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「怖いですか?私達が。」

彼はまっすぐ前を見ている。私は、

「別に......。怖くはないです。ただ仕方ないなって思ってました。」

そう言って横を向いていた顔を前に向けた。

彼は少し疑問に思っているようで、私に聞いてくる。

「どうして、仕方ないんですか?あなたはまだ若い。なのにこの先の未来を親や目の前の男に潰されようとしているんですよ?それが仕方ないんですか?」

彼はそう言ってチラリとバックミラー越しに見てくる。

私は少し嫌になって言い返した。

「違います。私の未来が潰されてしまうことに仕方ないと言っているわけではありません。あんな最低な親が、トラブルにあっている事が仕方ないんだと思ったんです。それに、抗ったって変わることは何もない。」


私がそう言ったのを聞いた彼は、少し驚いて、クスクスと笑い、満足そうにしてハンドルを握り直した。





そして車は目的地に着くと、高いビルの地下駐車場へと向かっていった。


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