幻想対談・自分とこれからと
時の焦燥、早まる時間に、遅延する時間、世界にはそれぞれの時が流れ憩う
故に現実と幻想の時間の差に惑う者もいればそうでないものもいる
それらが憩う幻想の地にて我らが集うのは不安故かそれとも・・・
リューシェ「なれど我らは現実に縛られることなく、故に現実に縛られ、幻想を思う・・・ね、幻想の世界にいる私からしたらどれも何も全部が本当でどれもが嘘だけど
文さんだったらどう思う?」
と、隣の文屋に話を振り、幻想を語る二人が骨董屋にて待ちぼうけ中・・・
文「その件は私には何の用も無い話なのですよ~
むしろ早く空を飛びたいのですよ・・・地を這うのは取材の時と食事時と寝る時位で十分なのですよ・・・大体待つのは性に合いませんから・・・と
来られたみたいですね」
リューシェ「・・・二十分遅れだね・・・ま、あれだけあれば仕方ないか」
丘の上にある香霖堂、その道に至るまでの道のりは多々あるものの、早めに抜けるには
魔法の森を抜けて向かうのが最も早く、的確だ
だがその反面危険も多く、無事につけるものはあまり居ない
実際、遠回りに来るか、空を飛んでくるものばかりで、普通の人間が此処に来ることは少ない
事実、今来ている者も、人間とはいえ、妖怪の案內で来ているものだ
普通に来れるものなど早々居はしない
けれど彼らは紫の案内で来たようなものだ
普通でないのは当然、何かしらの力を持っているのだろう
そう思いつつも、お茶を用意する店主がいる
霖之助「やれやれ、今日はお客が多いね・・・
いらっしゃい、歓迎はしないけど案内はするよ」
店主らしき人が店内へと手招きで案内する・・・とそこに目的の人物がいた
翔季「・・・やぁ」
リューシェ「随分な挨拶ね・・・ま、お疲れ様とでも言っておくかな
ま、お茶でも飲みながらゆっくりするといいよ」
霖之助「出すのは僕なんだからな・・・」
ははは、苦笑しながら居間の場に着く
現状において起きたことをあらかた話合う事にした
そして
リューシェ「ふ~ん、そっか・・・花々の主にあって、闇の少女と戦って・・・か
やっぱりそう簡単には能力は出てこないか」
そう言ってこちらに何かを差し出すように手招きしてきた
何だろうと思ってみると
リューシェ「手、出して」
翔季「? あの、意図が読めないんだけど・・・」
それに、まだ黒狼からあの時の詳しい話を聞いていない
何故あんなことを起こせたか・・・とか色々
一先ず両腕見せてほしいらしいから見せてみると
リューシェ「・・・ねぇ、式神・・・というより黒狼?」
黒狼「どうした?」
リューシェ「これ・・・相当難が必要だと思うんだけど
どう考えてるつもり?」
黒狼「なる様にしかできないだろう
第一、お前らと一緒にいたときは開眼環境が良いからすぐにでも出来るだろうが・・・
この場の環境はともかく、先ずは数日かけて知を入れ込む必要性がある
その後に二、三日の物理訓練をして、同日間精神訓練
大きく見積もって、2週間、早くて一週間・・・半ばくらいか」
リューシェ「やっぱり地道に行くとそうなるか~
・・・でも秋穂ちゃんの方は早かったよね・・・なんで?」
黒狼「状況次第が状況だった・・・としかいえないな
第一、開眼状況が一番近かったともいえるしな・・・とはいえ
秋穂」
秋穂「え・・・っと何かな?」
黒狼「ほかの札の召喚、及び、付加は試してみたか?」
そう言われて、机の上に何枚かの札を置く
それぞれこちらでも読めるぐらいの文字で色々書かれている
机の上に並べられて札は全部で12、すべて違う字が書かれている
それを見た黒狼が
黒狼「これだけ出来る様にしたか・・・良くやる間があったな」
そう言われて反論するかのように怒鳴りつけるように言った
秋穂「そ、それは貴方達が勝手にいなくなったから探すために仕方なく・・・
大体、結界に入れられても少しぐらい霊力よこしてくれたっていいと思うんだけど
第一、せめて結界に入るんだったら一言ぐらい言ってくれないと余計心配しちゃうじゃない
・・・全く、なんでこんな式神が私の所の守護神してるんだろう・・・」
ハハハ・・・確かにそうかも・・・
などと話していると文さんが聞きたそうに見てきた
翔季「・・・えっと、文さん・・・?」
文「あ、話してもよろしいでしょうか?」
一度リューシェさんに目配せして考える
するとすぐに答えが来た
リューシェ「式神とかで聞きたい事があるんでしょ
いいよ、私も少し考えることがあるから、少しはそっちで気になること話しておいて
私は私でトレーニングとか考えとくから」
トレーニングって・・・あの・・・
少し考えて諦めた、またあのルーミアみたいな子が来るんじゃないかって思いながらこっちで話を進めた
話によると、こっちに来て秋穂さんが得た力は大きく分けて二つ
一つは召喚する力、そしてもう一つが付加する力、という物だ
その二つは札を媒介にして行うものだけど・・・代替的に使うことになる
そして消費するのは
黒狼「基本的には人の生命力の根幹にある【霊力】だ
まぁ、これは魔力と同等にとらえて貰って構わないだろうな、ただ消費しすぎるのは問題な上、命にかかわる問題になる・・・だから」
そこで札入れに入ってる一つの札を秋穂さんの腕に、腕輪になる様に回しつけた
黒狼「命鈴符・・・いわゆる危険を知らせるものだな
このタイプは色によって程度が変わる、まぁこれはゆるい青色の奴だ
その日に扱う限界限度はゆるいからある程度扱うとそれが鳴る仕組みになってる
それ以上扱おうとすると・・・」
秋穂「・・・すると?」
そこで一息入れて答えを啓示した
黒狼「まぁ、簡単に言えば体がだるくなって動かなくなるな
無理に動かそうとしても無理だろう・・・そもそも人って言うのは気と霊から力を得ているようなものだからな、その中に魔力やそのほかの力を自分の知恵として得ることで力の行使の仕方を覚えたり・・・と、まぁ、どの世界でも人は頭に入れたやり方で何でも出来てしまうのが怖い所だな
その辺、俺達、式とは違う所だ」
秋穂「・・・そんな事はないと思う・・・けど」
文「そうですよ、私なんて天狗の妖ですけど魔法も何もできませんもん
第一そんなのに知恵入れ込むぐらいなら記事を書いていた方がよっぽどいいですよ」
翔季「文さん・・・フォローになってません・・・」
あやや~、とそんな風に話し合っていると別の話題を黒狼が振ってきた
黒狼「そうだ、翔季 お前、あの時の状況詳しく聞きたかったんじゃないか?」
翔季「あの時・・・?」
黒狼「闇の妖怪が何で擦り傷だけで済んだのか・・・だ」
翔季「あ・・・そういえばなんで」
鈴仙「それは簡単な話ですね
・・・というよりなんでそう言った事を知らずにこちらに来られたんですか?
確か慧音さん達と一緒にいましたよね?」
そう言われそれぞれ顔を見合わせ一言
三人「いや、こっち来たの三日前だし・・・」
鈴仙「・・・そ、そうですか」
翔季「そういえば、鈴仙さんには詳しい話してませんでしたよね」
鈴仙「はい、師匠に言われて同行するように言われましたので・・・
今の時期は特に患者が少ないからって言われましたから
それに忙しくなったらてゐが呼びに来るって言ってましたから」
と、そこでいったん区切って
黒狼「話題を戻していいか?」
鈴仙「あ、すいません、途中で入ってしまって・・・
でも、妖怪のキズが早く治るのは、多分、この世界に則った戦闘を行ったからではないですか?
弾幕ごっこ・・・確か話は聞いて知ってるんですよね?」
弾幕ごっこ・・・話は聞いたことがある
妖怪や人が出すエネルギー体・・・及び気や魔力などを弾として放ち、それを魅せる様に
打ち出すごっこ遊びだと・・・けど
翔季「それは宣言しないと成立しないんじゃないんだっけ?
たしか、スペルカード、もとい弾幕、と定義されたものでないとダメージが大きいって書いてあったけど・・・」
それに、幽香さんが打ち出した弾は・・・殺気に満ち満ちていた
あんなものに触れればどんなことが起こるか分かったものじゃない・・・と
そこで鈴仙さんが一つのものを出した
鈴仙「弾幕ごっこ、と一言で言ってもそのやり方はそれだけでさまざまです
例えば私の出すこの弾は攻撃性を持ちません・・・触れてみてください」
と、目の前に浮かんでいる銃弾型の弾をふれてみる
・・・消えずに維持され続けている・・・それに
翔季「物質として触れるより・・・なんだろ・・・
水に近い感じかな?」
黒狼「そうだろうな、気や魔力、妖力なんかはいわゆる貯水槽に溜まった水の様なモノだ
人によってその大きさは違うが・・・まぁ、秋穂はそれなりの大きさだ
小さい頃からの鍛錬が良く器になってると言ってもいいだろうな・・・これは凪
お前にも言えることだ」
唐突にこっちに振られて、少し驚く・・・がすぐに次の言葉が来た
黒狼「気力や霊力の総量で言うなら、霊力は秋穂、気力は凪・・・どっちもほぼ同量ではあるが、霊と気を両方扱う秋穂は上がり幅が微妙なんだ
だが凪、お前は気力の伸びが非常に高い、反面霊力、魔力には全く向かない
妖力に関しては、元々人が持つ力ではないのは名を聞けば分かるだろう?」
そこまで聞いて、ある程度の事は分かってきた
黒狼「さて、ここで問題だ
人が妖力を持てないことについては・・・まぁ、分かるよな?」
文「一部例外は有りますけどね~」
・・・えっと・・・まぁ、妖力は妖怪の力、つまり妖怪の生力みたいなものだからそれは分かる・・・けど
翔季「あの、文さん、妖怪の力を得た人間って・・・」
黒狼「凪、人が聞いてる最中に他の事を聞くのは良い事ではないぞ
・・・さて、では、先ほどそこの鴉天狗が言った様に、人に妖力を入れ込む、及び得る方法がある、それは大まかに分けて三つほどある・・・何かわかるか?」
入れ込む・・・何か嫌な言い方だけど、多分ヒントでもあるんだよね
秋穂さんの方は分かってるのかな・・・
と、考えているともう解答が出来ているのか口を開き始めた
秋穂「入れ込む、というの以外ならおそらくこの世界における妖力の得方は多分分かります
・・・大きく二つ、一つは妖怪たちの信仰を受け、力を自分のものとするやり方
もう一つは・・・努力の類ですね、魔や霊、双方を努力で習得できるようにまた妖力も同じく、妖怪たちとの交流とやり方次第で得ることが可能だと思います
・・・違いますか?」
黒狼「ふむ、やはり巫女の努力を欠かさなかっただけは有るな、大方当たりだ
・・・凪、分かったか?」
翔季「えーっと・・・つまり、それは・・・」
黒狼「簡単に言うと、だ
お前はすでに接敵、つまり妖怪の一人や二人と会話、及び戦闘をこなしている
この時点でお前はなんらかで少量なれど妖力を得ているということになる
つまり何を言いたいかはわかるな?」
そこまで言われて分からないと言うと、頭の整理が出来てないとしか言えないと思う・・・
けど、僕はそこまで頭が回らないほどじゃない・・・つまり
翔季「能力を覚醒させるためにこれからも多少の危険を承知で妖怪との接触を多くしろ
・・・そう言いたいんだよね?」
そう話すとリューシェさんからあることを言ってきた
リューシェ「確かにそうやって自分から危険に飛び込むやり方もありだと思うけど
一番的確なやり方があると思うよ・・・ね、黒狼」
そう言って、一枚の紙を渡してきた
リューシェ「さっき貴方達が話してた事を考えて訓練法を考えたの
これをすれば多分能力習得にはそんな手間はかからないよ・・・黒狼、手伝うよね?」
黒狼「要はこの男の特訓に付き合ってやればいいのだろう・・・どのくらいかかる」
少しの熟考・・・そこから発された言葉にこの世界の住人である三人が驚きを返した
リューシェ「そうだね・・・人里で一晩明かしてから始めて・・・
人里から紅魔館・・・魔法の森経由でいって湖を迂回して紅魔館まで行って一旦休憩、そこから妖怪の山方面まで一気に突っ切る経路で守矢神社まで山登りする形で走り込んで・・・そうだね、そこまでを三日で行こうか」
黒狼「妖怪の山・・・あの高い山か・・・
紅魔館と言うのはどういう所で何処にあるんだ?」
リューシェ「ああ、紅魔館は―」
二人「ちょ、ちょっと待ってください!」
霖之助「二人ともそんな経路で休憩はどうするつもりだい?!
大体、安全な所を全く通ってない上にまるで走り込みでもするかのような言い方じゃないか
・・・一体何を考えて・・・それに、紅魔館で休憩って言うのはどういう・・・
大体、彼は僕たちと違って普通の人間じゃないか、何をそこまで強制する様な事を・・・」
それってどういう事なんだろうな・・・と少し考える
今まで寝ずに鍛錬したことは小さい頃に何度かはあったけど・・・それよりもきつい事・・・なのかな
と、考えていると鈴仙さんが話しかけてきた
鈴仙「えっと、多分鍛錬の事ではなくて、紅魔館で泊まることに不満があるんです
・・・あそこは何かといわく付きですから」
翔季「えっ? そんな館なの・・・?
幽霊屋敷とかなんかあったりするの?」
鈴仙「逆にそんなんだった方が良かった気がしますけどね・・・
向かうのでしたら十分に注意してください
あそこの主は何を考えているか分かりませんから」
文「あははー・・・三日間分休暇貰えてよかったと思いますです・・・
正直あそこのメイドも相当な曲者なので少しぐらいの説得なんてもの出来ませんから・・・
特に私とある魔法使いは」
翔季「? 魔法使い?」
文「あ、こっちの話なのですよー」
何かよくは分からないけど、そんな危険な所に向かうなら相当な準備が必要だ・・・それに
翔季「その訓練をしても能力が発現するかどうかは分からない・・・ですよね」
リューシェ「まぁ、そればっかりは貴方の思う気次第だし・・・状況によるかな」
黒狼「ああ、まぁ、そうだな
こればかりはお前次第だ・・・本当に強くありたいと思うなら、常に上を目指せ」
う、うん、そう返事したは良いけど・・・
少し不安はある
翔季「・・・あの、一つ質問だけど」
リューシェ「陽菜架多さん達には先に妖怪の山に向かってもらうよ
私が護衛についていくから・・・優曇華は先に紅魔館に行ってもらえるかな?」
鈴仙「優曇華って言うのやめて貰えませんか・・・?
それはともかく、明日の晩辺りに紅魔館へ向かえばいいんですよね?」
リューシェ「うん、それでお願い・・・さて
大体向かう先はまとまったかなー 後は凪君の能力発現だけだし
私は明日に向けて準備してくるから・・・あぁそうそう
別に食材とかそういうのは持ってこなくていいからね?
こっちで休憩地点決めて適度な休憩は取らせるから
あとは・・・いいかな?」
確認事項は以上でいいかな・・・
秋穂さんも次の目的地は決まったみたいだし、僕も僕で向かう先は同じになるみたいだし
一先ずは地理を知るのも含めて明日の戦闘に備えて体を休める・・・のがいいんだけど
翔季「こんな話するぐらいならわざわざこっちに来なくても良かったんじゃないかな
・・・確かに妖怪について詳しく知る為に歩く必要性はあったとは思うけど・・・」
リューシェ「確かにそうだね、だけど私がこっちに呼んだ本当の理由は・・・
これだよ」
布に包まれた一本の棒を投げ渡された・・・これって
翔季「・・・刀・・・?」
リューシェ「そ、武闘の系譜として刀や剣の扱いも心得てるでしょ?
だからそれが役に立つんじゃないかなって・・・それにね、それ
ただの刀じゃないから、ふつうに振ってもいいだろうけど・・・あなたの得意武闘を見せてあげてれば・・・多分応えてくれるよ、その子・・・結構偏屈だけど良い子だから
・・・ね?」
翔季「いや・・・ね? じゃないと思うんだけど
って言うか刀の形をしてるだけ・・・なのかな、これ」
布から出した一本の刀
紛れも無いソレを鞘から抜いてみる
そこには明らかな刃があり、また紋様は炎の様な波を打っていた
生きてるように見えるそれを一振りし、鞘にしまう
そして疑問を出してみる
翔季「見た感じもそうだけど、振ってみてもあまり変化ないね・・・この刀
何かあるのかな?」
それに対し微笑しながら答える猫
リューシェ「何にもないようなものは渡さないよ私は
それにね、普通の刀や棒なんかは私達が使ったらすぐに割れて使い物にならなくなる
だから私はそれらの力に耐えうる武具を探し、作り得ている・・・けど
そう言った力ある武具は大体が神話におけるもの・・・謂わばロストテクノロジーによって作られたものと言うのが一番近しい物って言える
多分その刀もその一つ・・・恐らくだけど神器か妖刀の類かもしれないけど、ね
あ、ちなみに私は武器を使ってないからね・・・後で貴方に私の能力を見せてあげるから・・・修行でね」
そうして少し間を開けて、次にやる事を決めた
翔季「一先ず、人里に戻ることにしよう
これからの事も少しずつ明らかにしていけばいいから・・・まずは目の前の修行を何とかしよう」
秋穂「だよね、頑張って、翔季さん」
翔季「うん、秋穂さんも無事にね?」
イチャイチャ
霖之助「・・・いいから早く帰ってくれないかな・・・
家はイチャイチャするところじゃないんだから」
リューシェ「ごめんねわざわざ寄りかかっちゃって
すぐ出て行くから」
霖之助「だったら人里で用を済ませてよ・・・ったく」
そう言って本を読み直す店主
先ほどから読んでるページがあまり進んでいない様子
なのでこっちも早くお暇することにした
翔季「それじゃ、お邪魔しました」
「それじゃね~」
霖之助「はいはい、またね」
そう言われ立ち去って行く
そうしてこれからの事が実行に移された
文さんは妖怪の山に行き、鈴仙さんは僕と一緒に街へと帰る
リューシェさんは一度紅魔の館へと向かい、黒狼はこちらの体調を見る
皆が皆それぞれのすることをしよう・・・やる事は・・・これからだ
そうして、僕たちは、いったん戻ることにした
これからの為、成すべき事をするために・・・
・・・次へ
前から結構経った気がする・・・
今回は他の人達との会話だけでしたが・・・まだ不安な部分が有ったり
やっと大きく動き始める所ですね
さて、では今回はこの辺で・・・また次回




