第参章
大島大介が学校から帰ると
家には誰も居なかった
リビングに行くと
数通のハガキと手紙に混じって
大島大介宛の手紙があった。
普通の白い封筒だ
表には住所などは書いておらず
「大島大介」とだけ書いてあった。
封筒の裏を見て大島大介は驚愕する
そこには
「前田明」と書かれている
「まさか、そんなはずは・・・」
恐る恐る封筒を開ける
中身は異様だった・・・
真っ黒な便箋が1枚入っている
そこに真っ赤な文字で
こう書かれていた
『オ マ エ ラ ミ ナ ゴ ロ シ』
その文字は濡れていた
思わず手紙を落とす
「あいつは死んだはずだ!」
その時
誰かの視線と強烈な殺気を背後から感じた!
振り向いたが誰も居ない
姿見が大島大介の姿を映していただけだった
誰かのイタズラに違いない
それしか考えられない
そう思い込むようにした
そう思わなければ
小学5年の大島は
恐怖で、おかしくなりそうだった。
翌日・・・
柏木蓮と渡辺義男が
大島の所に届いた手紙と
全く同じ物を
学校に持って来た
便箋に書かれた文字は
まだ濡れている・・・
3人は、この状況を
理解出来なかった
同じ日
この手紙を受け取った人物が
もう1人居た
担任の小島宏和だ
前田明が死んでから
1週間が経った
雨の日の出来事だった・・・