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5-2

いつも『華奢なる王と奉仕のミコ』をお読みいただき、ありがとうございます!

前回、ミコが食器を割ってしまい大慌て。主様への報告を覚悟していましたが、今回は女中さんの視点も少し覗けます。宮殿の中にも、それぞれの事情を抱えた人々がいるのですね。

ミコの純粋さと、周りの人たちの複雑な思いが交錯する展開をお楽しみください。

「主様には、わたしから報告いたします!どうかお許しくださいませ!」

わたしは必死に謝りました。この女中の方に迷惑をかけるわけにはいきません。わたしが前をよく見ていれば、こんなことにはならなかったのですから。

近衛の方は怒りを鎮めて言いました。

「気をつけて運べ。以後注意するように。」

そう言って、その場を去っていかれました。思ったより優しいお咎めで、わたしは少しだけ安心しました。

その頃、別の場所では、、、

「んー。騒々しいなー。」

主様は何かが起こったのかと気がつかれましたが、

「ま、、、大したことないか。女中がいる方角だからな。」

と、特に気にされませんでした。もしこの時、主様が直接確認にいらしていたら、、、わたしは震え上がっていたことでしょう。

わたしは女中の方と一緒に、宮殿の食事を作られる場所へ向かいました。料理長をはじめとする面々に、主様の大事な食器を割ってしまったことを報告しなければなりません。

「主様には、わたしから直接報告致しますので、皆様には迷惑がかからないように致します!」

料理長の方々は困った表情を浮かべましたが、わたしの言葉に頷いてくれました。きっと、わたしのことを心配してくださっているのでしょう。

割れた食器を廃棄し、再び夕飯のための準備に入りましたが、わたしは主様にどのような謝罪をすればよいのか、気が気でなりませんでした。

一方、その女中の方は、、、

(本来、あのミコのポジションには自分がいるはずだった。そうすれば、自分の親が経営する商業施設の利権を少しでも獲得できるはずだったのに、、、)

彼女は元々放置子として育ち、親に愛されることなく、ただ利用されるためだけに宮殿に送り込まれました。今は自分の生きる意味を失わぬため必死でした。必死に這い上がろうとしていたのです。

お読みいただき、ありがとうございました!

今回は食器を割ってしまった後の後始末と、女中さんの心の内が少し見えた回でした。ミコは相変わらず他の方への迷惑を一番に心配していますね。


次回、ミコは主様にどのように報告するのでしょうか?主様の反応も気になるところです。

更新は火曜日・金曜日の予定です。次回もお楽しみに!

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