師匠を倒す……
続きです。遅くなって申し訳ございません。
《魔法》
それは前の世界にはなく、絵物語とされていた。しかしこの世界には魔法があり魔力がある!
なんと素晴らしいことだろうか。魔法や魔力があれば一般人には到底出来ないことができる。
この世界では魔法は魔力を使いそれに伴ってイメージもいる。つまり逆を言えばイメージと魔力さえあればすべてのことができることができる。
だからこそ俺は基礎練習に加えて魔力増幅訓練、イメージをする訓練、魔力量のコントロール訓練などいろいろなことをした。
一般的な人間の魔力量とイメージ能力はわからないが、生まれてきたときよりは確実に多くなった。
そして俺は生まれて十三年経ったとき初めて魔法を使った。それは魔法を使うイメージしてたときより遥かに難しく、それでいてとても神秘的だった。
それから二年ちょっと俺は基礎練習と魔法の練習をした。
そして今俺は初めて人に魔法を打った。《爆発》単純であり威力は強い。しかしそれはこの世界の一般的な人たちの考えである。
爆発と一言で言っても、いろいろな爆発がある。
『火薬爆発』『水蒸気爆発』『核爆発』そしてこの世界の一般的な人達が考えている爆発である『ガス爆発』 俺はこの中で『水蒸気爆発』を使った。人が水蒸気爆発を喰らえばやけど程度ではすまないだろう。絶対に。しかし、この世界には魔法がある。攻撃する魔法があれば、防御する魔法もある。
「ふむ、まさか魔法がつかえるようになっているとはな」
師匠は驚いたようにこっちを見た。
まさか初見の攻撃を無傷で防ぐとは流石というか化け物というか。ただ俺の魔法はこれだけじゃない。
「もっと見てくれよ。師匠!」
そして俺はいろいろな魔法を使った。水の圧力を生かした『水剣』、氷の結晶の特性を生かした『吹雪』、マグマをイメージした『広がる火炎』
しかしどんな魔法を使っても師匠は倒れなかった。森の奥に行ってもこんなに強いやつには合わなかった。まさに化け物と言わざるを得なかった。
だから俺は本気を出すことにした。
「師匠、本気で行きます!」
師匠は心底嬉しそうだった。
「俺にその本気を見せてみろ! 馬鹿弟子!」
師匠はそんなことを言っていたが、俺はある一つのことだけを考えた。
《絶対零度》
防御魔法すら凍らせる防御貫通魔法。そして大気を凍らせ相手の攻撃すらも凍らせる防御魔法。
まさに攻防一体の魔法。それを、それだけをイメージして俺は《絶対零度》を唱えた。
その瞬間そこの時が止まったかのように白くなり、師匠の氷像ができた……
遅くなったのにも限らず見ていただきありがとうございます。