表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/30

8-3

主様の十年にわたる孤独の真相が明かされます。相次ぐ裏切りによって誰も信じられなくなった主様と、その心を開いてくださったミコへの特別な信頼。重い責任と温かい想いが交錯する第8章第3話です。


「暗殺の危険もございますが、それ以上に......主様は何度も裏切られてこられました。最も信頼していた方々にも。」

ルリア様の声が小さくなりました。

「側仕えとして仕えていた女性も、信頼していた右筆も、......皆、主様を裏切りました。」

「そんな......」

「だから主様は、もう誰も信じることができなくなってしまわれたのです。食事という最も無防備な時間を、他の誰かと過ごすなど......」

「でも、わたしとは......」

「だからこそ、ミコ様。あなたがどれほど特別な存在かお分かりになりますか?」

わたしは言葉を失いました。主様の孤独の深さと、自分への信頼の重さを思うと......。

「主様は、ミコ様の前でだけは......少し素の表情をお見せになります。『ちゃん』付けで呼ばれたこともございますね?」

「は...はい...」

あの時の主様の少しお茶目な表情を思い出しました。

「十年間、誰とも心を通わせることなく過ごしてこられた主様が、ミコ様には......」

ぐぅ~~~っ

「......主様を......お待たせしてはいけませんね。」

「はい。主様は、きっと楽しみにしていらっしゃいます。久しぶりの......温かい食事の時間を。」

わたしは胸の奥が温かくなるのと同時に、大きな責任も感じました。主様の信頼を裏切ってはいけない。そして、あの孤独な方に、少しでも安らぎを......。

「ミコ様のお腹の音も、主様にとっては癒しかもしれませんね。」

ルリア様が優しく微笑まれました。

昼食の時間まで、あと少しです。

主様の孤独の深さと、ミコへの信頼の重さが浮き彫りになりました。十年間誰とも心を通わせなかった絶対君主が、初めて見せる素の表情。ミコのお腹の音さえも癒しとなる、そんな特別な関係性が描かれています。次回、ついに二人だけの昼食の時間が始まります。


次回 9/19午前3時投稿予定です いつもお読みいただきありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ