覚醒
祝第一話‼書くことないので、このまま本編どうぞ。
魔法陣の読み取り…完了。
転生先を異世界とする...。
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「っく。うぅ。」
彼、恢斗は立ち上がる。
「大丈夫?レオン。」
レオン?あぁそうか、転生には成功したか。恐らく今生での名はレオンなのだろうな。
「あぁ。」
(「能力転写」)
取り敢えずは彼女のデータベースを確認しておく。どうやら、名前はリリィ=アルデント。職業は…魔術師?魔法ではなく魔術を操るのか。よくわからないが、この世界での常識がこれなのだろう。
「取り敢えず村へ行きましょう。何があるか分からないわ。」
「分かった。」
能力も引き継がれているようなので、今生でも問題なさそうだな。
村へ到着すると、そこは…何というか、本当に異世界を彷彿とさせる村だった。その日はそこに宿泊して、村長に色々この世界について聞いてみた。
「村長さん、すみませんが、この世界について教えてくれないでしょうか。僕はまだまだ子どもですし、あまり理解していないので。」
「そうじゃな。あと、村長と呼ぶのは止めてくれ。ローレンで構わない。」
「分かりました、ローレンさん。」
「この世界は…魔術が跋扈している世界じゃ。知っての通り、職業は魔術師、聖将、治療術師が存在している。因みにそれぞれの中にも位があるんじゃ。一番下をEクラス、一番上をSクラスとしておる。そして、更に言うと、この世界には最強の「十傑」と呼ばれる者達がおる。こやつらはSクラスの中でも屈指の強さを誇る者ばかりじゃな。儂は十傑の七席だ。」
「そ、そうなんですか?」
「ああ、職業は聖将じゃ。」
驚愕する。何故驚愕したか、読者たちは予想できただろうか。それは…この人を能力転写に当てた時に、弱すぎたからだ。この世界は退廃しているのだろうか、と感じるほど弱かった。まぁここでは言及しないが。
「まぁ儂より強い奴らも6人もおるがな。で、この大陸、所謂イェルド大陸には、絶対的な力を持つアルビナ帝国があるんじゃ。まぁ政治的なことじゃから、そこまで気にせんでもいいだろう。因みに、十傑には別名があるんじゃよ。儂は「牛鬼」じゃな。全員妖怪の名前が当てられとる。まぁええわ。そんな感じじゃな。それと、魔術体系についても話とくか。魔術には現在基本5属性とそれらを複合した複合属性が存在する。基本属性は、炎、水、雷、風、土。それと、複合以外で特殊なのが、闇と光じゃな。まぁそんあもんか。あんたの彼女さんも起きてきたぞい。」
見ると、リリィがパジャマ姿で来ていた。
「か、彼女じゃありませんよ?」
「はは、まぁそうじゃな。今は。」
リリィが話しかけてくる。
「何の話してたの?」
「いや、世界について聞いてただけだよ。ではローレンさん。僕らはこれで。」
「あぁ、気を付けるんじゃよ。」
歩いて、出ていく。先ずは、来週から通い始める予定の魔術学園に行くことだ。
「あのさ、レオンの属性って何なの?そういえば聞いてなかったんだけど。」
「あぁー、分からないな。」
「へ?」
「あぁいや、分からないんだよ。まぁどうせ学園の入試時の実技で分かるだろ。」
「まぁ…かもね。私は氷属性だから。」
「そうなのか。」
前世の化学知識を用いる。氷というのは、生み出す際にコツがある。例えば、超過冷却を用いたりするため、ゆっくりと氷にすることも重要だ。つまり、製氷の肝は低速にある。まぁこの子が理解できるかはわからないが。そうして、他愛無い話をしている内に学園に着いた。どうやら一番乗りのようだ。教官のところへ行き、手続きを済ませる。
「レオン、落ちないでよね。友達作るの面倒くさいから。」
「全く、見目も性格もいいのに、もったいないなぁ。」
「へ!?」
驚いて顔を赤くする彼女を見る。
「あ、いや変な意味じゃないぞ?」
慌ててそう言う。前世でもそういう経験は無かったからな。でも、リリィは純白のロングヘアを黒色の蝶のアクセサリで飾っていて、可愛いとは思う。まぁこの話はよそう。そして筆記の時間がやってきた。俺は当然のように満点を取る。リリィは、行路で勉強を教えていたからか、高得点を取っていた。ほかの人は軒並み半分以下だ。実技がやってくる。どうやら職業毎に分かれて行うらしい。俺はリリィと共に魔術師のところへ行く。的が7つある。
「ここでは、それぞれの的に魔法を当ててもらう。魔術耐性を施してあるから、その耐性と同じ属性の的を撃ってね。」
これは困った。属性耐性など貫通してしまうからな。どうしようかと悩んでいると、歓声が聞こえる。どうやらリリィが全ての的を破壊したらしい。教官も驚いている。つまり、彼女は魔術耐性を超える魔術を放ったということか。中々派手なことをするものだな。これなら多少俺が目立っても大丈夫だろう。そう決心して、的に向かう。炎属性の的へ向かう。
「終焉燈火」
的の真下から業火が発生し、的は昇華し、気体と化した。やりすぎたことに後悔する。
「すみません、次行きますね。」
「ちょっと待って…今のは…?」
無視する。水属性の的へ向く。
「竜操水波」
またもや、破壊する。少し手加減したのだがな。本来俺は召喚術師だ。なのに、ただの魔法で壊せるのか。流石は前世で最強だっただけはある。まぁあの大戦の最中では、ただ一人の微々たる戦力に過ぎなかったが。そんなことを思い浮かべつつ、残りの的も順調に破壊していった。そして、俺は首席合格となり、リリィは次席合格となった。俺は平穏な生活を送りたいので、しっかりと励んでいく所存だが、まぁあまり学ぶことはなさそうだな。クラスもリリィと一緒で良かったよ。一応友人だからな。これから苦労するだろうが、大丈夫だろう。