2011.1.12 【反撃開始】
なにやら大仰なことを書き始めるようです。
一月一二日 【反撃開始】
今日から本格的なプログラムの開始である。自分の敵であるアルコールの仮の姿ではなく、化けの皮をはいだ正体に迫っていきたいと思う。
『敵を知り、己を知っても百戦軽んずべからず』
敵の正体がどんなものなのか、うすうすわかってきてはいるが正体をはっきりさせよう。
それはさておき、昨夜の睡眠状況
二〇時三〇分 服薬
二二時〇〇分 夜食にカップ麺を食べたせいで眠剤の吸収が遅く、眠気が来なかったので眠剤追加。
二二時三〇分 には寝落ち
三時三〇分 小用で目覚め。まだ薬が効いていたので寝る。
四時三〇分 目覚め、寒いので布団の中でもぞもぞする。
四時四〇分 起きる。着替える。
昨日は女の子と話をしたり、テレビを見てみんなでゲラゲラ笑ったりしたから気分が少し上向いて、それで睡眠の質が良くなったのだろうか。あんなに大笑いしたのって何ヶ月ぶりだろう。
昨日、例の女の子と入院してから初めて話をしたが、同じアルコールということですぐに仲良くなれた。話をしてみると、とても素直ではきはきしてて、本当にアルコール依存なの? という感じだった。
あんな心根のいい娘がおれと同じ地獄に落っこちていくなんてかわいそうで見てられない。いまからでも引き返して社会復帰して欲しい。
アルコールの怖さをお互いに話して、断酒会を強く勧めた。女性だし年齢も若いからS支部がいいかなとおもってS支部を勧めた。自宅から近いのはW支部だけど、W四分は人数が少なすぎる。S支部で若い仲間ができることを期待するか、親の年代が多いE支部か。あの娘の性に合えばいいのだが。
八時二〇分
検温前後、上の文章を書いたあとに例の娘へのメッセージを書いてた。ここに書くような適当な文字ではなく、一文字一文字ていねいに書いた。中身は今回おれが気がついたこと。悪魔で悪霊で破壊者であるということと、百戦軽んずべからず。あとは家族の問題。
家族の理解を得るのは本当に難しい。断酒してからも
「どうせまた飲むんでしょ」
この一言がお互いにヤバい。信頼してないよというサインでもあるし、患者にとっては引き金になってしまう。
九時二〇分
久里浜式認知療法 ステージ三と八。皆それぞれ大変なんだな。
一二時〇五分
昼食完了。相変わらず毎回行列を作って我先にとトレイをとって、食事を楽しむかと思えば五分で終了。しかも好き嫌いで残しまくり。やっぱり理解不能な連中だ。関わらないに限る。食事のありがたみを全然わかってない。
午前中、自由時間はほとんど外にいた。考え事は外に限る。
寒風吹きすさぶ中、顔と手は寒いが、考え事ははかどるし、考えもいろいろまとまる。
入院してまもなく、アルコールを敵だと認識した。
いままではアルコールから逃げることばかりを考えていたように思う。
しかし逃げ切ることは不可能だった。
そのうちに追いつかれ、誘惑に負けて、とりつかれる。
今回は敵と認定したことで腹が据わり、アルコールという悪魔で悪霊で破壊者であるものと正面から戦う気になった。
戦うのならば負けられない。負けたら人生崩壊だ。
徹底的にやってやる。ささやきという攻撃はすべて弾き返してやる。
一八時二〇分
夕食終了。ゆっくりよくかんで一五分かけて食べた。
おかげで満腹感、というか、満足感。自分一人だけだとあんなに多品目を使った料理は作れないよな。
今日の午後入んない例会に出席。バツは悪いしみっともないけど、これを乗り越えないと先に進めないと思って出席した。
自分を率直に語り、アルコールという敵と戦うこと、断酒会に戻ることを話した。
あともうちょっとだけ、つづくのじゃ。




