幻想からの来訪者
結局幻想入りにするんだったら最初っから考えておけばよかったなとか思ったりするこの頃・・・オリジナルだけが辛くなったとか言ってみる 凪自身はイメージ固まってるからいいけど・・・それ以外どうしよとか 後で考えますけどね ではでは
帰りは何とかなりそうだった
雨は降らず、曇ってはいるがすぐに帰ることができそうだった
だけど、内心少し複雑の気持ちもある
・・・そう、あの黒猫の事だ
マンション住まいだからペットは飼えない、だから外でああするしかないが
・・・だが、このままではあの猫がかわいそうにも思えてくる・・・
主人がいるかどうかはわからないが・・・だが、あの子を放っておくわけにはいかない
一か八かだが、少し相談してみよう、そうしてからでも遅くはないはずだ
帰り道すがらあの黒猫がいるであろう公園に足を向ける
会社からだと少し遠いが、ある道場に今も通って成らしている体なら、すぐにでも行けるだろう
そう思い、足早にあの猫の待ついつもの公園に向かう
と、道中でエサを買うのも忘れない、最近よく食べるようになって少し多めにしようと考えていたのもあった・・・エサを隠すのは問題ないだろうとは思う
ただ、帰りが遅くなると、怒られるのはちょっと勘弁かな・・・
そうこうしている内にいつもの公園へと辿りつく、誰もいない閑散とした公園
あるのはブランコと泥遊び場、トイレも置かれているが・・・あるのはそのぐらいだ
木々が柵のようになっているが、所々が開いていてあまり整備されていないのがよく分かる
そんな公園に入り、目的である黒猫を探す
凪「居ないとは思うけど・・・確認・・・? あれは?」
と、視線を上げた先、トイレの上のほう、一番上の真ん中当たりに誰かが立っているのが見える
・・・あんな所に・・・人?
凪「ちょっと君、そんなところにいたら危ないよ」
とにかく、安全な所で話し合わないと・・・思った時
?「平気よ、気にしないで」
返答は有ったが、此方に見向きもしないで空を見つめている
何を見ているんだろう・・・と思ってそっちを見たとき
?「ねぇあなた・・・どうして此処に?」
少女らしい可愛らしい声で此方に話しかけてくる
暗くて姿はよく分からないが・・・13、4ぐらいだろうか
華奢で今にも倒れそうなぐらいだが、しっかりした声で此方に話しかけてきている
凪「僕はいつも此処に来ている猫の様子を見に寄り道に来ただけだよ
・・・邪魔なら今日は遠慮するけど」
?「・・・猫、ね
別に良いわ、邪魔にはならないし・・・ただ、長居しないようにね」
凪「? (気になる言い方だな)」
と、見回していると、目的の猫が見つかった
凪「お、いたいた、やっぱりこの付近をうろついてたんだね」
猫を抱き上げ、再度少女らしい影に顔を向け
凪「じゃ、僕はこれで失礼するよ
君も遅くならないように帰るんだよ」
何気なく釘を刺して、そのままその場を後にしようとして、再度振り返り
凪「あの・・・降りてこられるかい?」
?「心配無用だから、いいから早く行きなさい」
凪「う、うん、じゃあ」
そして、猫と銀皿を取ってその場を後にした
その後
?「・・・・・・す、スカートの下とか見られてないよねェ?!」
・・・無駄な心配が彼女を赤くしていた
凪、マンション10○○号室
猫を抱えたまま凪が自宅前まで歩いてきた
凪「・・・結局この子を連れてきちゃったな・・・」
なー、と猫が鳴く
仕方ないか、苦笑して玄関の呼び鈴を鳴らす
・・・が、反応がない
凪「・・・留守か?」
仕方ないか、と、懐から合鍵をだして鍵を開ける
扉を開け、中に入る
凪「書置きか、ハハ、相変わらずだな」
そこには、晩のおかずを覆うザルが置いてあり
書置きで
凪「”今晩は遅くなります“ か、まぁ、急用なら仕方ないよね」
銀皿を洗い、ペットフードを開け、猫にあげてから着替え、晩飯をレンジで温める
帰ってきて妻がいないのはよくある事だから、今となっては気にしない
凪「今日も一人・・・か
・・・いや、君も居たね」
と、隣でペットフードを食べている猫に振り向く
すると、なー、といつものように返事を返してきた
凪「さて、明日もあるし、風呂に入ってゆっくり休むかな・・・と?
・・・風が入ってきてるな・・・締め忘れか?」
風が吹く方に向かう、寝室かららしい
何かしてたのかな・・・と思うが思い当たる節はない
凪「少し冷えるし、締めてないなんて無用心にも程があるって」
そのまま窓を閉め、鍵をかける
周りを見て一応荒らされていないかを確認する・・・特に何もないようだ
そして、布団を二人分敷き、風呂を出し、皿を片付け就寝の準備を進めていた
その間、猫はソファーの上で丸くなっていた
凪「ほんとしっかりしてるな、この猫・・・
っと、やってる場合じゃなかった」
何だかんだでやっていると時間は22時を過ぎていた
風呂に入り、猫の体も洗い流した
意外なほどに水を嫌わずに素直に入ってくれたのは驚きだった
居間に戻り、テレビをつけ適当なチャンネルにして、少し本を読みふける
猫はテレビに夢中のようだが・・・
『昨今人が突然にしていなくなる神隠し事件が続いており、今朝方も行方不明者が一人現れたとの報告が―』
・・・最近多いんだよな・・・
気にはするものの、実際消えた時間帯も何もバラバラな上、帰ってきた者もいるにはいるらしいが、詳しい事は覚えていないらしくどこかに行っていたということだけは覚えているらしい
後、何日間も旅をした感じがすると、証言する者も居るほどだという
凪「・・・神隠し・・・ね・・・
そんなものがあったらと思うと・・・ちょっと恐ろしいものがあるね」
テレビは次のニュースを取り上げていたが、それ以上は耳にも入れず料理台の方に移っていた
明日の料理を作っておくため、色々取り揃えていた
凪「っと、朝飯の分はこれで、弁当は・・・っと」
テキパキと準備を進めて行き、数分
室内にいい匂いがでてきた
凪「よし、こんなもんで良いかな・・・後は冷まして冷蔵保存っと
後は、洗濯物は洗いに掛けたからいいとして・・・よし
さて、じゃ、今日は休むとするかな」
そしてその日は終わりを告げた
深夜刻―
『眠ったようね』
空間が歪み、奇妙な扉が開く
そこから一人の少女(?)が現れる
『そこ! 少女のくくり方間違ってない?!』
失礼、八雲様
紫?『全く、世話の焼ける
ま、私は楽しむだけだから良いけどね』
「待ちなさい、彼をどうするつもり!」
紫?『あら、まだ誰かいたのね
アナタも何か持ち合わせているのかしら?」
背後を見るといつの間にか開いていた窓、そしてすぐそばに立っている少女が一人
紫?も同じく扉から地に降りた
少女は巫女服を着ていた、上が白、下が赤の基本的な巫女服だ
黒髪を肩辺りから白い布で髪をまとめている、恐らくだが相当髪は長い
年齢は、見方にもよるが、普通に見て17,8ぐらいであろう
背は女性にしては高いほうで、容姿は巫女服で若干隠れてはいるが相当いいスタイルはしているのだろう
そして、一番彼女を強調をするのはその札が大量に入った左腰にかけたケース
まるで何かの念が渦巻いているかのごとく、おびただしい気が漂っている
ただ、一般人には分からないほどらしい
「私は陰陽の巫女、今回の神隠しの件で探りを入れていたの
そしてこの人の前に現れたアナタ・・・何をたくらんでいるの」
紫?「企むなんて、私はただ楽しみたいだけよ」
「本当に・・・本当にそれだけの理由でたくさんの人達を行方不明にしたっていうの!」
紫?「そうね・・・ねぇ、アナタ 異端者ってわかるかしら?」
少女に問いかける 少女は答えず首を縦に振る
紫?「分ってはいるみたいね
なら、今この頃起きている事件・・・そして彼等がもどって来た時に違和感は感じなかったかしら?」
「・・・・・・」
少女は答えない、いや、分からない
この人は何のことを言っているんだろう、大体異端者なんて・・・人を異端児みたいに呼んで・・・それにこの人・・・
「異端者って何、意味は分かるけど・・・それじゃまるで彼が人間じゃないみたいな言い方じゃない!」
紫は溜息を一つ、そして上をさして
紫「こんなところで話し合っては迷惑ね、屋上へ移動しましょ」
その一言に同意し、少女は紫とともに屋上へ向かった
マンション屋上―
紫「さて、まず自己紹介からね
私は、[八雲 紫] アナタの言うとおり、神隠しの一部の現犯よ」
「一部?」
紫「アナタ、名は?」
「・・・・・・」
紫「話してくれないと喋りづらいでしょ?」
「・・・陽菜架多 秋穂」
紫「珍しい名前ね~、私達の世界でもそんなに長い苗字のこは早々いないわ
・・・所で、そこで話しを聞いているアナタは何かしら?」
屋上の上、はしごを上った先に小さな影がある
先ほど凪と会っていた少女だ
少女は自分の姿を隠そうとはせず フリルのワンピースという雰囲気に違和感のある衣装でこちらに降りてきた
「異端者呼ばわりか・・・悪くわないかもね」
秋穂「あなたは一体・・・」
「あ、そっか、あなた達は自己紹介したけど私はまだだったね
わたしはリューシェ、訳あってこっちの世界に入り込んできた・・・まぁ
あなたの言うとおり『異端者』だね」
何処からもってきたか分からない猫耳をつける・・・いや生えたと言った方がいいかもしれない
リューシェと呼ぶ少女が次に驚くべき行動をとった
リューシェ「まぁ、凪 翔季君が異端者で目をつけてたのは私だけじゃなかったみたいだし・・・手をだすの止めようかなと思ったけど・・・八雲さんがいるんだったら
ちょっと力出しちゃおっかな」
彼女の周辺に冷気が発生し、一気に周囲を包み込む
そして、次第にそれが辺りを完全に凍らせる
・・・が次の瞬間、それが溶けた
リューシェ「と、思ったけど、流石に私程度の能力じゃ勝てないし・・・
とっとと持ってちゃってよ、その娘も狙いだよね?」
微笑むように言葉を吐く白猫のような悪魔
秋穂は身構える・・・だが
紫「ふぅ、今はやめておくわ
だって、あなたもついてくるのでしょ?」
リューシェ「勿論! だって大勢の方が楽しいでしょ?
それに向こうは対戦上等だってきいたから、楽しめるかな~って」
紫「尚更却下したいけど・・・
そうね、一週間ぐらい猶予をあげるわ、その間に準備をするなり凪という子に知らせるなりなんなりするといいわ
ただ、一つ忠告しておくわ」
紫が持っていた傘を縦に振るう、すると空間が歪み、扉が開く
そして、こちらに向き直り人差し指を出し
紫「下手に逃げようとかは思わないで、どんな所にいても必ず連れて行くから
・・・あくまで準備期間を設けるだけだから、その間はお好きなように
じゃ、私はこの辺で」
紫がそのまま扉へと入る・・・そして消えていく
何も言わずそのまましばらくそこにいると、白い猫が話しかけてくる
リューシェ「ま、深く考えないでいいと思うよ
別に危険・・・ではあるけどね
でも私は君たちを守る目的で同行するから・・・それまではさよならかな
またね」
笑顔をそのままに屋上から飛び降りる、瞬間彼女の姿が消えた
下を見てももう彼女の姿が見えない・・・どこかへ行ったのだろうか
秋穂「・・・帰ろう、明日彼に話しをしておかないと」
そうして彼女も帰路へついた
翌朝
凪のところへ一通の手紙が届いていた
それは凪の祖父が営んでいる道場へ来いというものだった
その手紙が示すものはなにか
異端者と呼ぶそれがなんなのか、今の凪には手紙の内容を知る手掛かりは何もなかった
次へ
・・・秋穂さんのイメージができていません(ぇ
幻想郷メンバーは何気に書きやすくていいです(だからなんだw
さて、まだ現実側が続くのでしばしお待ちを