出会い
(んー…。今日も来てないのか…。もしやなにかがあって不登校とか!!…うーん、わからん。)
な2週間前に転入してきたばかりである栗山秀は、まだ見ぬ隣の席の生徒のことで悩んでいた。
――聞いた話によればこの席の女の子は佐野まつりとか言うらしいな。女の子か。
今日も来てないのかなぁ。なんで来てないのか気になる。聞いてみるか、でも聞いていけないことだったらどーしよう。
よし、ここは勇気を出して聞いてみるか!
秀は、一番近くにいたので、黒髪ストレートを肩より少しの下まで伸ばした女の子に声をかけた。
「あの、俺の隣の席の子って、なんで学校来ないんですか?」
振り返った少女のかわいさに秀ははビックリした。
「あっ、えっと~。君の名前、知ってるよ…。ううーんと、あれー…。わ、忘れてないからね…。誰だっけ?」
「 まつり、転入生だよ!!初めて見るでしょ!!」
隣にいた女の子が、突っ込みを入れた。
「あっ、ごめんなさい。私は佐野まつりです。よろしくお願いします。」
秀が声をかけたのは、まつり張本人だったのだ。
「あっ、俺は栗山秀。よろしくね、まつりちゃん。」
秀が自己紹介をしたのと同時に、チャイムがなった。チャイムから何秒後かに担任の丹原広海が入ってきて、ホームルームを始めた。
しかし、秀はそんなのもお構い無し。隣の席のまつりを見つめていた。
それに気づいたまつりは一瞬不思議そうな顔をしたが、秀がニコッとしたのをみて、まつりもニコッとした。
(やべー。俺メチャメチャどきどきしてるは。こ、これが恋なのか!?これが本当の恋なのか!?)