第肆章
休み明けの月曜日・・・
大島大介が通う小学校
5年生の教室
地方の過疎地域の
学校なので
1学年1クラスずつだった
1時間目が始まる時間なのに
担任の小島宏和が来ない
授業開始時間から
5分程過ぎても先生が
来ないためクラス中が、ざわつき始めた
その時、誰かが教室のドアを開ける
小島先生では無く、里谷先生だった。
生徒達は大人しく自分の席に付く
しばらくの沈黙の後
里谷先生は、おもむろに口を開いた
「小島先生が亡くなりました。」
教室の中は静かだった
日曜日に友人と山に登り
そこで滑落したということだ
その友人によると
崖から下を覗き込んでいる時に
誤って転落したそうだ
だが不思議に思うことがあると言う
「小島は崖に近付く様な事は
今までしたことが無い」と・・・
警察の調べによると
遺体は、うつ伏せに倒れており
全身打撲、頭蓋骨骨折
頸椎骨折、左腕骨折
前田明の死因と全く同じだった
小島宏和は尊敬されていた訳では無く
逆に馬鹿にされていたので
生徒の反応は冷ややかだった
大島大介・柏木蓮・渡辺義男の
3人もこの件に関して
別に何とも思っていなかった
里谷先生の話など
ほとんど聞いていなかった
しかし大島達は知らなかった
小島宏和に
あの日あの手紙が
届いていた事を・・・
この事故は大島達3人と
無関係では無かった
これから起こる惨劇を
この3人は知る由もなかった
復讐は始まったばかりだ・・・
大島大介は今日はどんなイジメを
しようかと窓の外を眺めながら考えていた。
里谷先生の話は、まだ続いている・・・