8-2
個人的な事情で投稿できませんでした。申し訳ありませんでした。。
お腹を空かせたミコの素朴な日常と、主様を取り巻く深刻な状況。この対比が物語の核心を浮き彫りにしていく第8章第2話です。
「ミコ様、昼食の件でございますが、いつものように主様の自室へお届けいたします。」
「はい。そうですね......」
「配膳は女中が行いますが、ミコ様も主様とご一緒にお召し上がりにください。」
わたしは昨夜のことを思い出して、少し身震いしてしまいました。あの女中さんが主様に......。
「ルリア様......昨夜のようなことは......」
「ご心配なく。配膳する者は厳選されております。それでも主様は常に警戒なさっています......」
「そうですね......主様はいつも自室でお食事ですものね。」
ぐぅ~~~っ
今度はさらに大きな音が......。
「......も、もう少しの辛抱です、お腹......」
わたしは自分のお腹に向かって小さく話しかけてしまいました。ルリア様が優しく微笑んでいらっしゃいます。
でも、昨夜の恐ろしい光景と、今の平和な時間。この落差に、わたしはまだ慣れることができずにいました。
「ミコ様......」ルリア様が急に真剣な表情になられました。
「はい?」
「主様がどなたかとお食事を共にされるということが、どれほど......」
ルリア様は言葉を選んでおられるようでした。
「実は、主様はこれまで十年以上、ただの一度も他の方とお食事を共にされたことがございません。」
「じゅ、十年以上......?」
「はい。世界統一を成し遂げられてから、主様は......完全に孤独な食事を続けておられました。」
ぐぅ~~~っ
お腹の音が響きましたが、今はそれどころではありませんでした。
「それほどまでに......」
8-2いかがでしたでしょうか?
次回9/16火曜日 午前3時投稿予定です。
次回もよろしくお願いします