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私はどこまでも普通だと思う。



わたし、橘楓(タチバナカエデ)は、一般家庭に生まれ、普通の成績で、普通の顔で、普通の容姿。ほかの人と何も変わらない。

学校でも同じだ。普通の生徒で、何も問題を起こさない地味な子。

良く言えば真面目。悪く言えばつまらない奴。

こんな普通な私だから、関わる友達はいつも一緒。でもこんなありきたりな生活でも少しは満足だ。

学校は普通に好きだから別にいい。

ただ、出来れば

(家に帰りたくない。)

そう思っていた。


6限目が終わり、帰る支度をする。

自転車はパンクしているため、片道15分を歩く。

音楽を聞きながらゆっくりと。

正門を出ると、少し歩いたところに黒光りした車を見つけた。車種は分からない。ただ、綺麗に光っている。

私は知らない車だし、親の車でも無いので横を通ろうとする。するとドアが静かに開いた。

中から出てきたのは私より身長が高い、メガネをかけた綺麗な男の人だ。

無視して、俯きながら横を通り過ぎようとすると、目の前に光る革靴が見えた。目の前に男の人がいる。

私は、

「あ、すいません。」

と言い、邪魔にならないようによけると、男の革靴もわたしの目の前へと動いた。


おかしいと思い、顔をあげる。

すると近くに男の人の顔。

近くで見ると、なおさら綺麗な顔だと思った。

右目の下のホクロは幼さが残っているけど、キレのある目がそれを打ち消している。


男の人はゆっくりと微笑んだ。そして、

「橘 楓さんですか?」と、聞いてきた。


その瞬間、私の運命は少しだけ動いた。



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