくってみたら、暗い霧の中を歩いていたものが、少しだけ陽の当たる枝道に出た。ような気分になった

 流れゆく雲。最近眺めてないなあ。

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