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人生に絶望していたら異世界のデスゲームに巻き込まれました~ヤンデレ悪魔を召還したので、最期まで楽しもうと思います!~  作者: 雨宮 叶月


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怖い微笑み

 その後ろ姿と髪質で誰か分かった。橋田酔(はしだすい)。女子に意外と人気がある男子だ。


 ちなみに私も橋田くんは良い人だと思う。まず顔が良い。あと声が良い。あ、髪質もサラサラで羨ましい。あとは……顔が良い!大人しめだが声が良い。


 私はちょっとだけためらった。すると、ディーが橋田くんとパートナーに向けて素早く氷を出した。氷に包まれて固まる。消えた。


 私は恐る恐るディーのほうを見る。ディーがにこっと微笑んだ。


「伊澄は俺だけ見てて?」


 怖い。その目に何の感情が宿っているのかと思うと。いや、違う、浮気じゃない。私はディーのほうが好きだから。


 そんなことを思いながら見つめ合っていると、ドタドタと足音が聞こえた。そして一人の男子が現れる。


「あぁ……ごめんなさいっ!!!」


 そのままスライディングで私たちの間を通り抜けようとする。パートナーはいない。キルされたか。


 西川拓(にしかわたく)。野球部の男子。運動神経がとてつもなく良い。


 しかし、私たちが西川くんを逃すはずがなかった。二人同時に構え、発砲する。


「うおっ!」


 でも避けたようだ。西川くんはそのまま下駄箱に隠れて待機する。


「くっそ!人の少ない校舎で全力で走ってみようと思っただけなのに!詰んだ。」


 何その理由?でもこれで終わりだとはよく分かってるじゃないか。


 ディーと頷き合って、反対方向に走り出した。でも私は、そう見せかけて真ん中に向かって走る。だって真ん中がら空きだし、多分西川くんもそこを狙う。


「うおおお!」


 ……予想的中。でも西川くんも良い人なんだよな。


 ごめん、と冷たく心の中で思いながら連射した。連射は疲れるからあんまりしないけど。そう思っていたらディーのいる方向からも銃弾が飛んできた。


「無理ゲーだって……」


 西川くんがしゃがんだタイミングで私も撃つ。西川くんは苦しそうに絶叫して転がった後、消えた。


「やった?」


 ディーが駆け寄ってきた。その言葉は絶対「殺った?」だと思う。


「うん。」


 私は空を見上げる。空はなんとも不思議な色をしていた。


「あと何人いるかなぁ」

「ふふふっ、今ここで俺たち二人きりって可能性もあるよ?」


 確かにそうだね、と言おうとしたその時、空の色が白く染まっていくのに私は気付いた。


「ねえ………ディー、空の色、私の見間違いかな。」

「いや、俺も違って見える」


 視界の空がすべて白く染まると、今度は周りのものもゆっくりと白く染まっていった。


「え、怖い怖い!」

「もしかして……今俺たちしかいないってこと?」

「それはあるかも」


 ぼーっとしていると、体がふわっと浮いた。景色が一瞬で変わる。


 ……転移先は、大聖堂だった。ファーストが拍手しながらこちらに近付いてくる。拍手の音がやけに大きく聞こえる。


「いやぁ、素晴らしい!このような結果になったことなど一度もありませんでした!」


 それ、褒めてるの?でも私たちは素晴らしいと思う。


 ファーストが一礼した。


「失礼しました。成瀬伊澄さん、ディオラルさん、貴方達が最後の生存者です!これ以上はゲームが進まないと思い、こちらに転移させました。これにて第一ゲーム、アサルト・スクール終了です!痛みに苦しんでいた皆さんをこちらに召喚しますね。」


 私は困惑していたが、ファーストが指を軽く回すと、床にたくさんの棒が現れた。ちなみに比喩表現である。


「ああああああ!」

「終わっ……た……?」

「うぅ……辛かったよぉ……」


 誰もが床に這いつくばっていた。例外は天使のルア。床に手をついてぼんやりとしている。


「はいはい、皆さんお静かに!じゃないともう一度苦しみを味わせますよ!」


 ファーストの一言でみんながしんと黙った。震えながらファーストを見上げている。


 やがて視線が私とディーに向いた。なぜ殺したのかと憎む目。でもこの苦しみがずっと続くのを止めてくれたのかもしれないという複雑な目。この二人は一体何なんだという困惑の目。もしかしてこの二人が生存者?そんなことありえない、という見下す目。


 どれも私は慣れている。でもなんだか胸に苦い味が広がったような、注目されて嬉しいような。


「今回生き残ったのはこのお二人!では願いを一つだけ叶えます。さて、何を願いますか?」


 ……血まみれの私たちに注目されても困る。


「ディーは何願いたい?」

 私はディーに小声で聞いた。


「伊澄とずっと一緒にいたいけど……このデスゲームが行われてたらそれは叶うから伊澄が願って。」

「えぇ……」


 私もない。死なせないでくださいとかいらないし。


 そんなことを思っていると、私はひらめいた。あ、私天才かも。


「じゃあ。今からすべてのデスゲームが終わるまで、私たちの願いを全て叶えてください。」


 ざわっ、と空気が揺れた。どうだ、これが頭の良さの違いだ。


 具体的とも抽象的ともいえる。でもこれが確認されたら、私たちは最強になれるわけだ。


「えぇ……それは斬新な願いですね。………良いでしょう!叶えられない願いもあるとは思いますが、基本すべて叶えます!」


 さらにどよめきが広がる。

 ああ、この注目が心地いい。


 私がニコニコとしているのを見てディーも微笑む。


 ファーストが手を上げた。


「では、第一ゲームが予定より早く終わってしまったので……第1.5ゲームを行います!」


 第1.5ゲーム???何それ。



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