幻想突入 それぞれの道行き
ちょっとおくれ・・・え? そこまで遅れてない?
いや~・・・意外に早く書け・・・前書きじゃないですねすいません
今回、やっと幻想郷に到着します、しかしそこで待ち受ける難関は
リューシェはなぜ幻想郷を知っているのか
といったあたり・・・ではまた
翌朝―
マンション屋上―時刻AM6:00
そこで八雲紫という人物が来るらしい
スキマ妖怪と呼ばれているらしいが、その実態はよくわかってないっていってた
なんでも普通の女性らしいけど・・・妖怪が女性ってなんか実感わかない感じ
とはいえ、朝早く起きたのは送ってもらうためではなく
リューシェ「朝早く自主練なんてよくやるね」
そう、何時もの日課でもある朝の自主練だ
凪道場を離れても、これだけは毎朝続けるように努力している
早起きは苦手ではない・・・だが問題は
翔季「なんで君が集合時間よりも早く此処に居るのかっていう話だよ」
屋上の柵に腰を掛けて翔季を見る少女の姿
自分たちよりいくらか幼く見える少女、リューシェがそこに居た
格好は昨日会った時と変わらない袖の長い黒いコートのような服にひらひらの赤いスカート
そして、その手にはバッグがあった
着替えか何かを持ってきているらしい
リューシェ「気にしないの
私は私なりに準備するだけはしておいたし、あとは行くだけだから」
翔季「なら見てないで修行なりやったらどうだい」
事実そうである
彼女が僕たちの護衛であるなら、実力はあるものだと思われる
なら練習なりなんなりすると思っていたが
リューシェ「私は実戦派だし・・・それに私のスタイルは全部実戦で身に着けたもの
そっちみたいに修行している暇もなかったからね、だから私はこのままいくことにするよ
・・・まぁ、別に修行が無駄とか言ってるわけじゃないけどね」
翔季「ならなおさら修行した方がいいと思うけど
・・・君の型に合わなさそうだね
まぁ、無理に誘うわけでもないしね」
そう笑い返し、朝練を続行する
ただ武器を型の通り流すだけだが、それを舞うように飛び、連ねていくことで舞踏となる
そのような武芸を一通り行う、そして終わり際の体操をして終了させる
翔季「ふぅ、さて、朝ごはんでも作るかな
リューシェ、君も食べてく?」
リューシェ「え、いいの?
なら食べてく~」
食べてこなかったのかなと思いつつも、マンションの自室に案内する
中は相変わらずの綺麗さで、妻はついさっき出たばかりだ
因みに、6時からのパートらしいが、良く知らなかったりする
だが今はともかく、冷蔵庫の中身をチェックし、ウィンナーと卵、後適当な野菜を取り出す
フライパンを熱し、調理に取り掛かる
パンに合わせようかとも思ったが、後の事を考え、米料理にすることにした
スクランブルエッグにウィンナー炒め
etc etc ・・・まぁ色々である
食卓に並ぶまで15分ほど・・・まぁ、少しかかってしまったが問題はあるまい
整頓されている机の上に皿を並べていく
来客用に用意していたコップに牛乳を注ぐ、自分の分と猫のための分もだ
などと色々取り揃えていたら机の上がいっぱい近くになっていた
リューシェ「凪君って・・・意外に天然?」
翔季「そうではない・・・と思うんだけど
親父にも言われちゃってあながち否定できないんだよね・・・」
リューシェの言葉に対してうなだれる翔季
因みに、リューシェが凪君、と呼ぶのはそっちの方が呼びやすいからだそうだ
だからこっちも呼び捨てで呼ばせてもらうようにしている
ご飯を食べていくうちに思うことがあった
翔季「(こうして食べられるのも今だけか・・・
思えばあっという間にこちら側に居られる時間が無くなっちゃったんだね
・・・妻ともメールでやり取りしただけだったし・・・良かったのかな)」
少し懸念するも、彼女ならなんとかやってくれるだろう
家族にも連絡はしたし、準備万端だ
などと思っているうちに、皿が空になっていた
リューシェ「ご馳走様でした~っと
ご飯美味しかったよ~」
翔季「お粗末様
すごい食べっぷりだね」
そういうと満面の笑みで
リューシェ「そりゃそうだよ、食べないとやってられないし
体力たくさん使うんだからたくさん食べないと損だよ~」
翔季「ハハ・・・そうかい
じゃ、片づけるかな」
皿を片付け、テーブルを拭き、支度を整える
来る時間は8時ごろらしいから、まだ1時間ちょっとはある
その間どうしようかと考えたが、やることもあまりないので猫と一緒に少しゴロゴロすることにした
そして少し経ったのちに呼び鈴が鳴った
翔季「来たかな、入っていいよ」
秋穂「失礼します、翔季さん」
丁寧にお辞儀をして入ってくる彼女
彼女の服装はというと、やはり巫女服だった
それ以外着こなしてきたことをあまり見たことが無い気がする
・・・中学の頃弓道部だった気がするし・・・第一学生服来ていたかどうかすら怪しかった気がする
まぁ、そんなことはいいとして
翔季「一時間前集合ってだいぶ早いよね
・・・でもどうしようか、屋上で待つにはまだ早いし・・・
第一、遅れて来られても何かと困るんだよね・・・でも」
リューシェ「あのひと遅刻する人だからね・・・
まぁ、定時で行けたらすごいと思うよ」
秋穂「そんな人だったら次の日何か降りそうですね・・・
雨対策はしては有りますけど、降られると厄介ですね」
はぁ~、と三人と一匹が溜息を吐く
と、何かが開く音が聞こえた
?「誰が寝坊助の妖怪BBAですっっってぇ~~~~~~!」
翔季「誰もそんな事言ってないですし自分じゃないですって~」
リューシェ「・・・聞いてたんだ・・・流石地獄耳」
翔季の背後から急にあらわれ、後ろ首を持ち上げ、満面の怖い笑みで翔季をにらみつける
紫、ここに降臨す
紫「紹介ご苦労様
・・・さて、まだいたの? 猫さん」
リューシェ「私も行くから当然じゃん
それともまだ不満いうつもり?」
翔季「そ、それより、く、首」
紫「あら、ごめんなさい」
パッと手を離し翔季を開放する紫
後ろ首をさすり、自分をつかんだと思われる人物を改めてみてみる
金髪のロングに印象的な帽子(?)白の法衣に紫色の柄入りの着物が見える
そしてその右手には傘を持ち、少女というにはかなり大人っぽい印象の女性がそこに居た
と、彼女が次の言葉を告いだ
紫「護衛にしては少々度が過ぎないかしら?
もう少しまともな人がいたと思うのだけれど」
リューシェ「仕方ないじゃん、それに、そっちに私たち側の人・・・というか龍が居たはずなんだけど」
紫「ええ、彼女なら元気でやってるわよ
その護衛の件も彼女に言えばよかったんじゃないのかしら?」
リューシェ「そりゃそうかもだけどね
でも、私たちは直接そちらには行けない、契約には遵守する・・・だよね」
紫「・・・それもそうね、ここで何話したって無駄ね
じゃ、翔季、秋穂・・・それと、そこの猫も、早いけど、参りましょうか」
リューシェ「猫って言うな~、ちゃんと名前で呼べ~」
はいはい、と、紫がそのままに傘を縦に振るう
すると、そこに不思議な空間が出来た
秋穂「翔季さんは初めて見ますよね・・・これ
正直私も驚きましたけど、これが―」
翔季「幻想郷への門・・・ってところかな
いいよ、なんか面白くなってきたし、行こうか、二人とも!」
秋穂は少し驚いていたが、すぐに返事を返してきた
リューシェもそれと同時に返事をし、幻想への門をくぐる
そして、それと同時に紫もその門をくぐると、閉じていった
それと同時にすべての戸が閉まった音がした
―幻想郷・上空―
まるで空を歩くかのようにゆっくり移動する空間の中
僕たちは幻想郷の全景を見ていた
たくさんの木々があり、所々に小さな村や町があり、赤い城も見える
先の方に高い山がそびえたち、まるで上から下の者たちを見下ろしているかのような威風が感じ取れた
どこに着陸するのだろうと思いながら待っていると
その返事が返ってきた
紫「それじゃ、そろそろ降りるから
そこから先は自分で頑張ってきなさいね
じゃ、どこかで会えたら会いましょう?」
すると一気に視点が暗くなった
一瞬どこかに飛んだのかと思った
だがそこで意識が途切れた―
―幻想の滝・妖怪の山滝前―
―リューシェサイド―
紫の誘導で三人バラバラに離されたらしいことを確認し
現在の状況を再度確認する
リューシェ「まず私が落ちてきたのが妖怪の山の所・・・
で、他の二人がわからないか・・・どうしようかな、守る以前の問題になっちゃったし
一先ず探す前にっと、いるかな~、丁度妖怪の山の麓に居るし・・・探せばいるかな
あの子」
くすくすと笑いながら滝の周りを散策し始めた
―???―
―陽菜架多 秋穂―
大分長い間気を失っていた気がする
気が付いたら部屋の中に居た
木製の質素なつくり、和を思わせるその作りに不思議と安心する
周りを見るが他には誰もいないようだ
どうやら誰かが此処まで運んできてくれていたらしい
荷物が隣にあるのを確認し、衣服をいつもの巫女服に着替える
誰かが着替えさせてくれていたらしいけど・・・一体誰だろ
などと考えていても始まらないので、外に出てみることにした
秋穂「わぁ・・・」
外には自然が広がっていた
広い空間に周りは竹林に覆われている
どうやらあいた部分に家を建てたような感じだ
どこかから流れてくる川のせせらぎが朝の気分に丁度いい音色を出している
誰かいるかな、と思い辺りを見回すと
?「お、起きたか」
と、後ろから声が聞こえた
こちら側に出てきたのは一人の少女だった
ただ少女というには風貌が大人っぽく、少々がさつそうにも見えた
格好は白い髪のロングで、大きな札みたいなリボンをつけている
白の上着に赤のズボン、質素ながら貼り付けている札が妙に異質感を出していた
考えていると、少女が話しかけてきた
?「・・・大体想定してはいたが
私の予想でだが言っていいか?」
秋穂「・・・はい?」
何の事だろうと考えているとすぐ言葉が飛び出してきた
?「格好はともかくとして、一応外来人だよな
紫かなんかに連れてこられた」
秋穂「紫さんを知ってるんですか?」
?「まぁ・・・な
あいつも結構有名だしな・・・迷惑な意味で
と、変な話しちゃったね、私は藤原妹紅 あんたは?」
秋穂「あ、陽菜架多 秋穂です
秋穂って呼んでください、陽菜架多だとなんか呼びづらいと思うので」
妹紅「じゃあ私の事も妹紅って呼んでくれ
その方が気が楽だしな」
秋穂「はい、分かりました妹紅さん」
妹紅「いや・・・あー・・・まぁいいや
それで、あんたはこの後どうするつもりだ・・・って言っても行く当てなんてないだろうしな~ あんた、いきなり飛ばされた口か?」
秋穂「いえ、準備期間設けられてきたのでいきなりでもそれほど驚くことは無いですが・・・でも行く当てがないのは確かですね、地理がわかるわけでもないですし」
妹紅「まぁ、そりゃそうだよな
そうだな・・・少し私に付き合ってくれるか?」
秋穂「え? どこか行くんですか?」
妹紅「人里にちょっとな、私の知り合いがそこで働いてるんだ
今日は呼ばれててな、買い出しもあるし、一緒に来てくれれば多分あいつも喜ぶと思うんだ
いいか?」
秋穂「そんなことでしたらいいですよ
私もこんなところに居てもどうしようもないし・・・
それに人を探さないといけないので」
妹紅「へ~ 人探しねぇ
神隠しにあった人かい?」
秋穂「いえ、一緒に来たんですけど、こちらに来た時に離れ離れになってしまって・・・」
妹紅「なら、私も少しは協力するよ、どんな奴だ?」
秋穂「実は―」
と、それまでの経緯と、どのような人を探しているのかを説明し、それから人里に向かうことにした
これからが、冒険の始まりである
―???―
―凪 翔季―
翔季「ぅ・・・ここは・・・?」
気が付いたとき陽はだいぶ上がっていた
来た時よりそれなりに経っている感じがある
辺りを見回してみる
が、何もない森の様だ
翔季「参ったな・・・これじゃどうしようも
せめて何かあればと思うけど・・・?
と、そこで何かの物音に気付く
何かが近づいてきてる?
そう思った瞬間に、木陰に隠れ、息をひそめる
翔季「(出来ることなら出会いたくないタイプであって欲しくは無いけど
・・・出会わないが一番・・・何とかして逃げたいところだけど)」
だが音が近く下手に動けない
隠れるときに音を出しすぎたのか、だがここは森が辺りを支配する場所
いくらなんでもここまで広いところでピンポイントで探しに来ることは無いとは思うが
と、そこでその物音は引き返していった
翔季「(何とかなったか・・・?
とはいえ、このままではどうしようもないな・・・
だけど下手にも動けないし・・・これじゃ迷子もいいところだな)」
う~んと考えていると、バッグに入って首を出していた猫がバッグから降りて周りを見回して、何かあったかのように歩いていく
そして一鳴きして、ついてくるように誘いながら先を歩いていく
翔季「ついて来い・・・って言ってるのかな?
ほかに道はないし・・・頼りにしてるよ」
な~、という鳴き声と共に歩いていく
これからどんな試練が待ち構えているのか、期待と不安、両方を持ち合わせ進んでいく
彼らの幻想の物語はこれから進んでいくのである
・・・正直言うとあまり動いていない
この後しばらくは翔季、秋穂の両面のストーリーの同時進行になると思います
では、良い幻想ライフを