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第捌章

『上京物語』を読んでから、お読み下さいm(_ _)m

※リンクしています(゜д゜)!

21:00・・・


病院の消灯時間の時間のため

ナースステーションや誘導灯などの一部を除いて

病院内は暗闇に包まれる・・・


家に居るときはいつも

夜遅くまで起きているので

こんなに早く寝ることは出来なかったが

後1日だけと思うと納得できた


隣のベッドの

いびきと歯ぎしりが

激しい、おやじに悩まされることも無くなる

明日からは安眠できる


大島大介は目を閉じると

自然と眠りに落ちていた・・・


どの位眠っただろう

夜中に目が覚めた

薄明かりの中

壁に掛かった時計を見ると


1:46・・・


別にトイレに行きたくて

目が覚めたのでは無く

隣のおやじの、いびきが五月蝿うるさくて

起きた訳でもない

誰かに起こされた感覚だった・・・


その時・・・


身体が勝手に動き出す

誰かにあやつられている感じだ


大島大介はスリッパも履かずに

裸足で歩き出す


「どこに行くんだ?」

自分の身体に問う


そのまま病室を出て廊下を歩いて行く


途中ナースステーションの前を通る

看護師が数人働いている

作業を黙々と、こなしているが

看護師からは大島の姿は

見えているはずだ

しかし誰も大島には気付かない


「助けて!」

大島は叫ぼうとする

しかし声が出ない

必死に声を出そうとするが

口が動くだけで

声を発することは出来なかった


そのままナースステーションの前を

通り過ぎてしまった


そして階段を上がって行く。

大島は屋上へと向かっていた


屋上へ出るドアの前まで来た

ドアには鍵が掛かっていたが

大島がドアノブを回すと

簡単に開いてしまった


屋上へ出ると

満月のためか妙に明るく感じる


大島は必死に、こらえようとするが

こらえられない!

何か得体えたいの知れない強力な力で

前へと進まされて行く


大島は全く抵抗することが出来なかった

そのまま何物かに操られ

ついにフェンスを乗り越えてしまう


屋上のふちに立つ

もう目の前には屋上の床は無い

眼下に見えるのは

何十メートルも下の

駐車場のアスファルト・・・


ここから落ちれば確実に死ぬだろう


大島は最後の力を振り絞って後ろに下がろうとする

しかし、そんな事は許されなかった


その時

背中を明らかに人間の左右の手で押された


大島は無力だった

何も出来ずに

アスファルトに向かって落ちて行った


「ドスッ!」

鈍い音が聞こえる


首と左腕は折れ

頭部から大量に出血

損傷が激しく死は確実だった


だが大島は、まだ微かに息があった


そこへ

誰か近付いて来る


虫の息の大島は

異常な物を目にする

それは・・・


首と左腕が無い

アニメのキャラクターのフィギュアを持った

小柄でメガネを掛け長髪で細身の男・・・


その男は大島を助ける訳でもなく

ただ大島を見つめ不気味に微笑んでいた


その光景が大島が最後に目にした物だった

そして大島は息を引き取る


これが大島大介の最期だった・・・


『オ マ エ ラ ミ ナ ゴ ロ シ』





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